脳疾患の影響を受けて発症する「二次性認知症」

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脳疾患の影響を受けて発症する「二次性認知症
 
 二次性認知症は、脳梗塞脳出血くも膜下出血などの脳血管障害を起こした後、その後遺症として発症します。
割合としては、男性に多い認知症ですが、女性は閉経後に血清コレステロール濃度が急激に上昇することから、脳血管系疾患をもたらし、認知症の原因になることもあります。
 
1980年代までの日本は、この血管性認知症が大多数を占め、認知症の原因疾患の1位でしたが、その後、高血圧のコントロールや生活習慣の見直しが進み、脳血管障害のみで重度の認知症になる人は少なくなっています。
しかし、血管性認知症アルツハイマー認知症レビー小体型認知症を併発する混合型認知症の割合は、依然として高く、脳血管障害が及ぼす認知症への悪影響は無視できません。
 
原因としてもっとも多いのは、小さい梗塞が多発した多発性脳梗塞で、そのほとんどが多発性ラクナ梗塞といわれる疾患です。
この多発性ラクナ梗塞は、無症状であることも多く、本人が発症したことに気づかないことも珍しくありません。
しかし、10年以上経過すると、高い確率で認知症を発症することが知られています。
 
血管性認知症の特徴としては、「まだら認知症」になりやすいことがあげられます。
まだら認知症というのは、同じことでも「できるとき」と「できないとき」が起こる症状ですが、これは脳内の障害された場所によって血流の悪くなる箇所が異なり、さらにそのときによって状態が変わるために生じると考えられます。
1日の中でも、例えば意欲がなくボーッとしていて、何もできないときと、はっきりしていて、できないと思っていたことができる場合があります。
 
また、血管性認知症では、感情のコントロールができず、すぐに泣いたり怒ったりする、あるいはうつ傾向になって、能面のような表情になることもあります。
さらに、洋服の前後や上下左右の認識ができない、なかなか言葉が出てこなくなるといった症状もあらわれます。
 
血管性認知症は、「治る」とはいえませんが、予防することができる認知症です。
血管性認知症の直接的な原因の多くは、脳梗塞脳出血です。
そして、これらは動脈硬化によって引き起こされます。
動脈硬化が発生する原因(危険因子)は、高血圧、高脂血症、糖尿病、喫煙、過度の飲酒、肥満、運動不足、ストレスなどですから、生活習慣を見直すことでそのリスクを取り除くことができます。
 
つまり、健康的な生活習慣が、血管性認知症の予防になるのです。
 
仮に、高血圧、高脂血症、糖尿病などを発症してしまったとしても、昔と比べて、数値のコントロールが比較的容易になっていますから、適切な治療をおこなうことにより、血管性認知症のリスクを低く抑えることができます。
「薬いらずで認知症は防げる、治せる より」
 
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認知症の多くは、脳血管障害の積み重ねで起こり、その原因のほとんどが脳梗塞です。
ですから、脳梗塞の前兆である隠れ脳梗塞を早期発見することで多くの認知症を防ぐことができるのです。
 
脳梗塞は、高血圧や糖尿病などの病気が原因となったり、生活習慣などによって血液がドロドロになって血液循環が悪くなったりして、血管が厚く狭くなり、脳の血管が徐々に詰まって進行していきます。
一般的に、脳梗塞の初期には、大きさ数ミリ程度の微小な梗塞が数個出現し、段階をへるごとにこの梗塞が脳のあちこちに見られます。
このような症状のないごく小さな梗塞が隠れ脳梗塞(無症候性脳梗塞)です。
「隠れ脳梗塞(無症候性脳梗塞)は、早い人だと30代からあらわれ、40代を過ぎると急に増加するといわれています。
動脈硬化は年齢とともに発症しやすくなり、50代になるとほとんどの人(女性は60代から)に動脈硬化が見られるようになります。
 
近年、動脈硬化の原因として新しく注目されているものに、ホモシステインというものがあります。
ビタミンB12や葉酸の吸収が悪くなると、ホモシステインという老化物質が増え、動脈硬化を生じることがわかっています。
また、ビタミンB12や葉酸をはじめとするビタミンB群は、ミネラル、アミノ酸などの栄養素と協力し合っているため一緒にバランスよく摂ることがとても重要なのです。
 
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