認知症は脳の損傷で起こる症状群

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認知症は脳の損傷で起こる症状群
認知症の人の脳の中では、なんらかの理由で神経細胞が死滅していきます。
記憶が失われる、時間や場所などがわからなくなる、といった中核症状は、この脳の損傷によって起こるものです。
 
認知症の脳では、神経細胞の破壊が起こっている≫
 
認知症は脳の病気です。
では、認知症の人の脳の中では、どんなことが起こっているのでしょう。
 
認知症を起こす病気の一つとなっているアルツハイマー病では、大脳皮質の神経細胞がじわじわと死滅・脱落し、脳が萎縮していきます。
細胞が消失するために、血流が低下するという現象も起こります。
さらに、神経細胞が情報をやりとりするときにメッセンジャーの役割をする神経伝達物質が失われていくこともわかってきています。
 
また、認知症は脳血管性の病気で起こることもあります。
脳出血で血管が破れたり、脳梗塞で血管が詰まると、圧迫された部分の神経細胞や神経線維が破壊されます。
小さな脳梗塞10ヶ所以上できると、認知症の症状が出始めるといわれます。
 
つまり、認知症とは、正確には、原因となるいろいろな病気によってもたらされる症状の集まりであり、症状群だといえるのです。
 
認知症を起こす病気は200300近くあるとされますが、その代表がアルツハイマー病と脳血管性の病気です。
この2つと混合型を合わせ、認知症の全体の7080%を占めます。
 
アルツハイマー病が原因のものは「アルツハイマー認知症」、脳出血脳梗塞などが原因のものは「脳血管性認知症」と呼んで区別しています。
 
ただし、アルツハイマー型の認知症の経過中に脳卒中の発作が起きて脳血管性の認知症を合併したり、脳梗塞アルツハイマー病を引き起こす混合型のケースも少なくありません。
 
≪脳の侵され方によって、症状のあらわれ方も違ってくる≫
 
認知症は、脳を損傷する病気によって発症します。
 
中核となる症状は、記憶障害と認知障害(失語、失行、失認、実行機能の障害)ですが、原因となる病気によって脳の侵され方が異なるため、あらわれ方も違ってきます。
 
たとえば、失語は言葉がうまく出てこない言語障害の症状ですが、脳の「一部」が段階的に障害される脳血管性の認知症と、脳の「全体」が徐々に侵されるアルツハイマー型の認知症とでは、次のような違いがあります。
 
脳血管性で大脳の言葉をつかさどる場所(言語中枢)脳卒中などで傷つき、言語能力が障害されます。
「言いたい言葉が言えない」「言い間違いをする」「他の人の話す言葉が理解できなくなる」などの言語障害があらわれ、コミュニケーションをとるのがむずかしくなります。
 
一方、アルツハイマー型では、脳血管性のように、突然言語中枢が障害されることはありません。
初期のうちは、物の名前を思い出す能力が低下するために、代わりに「あれ、それ」などが多くなりますが、言葉を発する量は保たれ、流暢に話せます。
そのため、初期は、老化による健忘症とほとんど区別がつきません。
 
認知症は、脳の障害が関係する器質的な(器官の構造的・形態性性質がかかわる)病気であるということを知っていただくために症状を少し紹介しました。
 
アルツハイマー病患者第1号★
 
1906年、ドイツの精神学者アルツハイマー博士は、ある女性患者のケースを学会で報告しました。
 
51歳のその女性には、夫への嫉妬妄想、記憶障害、場所にかかわる見当識障害などがありました。
症状が進行し、4年後に死亡した彼女の脳を病理解剖して、顕微鏡で観察したアルツハイマー博士は、そこに神経原線維の変化(神経細胞に増殖する微小な管)や、老人斑(しみ)と呼ばれる独特の病的変化を発見しました。
当時はあまり相手にされなかったのですが、1910年にはクレペリンによって「アルツハイマー病」と評価、認知されました。
老人斑と神経原線維変化は、いまでもアルツハイマー病を断定する決め手になっています。
認知症アルツハイマー病 より」
 
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認知症の多くは、脳血管障害の積み重ねで起こり、その原因のほとんどが脳梗塞です。
ですから、脳梗塞の前兆である隠れ脳梗塞を早期発見することで多くの認知症を防ぐことができるのです。
「隠れ脳梗塞(無症候性脳梗塞)は、早い人だと30代からあらわれ、40代を過ぎると急に増加するといわれています。
 
脳梗塞は、高血圧や糖尿病などの病気が原因となったり、生活習慣などによって血液がドロドロになって血液循環が悪くなったりして、血管が厚く狭くなり、脳の血管が徐々に詰まって進行していきます。
一般的に、脳梗塞の初期には、大きさ数ミリ程度の微小な梗塞が数個出現し、段階をへるごとにこの梗塞が脳のあちこちに見られます。
このような症状のないごく小さな梗塞が隠れ脳梗塞(無症候性脳梗塞)です。
 
脳梗塞をはじめとする脳血管障害を生活習慣病の一つととらえ、ふだんから脳の血管を健康に保つ生活を心がけ、脳梗塞を予防し、脳の健康を守ることが大切なのです。
 
ビタミンB12には、脳の血流をよくするとともに、脳神経の働きを改善あるいは促進する作用があります。
同時に、動脈硬化の原因となるホモシステイン活性酸素(ふえすぎると体に害を及ぼす非常に不安定な酸素)を除去する働きも持っています。
ビタミンB12は、大量かつ配合によって効果的に働き、そして、ビタミンB群はバランス良く摂ることで相乗効果を発揮します。
ビタミンB12は、脳からの指令を伝達する神経を、正常に働かせるために必要な栄養素です。
 
十分にあると、集中力ややる気が高まり、不足すると、神経過敏などの症状が起こりやすくなります。
また、脳や神経と関連が深く、不眠症にも効果があるといわれています。
 
一般にビタミンB群は、一つが欠乏するときには他のビタミンも欠乏していることが多いのです。
もちろん、すべてのビタミンが老化防止に必要であることはいうまでもありませんが、B類のビタミンB12、B6葉酸は老化を防ぐうえでも、もっとも重要なビタミンとされます。
 
現在60歳以上の高齢者の二割の人に、ビタミンB12の欠乏が見られるということです。
これは年をとると胃の機能が低下し、内因子の分泌が低下するからです。
 
また、高齢者が理由のはっきりしない神経症状を呈したら、ビタミンB12の欠乏を考えるべきだという学者もいます。
 
ビタミンB12は、肉や魚介類、卵、乳類などの動物性食品には広く含まれますが、原則として植物性食品には含まれません。
ただし、おもしろいことに、納豆やみそ、たくあんなど、日本に古くからある保存食には、植物性でも例外的にビタミンB12が含まれています。
これは、発酵の過程でビタミンB12が作られるためと考えられます。
 
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