歯が抜けてしまった人はアルツハイマーになりやすい

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歯が抜けてしまった人はアルツハイマーになりやすい
 
 日本は高齢化社会が加速度的に進んでいます。
 
2015年にはベービーブーマー世代が前期高齢者(65歳以上、75歳未満)になり、2025年には高齢者が3500万人、総人口に占める割合は30パーセントを超えるといわれています。
みんなが元気であれば長寿であることはめでたいことです。
しかし現実はそれほど甘くなく、寝たきりや要介護の人が増えていきます。
 
厚生労働省は、2002年に150万人だった認知症患者が2025年には2倍以上の約320万人に達すると推進していまする。
 
中高年になると物忘れが激しくなる。
大昔のことはよく覚えているのに、昨日のことがなかなか思い出せない。
相手の顔はわかるのに、どうしても名前がでてこない。
もしかすると、ボケが始まったのではないかと不安になる。
 
「まさか、若年性認知症ってことはないよな」
 
と心配が高じて、脳ドッグに駆け込む人もいます。
 
認知症というのは、脳細胞が変性することで記憶や認知機能が障害される病気です。
 
脳血管性認知症アルツハイマー認知症2種類の他に、レビー小体型認知症などがあります。
 
脳血管性認知症動脈硬化によって脳の細胞に血液が十分に行きわたらなくなり、細胞が死んでいくため徐々に症状が進行します。
高血圧などがあればさらに悪化するといわれます。
 
高齢化の進行で増えているのがアルツハイマー認知症です。
神経細胞の表面にアミロイドβというタンパク質が溜まることで情報の伝達が悪くなり、脳全体の機能が低下します。
進行すると神経細胞にタウという異常なタンパク質が溜まり神経細胞を死滅させます。
神経伝達をサポートする対症療法薬はありますが、治療薬は開発途中の状況です。
 
高齢者でも認知症にならず元気に過ごす人もいれば、比較的早い段階で認知症になってしまう人もいます。
 
歯と脳の関係から認知症になりやすい人を割り出す、というアプローチをした研究があります。
名古屋大学大学院医学系研究科の上田教授がある老人施設で調査したもので、その結果がかなり興味深いものです。
 
調査対象は健康な高齢者78人、脳血管性認知症の高齢者39人、アルツハイマー認知症の高齢者36人です。
それぞれの高齢者を対象に現在残っている歯の本数、どの時期に歯を失ったかを聞き取り調査しました。
 
アルツハイマー認知症の高齢者は健康な人に比べて、残っている歯の数が平均して3分の1しかありませんでした。
アルツハイマー認知症の高齢者は、自分の歯の保有率がものすごく少なかったのです。
はがないのに入れ歯など補助的な歯の使用も健康な人高齢者の半分しかありません。
つまり歯が抜けても、入れ歯も使用せずそのまま放置している人が多かったというのです。
しかも、アルツハイマー認知症の高齢者は認知症の高齢者群では、歯の喪失本数が多いほど、脳の萎縮度が高いということが画像診断であきらかになりました。
 
つまり、残っている歯の本数が少なければ少ないほど、脳の萎縮が進行しているということがわかったのです。
 
しかも、アルツハイマー認知症の高齢者は健康な高齢者より、20年も早く歯を失っています。
歯が早く失われ、しかも治療もせずに放置しておくとアルツハイマー病の発症リスクが健康な高齢者に比べて3倍になると、上田教授は結論づけています。
 
歯と脳はこれほど関係が深いのです。
「口の中をみれば寿命がわかる より」
 
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 すべてのビタミンが老化と関係があります。
とくに、B類のビタミンB12、B6葉酸は生活習慣で老化を早めないために役立つ成分です。
また、老人性認知症患者の脳にはビタミンB12が不足しているという報告もされています。
 
 認知症の多くは、脳血管障害の積み重ねで起こり、その原因の多くが脳梗塞です。
脳梗塞は、初期段階に数ミリ程度の微小な梗塞が数個出現します。
これが隠れ脳梗塞と呼ばれるものです。
隠れ脳梗塞は早い人だと30代から表れ、40代を過ぎると急に増加すると言われています。
 
 体の老化は20代ごろから始まります。
老化は生きている以上避けられないものですが、何をどう食べるかで進行程度が変わってきます。
脳梗塞をはじめとする脳血管障害を生活習慣病の一つととらえ、ふだんから健康に保つ生活を心がけましょう。
 
ビタミンB12は、ストレス社会に生きる現代人のこれからの健康に役立つ成分です。
 
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