認知症に効く栄養成分②≪ビタミンE≫

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認知症に効く栄養成分②≪ビタミンE≫
 
●細胞膜の監視役
ビタミンEは抗酸化ビタミン、若返りのビタミンとして知られています。
科学名を「トコフェノール」といい、体の組織に広く分布しています。
 
ビタミンEのもっとも重要な役割は細胞膜を守ることです。
細胞膜の主要な構成成分であるリン脂質には、多価不飽和脂肪酸が多く含まれています。
そのため活性酸素の攻撃を受けやすく、酸化されると細胞が傷つき、老化の進行や生活習慣病を招きます。
 
脂溶性のビタミンEは細胞膜の内側に常在し、いちはやく活性酸素を無害化して細胞を酸化から守ります。
このときビタミンEは効力を失いますが、ビタミンCがあると、再びEとしての活性を取り戻せるのです。
つまり、よみがえってまた活性酸素と闘えるわけです。
ビタミンEとCをいっしょにとると効果的、といわれるのはこのためです。
 
このように、ビタミンEは細胞膜の監視役として活躍しているので、不足すると細胞膜が酸化されて壊れやすくなります。
赤血球の膜が壊れた場合は、溶血性貧血を引き起こすこともあります。
 
ただし、普通に食事をとっていれば、欠乏症に陥ることはほとんどありません。
 
動脈硬化やシミを防ぐ
コレステロールには「悪玉」と呼ばれるLDLと、「善玉」と呼ばれるHDLがあります。
LDLが増えすぎると、余剰分が酸化されて酸化LDLとなります。
これが血管壁にへばりついて動脈硬化を誘発するのです。
 
ビタミンEはLDLの酸化を防ぎ、HDLを増やして動脈硬化を予防します。
脳卒中心筋梗塞、高血圧症の予防・改善にも大いに役立ちます。
 
●ビタミンEは天然由来のものを
医薬品やサプリメントでビタミンEをとる場合には、表示をよく確かめましょう。
ビタミンEには、植物油からEを抽出してそのままの形で安定させた「天然」、植物油から抽出したEに酢酸を加えて作った「天然型」、素材を化学的に反応させて人工的に作った「合成型」の3種類があります。
 
天然ビタミンEは「d-α-トコフェロール」、天然型は「酢酸d-α-トコフェロール」、合成型は「dI-α-トコフェロール」「酢酸dI-α-トコフェロール」と表示されます。
 
活性は「天然」がもっとも高く、次いで「天然型」、低いのが「合成型」です。
天然は合成型の1.5倍の活性を持つといわれています。
ビタミンEは天然か天然型を選びましょう。
ちなみに、ビタミンCや葉酸では、必ずしも天然型のほうが効果が高いとはいえません。
葉酸は合成型(モノグルタミン酸)のほうが天然型(ポリグルタミン酸)より、吸収率が高いことが知られています。
 
●食事からとるのがポイント
 米シカゴのラッシュ健康老化研究所の研究チームは、ビタミンEとアルツハイマー認知症との関係について検証しました。
シカゴ在住の65歳以上の、アルツハイマー認知症ではない815人について、まず食習慣を詳しく調べました。
その後4年間追跡調査をしている期間中に、131人がアルツハイマー認知症を発症しました。
食事との関係を調べると、ビタミンEの摂取量がもっとも少ないグループの発症率が14.3%だったのに対して、もっとも多くとったグループでは5.9%と半分以下だったのです。
 
 また、オランダのエラスムス医療センターも同様の報告をしています。
55歳以上の認知症ではない5395人を対象に、食事内容について聞き取り調査を行いました。
10年近く追跡している間に465人が認知症を発症、そのうち365人がアルツハイマー認知症と診断されました。
 
 食事との関係を調べたところ、ビタミンEを多く摂取したグループのほうが、少ないグループより、認知症アルツハイマー型ともに、有意に発症率が低かったのです。
 
 一方、ビタミンC、β-カロテン、フラボノイドについては、認知症発症リスクとの関係は認められませんでした。
 
 これらの研究の結果、ビタミンEには認知症を予防する効果があると考えられます。
ただし、サプリメンとではそのような効果はみられず、食事から摂取したビタミンEに限られます。
 
 その理由についてはまだ解明されていません。
認知症 治った!助かった! この方法 より」
 
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現在60歳以上の人の20パーセントでビタミンB12の欠乏が見られます。
これは歳をとると胃の機能が低下し、内因子の分泌が低下するからです。
血液検査では見つけられないような軽度のビタミンB12の欠乏でも、認知症に似た神経異常を引きおこすことがあります。
とくに高齢者では、ビタミンB12の値が基準値の範囲にあっても、それが下限値の場合には、記憶障害をおこすことが知られています。
近年、日本人の死因の上位占めているガン・心筋梗塞・脳血管系の疾患、そして高血圧症などの生活習慣病の多くは、戦後、日本人の食生活が欧米化し、動物性食品を多くとるようになったことに起因すると言われています。
長寿のためには、動物性食品を控えた方が良いという事ですが、一方では動物性食品を摂らないことからビタミンB12を摂取できなくなる恐れがでてきます。
ビタミンB12を摂取できないことで、脳のビタミンとしての作用が欠落してしまうという深刻な問題も起きています。

ビタミンB12は、肉や魚介類、卵、乳類などの動物性食品には多く含まれますが、原則として植物性食品には含まれません。
植物性でも例外的に、納豆やみそなど発酵食品、のりなどの海藻に含まれます。
 
また、食べ物に含まれるビタミンB12は、そのままの形では吸収されません。
胃から分泌された内因子と結合する必要があるのです。
このために胃を切除した人では、ビタミンB12が欠乏して貧血をおこすことがあります。
 
ビタミンB12には、脳の血流をよくするとともに、脳神経の働きを改善あるいは促進する作用があります。
同時に、動脈硬化の原因となるホモシステイン活性酸素(ふえすぎると体に害を及ぼす非常に不安定な酸素)を除去する働きも持っています。
ビタミンB12は、大量かつ配合によって効果的に働き、そして、ビタミンB群はバランス良く摂ることで相乗効果を発揮します。
 
ビタミンB12は、脳からの指令を伝達する神経を、正常に働かせるために必要な栄養素です。
十分にあると、集中力ややる気が高まり、不足すると、神経過敏などの症状が起こりやすくなります。
また、脳や神経と関連が深く、不眠症にも効果があるといわれています。
 
人間の体質改善は約3ヶ月程度が基準となっているため、続けなければ効果が得られません。
生活習慣を変えるとともに栄養面の改善も非常に大切です。
 
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