ボケるか、ボケないかの境目はMCI(軽度認知障害)

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ボケるか、ボケないかの境目はMCI(軽度認知障害)
 
 認知症医療で後悔しないためには、まず予防、早期発見、正しい早期治療の3つを理解しておくことが大切です。
 
特に大事なのは、早期発見です。
症状があらわれた段階では、脳はすでに激しく損傷していますから、手遅れにならないためには「認知症予備軍」といわれるMCIという段階での発見が重要なのです。
 
MCIとは、Mild Cognitive Impairment=軽度認知障害のことで、まだ認知症とは呼べない「健常と認知症の中間」にあたる「グレーゾーン」の段階をいいます。
記憶、決定、理由付け、実行などの認知機能のうち、ひとつの機能に問題が生じてはいるものの、日常生活にはまだ支障がない状態です。
要するにボケるか、ボケないかの瀬戸際にいるのがMCIです。
 
一般に、MCIの定義は、次の5項目とされています。
 
1 本人または家族(介護者)による物忘れの訴えがある。
2 客観的に記憶障害がある(新しいことが覚えられない、記憶を維持できない、思い出せない)。
3 日常生活は基本的にできる。
4 全般的な認知機能は保たれている。
5 認知症ではない。
 
また、MCIは、記憶障害の有無、さらにその他の認知機能障害の有無と障害の数によって、次のように4タイプに分けられます。
 
1.忘型MCI・単領域障害
2.忘型MCI・多単領域障害
3.健忘MCI・単領域障害
4.健忘MCI・多単領域障害
 
健忘型MCIは、物忘れを主体とするMCI、非健忘型MCIは、失語や失行など物忘れ以外の症状を主体とするMCIで、1.はアルツハイマー認知症に、2.は記憶障害アルツハイマー認知症、血管性認知症、3.は前頭側頭型認知症、4.はレビー小体認知症、血管性認知症などに移行します。
 
もちろん、MCIの方が将来必ず、認知症になるとは限りません。
放置していても正常な認知機能に回復するケースもあります。
しかし、何もしなければ約半数の人が、5年間で認知症に移行するとの研究報告もあります。
 
 ちなみに記憶障害のみのMCIでは、4年後の認知症への移行は24%、言語・注意・視空間認知の障害のいずれかを併せ持っている人の移行率は77%といわれています。
「薬いらずで認知症は防げる、治せる より」
 
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認知症の多くは、脳血管障害の積み重ねで起こり、その原因のほとんどが脳梗塞です。
ですから、脳梗塞の前兆である隠れ脳梗塞を早期発見することで多くの認知症を防ぐことができるのです。
 
脳梗塞は、高血圧や糖尿病などの病気が原因となったり、生活習慣などによって血液がドロドロになって血液循環が悪くなったりして、血管が厚く狭くなり、脳の血管が徐々に詰まって進行していきます。
一般的に、脳梗塞の初期には、大きさ数ミリ程度の微小な梗塞が数個出現し、段階をへるごとにこの梗塞が脳のあちこちに見られます。
このような症状のないごく小さな梗塞が隠れ脳梗塞(無症候性脳梗塞)です。
「隠れ脳梗塞(無症候性脳梗塞)は、早い人だと30代からあらわれ、40代を過ぎると急に増加するといわれています。
動脈硬化は年齢とともに発症しやすくなり、50代になるとほとんどの人(女性は60代から)に動脈硬化が見られるようになります。
 
近年、動脈硬化の原因として新しく注目されているものに、ホモシステインというものがあります。
ビタミンB12や葉酸の吸収が悪くなると、ホモシステインという老化物質が増え、動脈硬化を生じることがわかっています。
また、ビタミンB12や葉酸をはじめとするビタミンB群は、ミネラル、アミノ酸などの栄養素と協力し合っているため一緒にバランスよく摂ることがとても重要なのです。
 
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