認知症に効く栄養成分①≪β-カロテン≫

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認知症に効く栄養成分①≪β-カロテン≫
 
●必要に応じてビタミンAに変換
β-カロテンはファイトケミカルの一つで、カロテノイドの仲間です。
体内に入ると必要に応じてビタミンAに変換され、ビタミンAとして働きます。
 
このように、体内においてビタミンAに変わるものを総称して、「プロビタミンA」と呼びます。
主なプロビタミンAには、α-カロテン、β-カロテン、γ-カロテン、クリプトキサンチンなどがありますが、β-カロテンがもっとも活性が高く、他の物質の2倍にものぼります。
 
ビタミンAは過剰にとると肝臓に蓄積され、頭痛や関節痛、肝腫大などの過剰症を引き起こすことがあります。
しかし、β-カロテンは随時変換されてビタミンAになるので、過剰症の心配はありません。
 
変換されなかったβ-カロテンは肝臓や脂肪組織に蓄積されてビタミンAになるので、過剰症の心配はありません。
 
変換されなかったβ-カロテンは肝臓や脂肪組織に蓄積され、出番を待ちます。
β-カロテンのままですぐれた抗酸化作用を発揮して、細胞の酸化を防ぐのです。
 
●β-カロテンはガンを抑制する
β-カロテンには紆余曲折の歴史があります。
早くからその強い抗酸化作用は知られており、さまざまな研究がなされてきました。
1980年代になるとがん予防効果に期待が寄せられ、一躍脚光を浴びたのです。
 
世界五大医学雑誌の一つといわれるイギリスの『ランセット』も、緑黄色野菜をよく食べ、β-カロテンをたっぷりとっている人は、喫煙習慣のある人でも肺がんになりにくいと発表しました。
 
1993年に報告された、中国の農村の住民、約3万人を対象にした研究では、β-カロテン・ビタミンE・セレンを投与されたグループは、非投与群に比べてがんの死亡率が13%も低くなるという、期待どおりの結果が得られたのです。
 
ところが翌1994年、思いがけない報告がありました。
アメリカ国際がん研究所ヘルシンキ大学が共同で、フィンランドに住む約3万人の男性喫煙者を調査したところ、β-カロテンのサプリメントを投与されたグループのほうが、非投与群より肺がんの発症率が高くなったのです。
この結果は世界中の研究者に大きな衝撃を与え、β-カロテン神話は崩壊しました。
 
しかし、このときに使われたβ-カロテンのサプリメントは合成もので、それがこのような結果を導き出したのではないかと指摘する声もあり、まだこの問題については、はっきりした決着はついていません。
もちろん、野菜などから摂取した場合は、肺がんを促進するようなことはありません。
 
その後の研究によって、緑黄色野菜をしっかり食べ、β-カロテンを積極的に摂取すると、がんや心筋梗塞脳卒中などの生活習慣病を妨げることが明らかになりました。
 
日本でも、全国の4069歳の男女、約37000人を対象に大規模な疫学調査が行われ、2008年、厚生労働省研究班は、β-カロテンが不足すると胃がんを発症するリスクが2倍になると発表しました。
 
●β-カロテンは認知症を予防する
さらに、β-カロテンには認知症予防効果もあるのではないかと、期待されています。
ハーバード大学ブリガム&ウイメンズ病院の研究チームが約6000人の男性を対象に行った調査によると、β-カロテンのサプリメントを長期にわたって摂取したグループは、認知能力が低下しにくいことがわかりました。
偽薬を飲んでいる人に比べると、一般認知機能、言語記憶など、すべてのテストの成績がよかったのです。
一方、短期間しか摂取しなかったグループでは、偽薬を飲んだ人との差異は認められませんでした。
 
また、ドイツのウルム大学のガブリエラ・ナーゲル教授らのグループは、平均年齢約79歳の軽度のアルツハイマー認知症患者74人の血液を調べ、健康な人と比較しました。
すると、ビタミンCとβ-カロテンの血中濃度が有意に低かったのです。
 
ビタミンEリコピンコエンザイムQ10血中濃度については、健康な人との差異は認められませんでした。
 
この結果をどう受け取ればいいのか悩ましいところですが、少なくともビタミンCとβ-カロテンはしっかりとっておくことが賢明、とはいえそうです。
認知症 治った!助かった! この方法 より」
 
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現在60歳以上の人の20パーセントでビタミンB12の欠乏が見られます。
これは歳をとると胃の機能が低下し、内因子の分泌が低下するからです。
血液検査では見つけられないような軽度のビタミンB12の欠乏でも、認知症に似た神経異常を引きおこすことがあります。
とくに高齢者では、ビタミンB12の値が基準値の範囲にあっても、それが下限値の場合には、記憶障害をおこすことが知られています。
近年、日本人の死因の上位占めているガン・心筋梗塞・脳血管系の疾患、そして高血圧症などの生活習慣病の多くは、戦後、日本人の食生活が欧米化し、動物性食品を多くとるようになったことに起因すると言われています。
長寿のためには、動物性食品を控えた方が良いという事ですが、一方では動物性食品を摂らないことからビタミンB12を摂取できなくなる恐れがでてきます。
ビタミンB12を摂取できないことで、脳のビタミンとしての作用が欠落してしまうという深刻な問題も起きています。

ビタミンB12は、肉や魚介類、卵、乳類などの動物性食品には多く含まれますが、原則として植物性食品には含まれません。
植物性でも例外的に、納豆やみそなど発酵食品、のりなどの海藻に含まれます。
 
また、食べ物に含まれるビタミンB12は、そのままの形では吸収されません。
胃から分泌された内因子と結合する必要があるのです。
このために胃を切除した人では、ビタミンB12が欠乏して貧血をおこすことがあります。
 
ビタミンB12には、脳の血流をよくするとともに、脳神経の働きを改善あるいは促進する作用があります。
同時に、動脈硬化の原因となるホモシステイン活性酸素(ふえすぎると体に害を及ぼす非常に不安定な酸素)を除去する働きも持っています。
ビタミンB12は、大量かつ配合によって効果的に働き、そして、ビタミンB群はバランス良く摂ることで相乗効果を発揮します。
 
ビタミンB12は、脳からの指令を伝達する神経を、正常に働かせるために必要な栄養素です。
十分にあると、集中力ややる気が高まり、不足すると、神経過敏などの症状が起こりやすくなります。
また、脳や神経と関連が深く、不眠症にも効果があるといわれています。
 
人間の体質改善は約3ヶ月程度が基準となっているため、続けなければ効果が得られません。
生活習慣を変えるとともに栄養面の改善も非常に大切です。
 
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