身近な野菜のファイトケミカル《ニンニク》

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身近な野菜のファイトケミカル《ニンニク》
 
 「ニンニク」はネギ属の多年草です。
中央アジア原産で、世界中で使われています。
イタリア料理でも中華料理でもエスニック料理でも、そして現代の和食でもニンニクは欠かせない食材です。
 
ニンニクといえば、有名なのはその強壮作用でしょう。
古代エジプトでは、ピラミッド建築に従事する労働者たちにニンニクとタマネギを支給したといわれていますから、古くからその作用を知られていたことがわかります。
 
ニンニクを刻んだり、すりおろしたりすると、強烈な匂いを発しますが、これはニンニクに含まれている「アリイン」というファイトケミカルが、ニンニクに含まれる酵素で分解されて生じる匂い成分「アリシン」によるものです。
 
アリシンはとても不安定で、他の物質と反応しやすく、ビタミンB1と結合すると「アリチアミン」という物質になります。
 
ビタミンB1は糖質からエネルギーを得るときに必要ですが、水に溶ける水溶性なので体内に長く蓄えておけないという弱点があります。
アリシンと合体したアリチアミンは体内に蓄えられやすくなり、糖質によるエネルギー供給を長時間にわたってサポートします。
さらにニンニクには体を活動的に整える「交感神経」を刺激する作用もあります。
これがニンニクの強壮作用のメカニズムです。
 
すりつぶしたり、スライスしたりすると生じるアリシンは、活性酸素を除去する酵素を増やして抗酸化作用を発揮します。
 
また、ニンニクの成分には、血管事故をもたらす悪玉コレステロールを減らしたり、血液サラサラ作用で血液が固まるのを防いだりする働きもあります。
 
アリシンにはすぐれた2つの抗がん作用もあります。
 
第一に、アリシンはがん細胞を自然死(アポトーシス)に誘導します。
スライスしたニンニクに植物油を加えて過熱すると、「アホエン」と呼ばれる成分が生まれます。
このアホエンも危険ながん細胞を自然死へと導いてくれるのです。
 
第二に不安定な性質を持つアリシンは、「スルフィド」という安定的な成分に変化しやすい特性があります。
このスルフィドの一種は肝臓で解毒作用を活性化し、発がん物質の無毒化を促してがんを抑制します。
 
 こうした数々の抗がん作用が高く評価された結果、ニンニクはがん予防の「フードピラミッド」でも最上位のポジションを占めています。
 ファイトケミカルには酸化をブロックする働きがあるのです。
また、ファイトケミカルには血小板の凝集を抑制して血液が固まるのを防ぐ、血液サラサラ作用もあります。
ファイトケミカルは現在見つかっているもので数千種類ほどですが、全体では1万種以上あると推定されています。
そのおよそ9割は野菜や果物など日常的に食べている身近な食品に含まれています。
ファイトケミカルの遺伝子を持たず、自力でつくり出すことができない私たちは、野菜や果物などを食べてファイトケミカルを摂取するしかないのです。
「血管があなたの寿命を決めている 生活習慣で「老化」を進めないために より」
 
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ビタミンB12には、脳の血流をよくするとともに、脳神経の働きを改善あるいは促進する作用があります。
同時に、動脈硬化の原因となるホモシステイン活性酸素(ふえすぎると体に害を及ぼす非常に不安定な酸素)を除去する働きも持っています。
 
ホモシステインLDLと一緒になり血管壁にコレステロールを沈着させます。
また活性酸素と一緒になり、脂肪やLDLの過酸化、血管内皮細胞や血管の平滑筋の異常を引き起こします。
その結果、動脈硬化心筋梗塞脳梗塞になるのです。
もしビタミンB群のビタミンB12葉酸があれば、ホモシステインは分解されます。
 
しかしビタミンB12葉酸が欠乏していると、ホモシステインが増え、その結果、血栓ができ、心筋梗塞脳梗塞になります。 
 
一般にビタミンB群は、一つが欠乏するときには他のビタミンも欠乏していることが多いのです。
もちろん、すべてのビタミンが老化防止に必要であることはいうまでもありませんが、B類のビタミンB12、B6葉酸は老化を防ぐうえでも、もっとも重要なビタミンとされます。
 
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