アルツハイマー病の原因

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アルツハイマー病の原因

 

老化に伴い脳の海馬の機能が低下し、新しい記憶の形成がうまくおこなえなくなるのが認知症ですが、アルツハイマー病の初期症状も記憶の形成障害です。

そのため、アルツハイマー認知症と呼ばれますが、一般的な老化による認知症との大きな違いは、進行がより速く人格の変化も伴う点です。

遺伝的な問題により若いうちから病変を示す人が少数いる一方で、多くの人は生活習慣や環境といった要因が絡まりあって高齢になってから発症します。

理由はよくわかっていませんが発症率は女性の方が2倍ほど高いそうです。

脳内では、海馬とのつながりが深い側頭葉の内側部にある嗅内野に最初の病変が現れ、さらに海馬や他の部位へと病変が拡大していきます。

 

神経細胞ネットワークが壊されるわけですから、“脳内で何らかの炎症反応が起こり、それによってミクログリアが活性化されることがアルツハイマー病の原因”ということでは多くの研究者の意見が一致しています。

見解が異なるのは、炎症反応を誘発するメカニズムです。

アミロイド仮設ではアミロイド斑あるいはアミロイドβミクログリアを刺激して活性化すると考えていますが、別な炎症反応誘発物質によりミクログリアが活性化されるという説もあります。

その場合、アミロイド斑はミクログリアの異常活動によって作られてしまった副産物であり、直接の原因ではないということになります。

 

ある病気の本当の原因を特定するのは非常に難しいものです。

アルツハイマー病はウイルスの感染が直接の原因で、アミロイド斑はその結果だと言う研究者もいます。

アルツハイマー病の患者には歯周病の人が多いので、歯周病菌がミクログリアを刺激していると言う研究者もいます。

しかし、多くのアルツハイマー病の患者の脳にウイルスや細菌の感染が見つかったとしても、それだけでは証明になりません。

アルツハイマー病になる過程で脳の防御機構が弱まってウイルスや細菌が侵入したかもしれないのです。

直接の原因であることを証明するには、健康な人にウイルスや細菌を感染させてアルツハイマー病になることを示さないといけません。

動物実験でそれを示すことができたとしても人間で同じように起こるとは言えません。

 

胃潰瘍の原因の一つが胃の中に生息するピロリ菌であることを明らかにしてノーベル生理学・医学賞を受賞したオーストラリアのバリー・マーシャル博士は、自分自身でピロリ菌を飲んで胃潰瘍になることを示して自説を説明して見せました。

胃潰瘍なら治療は可能ですが、アルツハイマー病は治療法がないので、そのような実験をする訳にはいきません。

 

いずれにしても「脳内での炎症反応」というのが、最近の認知症およびアルツハイマー病研究ではキーワードになっています。

 

※炎症反応は、白血球が異物を飲み込んで分解する反応のことです。脳内にもミクログリアという白血球のような細胞があり、神経細胞ネットワークのつなぎ替えによる再構築や老廃物の分解をおこなっています。

炎症反応を支持する研究結果がいくつかあります。リウマチの治療薬として炎症を抑える薬剤が使われるのですが、このリウマチ治療薬を飲んでいる人はアルツハイマー病になりにくいということが以前から知られていました。アミロイド斑を作りやすいネズミにさらに遺伝子操作を施して炎症反応を起こしにくくしたところ、アミロイド斑が出現せずアルツハイマー病の症状が現れなかったという報告もあります。

最近注目されているのが、細胞から放出されたアミロイドβを除去する作用のある脳間質液の循環における異常です。その循環に問題があるとアミロイドβがいつまでも脳間質液から除去されないため、アミロイド斑ができてしまうのです。

「老化と脳科学 より」

 

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認知症の多くは、脳血管障害の積み重ねで起こり、その原因のほとんどが脳梗塞です。

ですから、脳梗塞の前兆である隠れ脳梗塞を早期発見することで多くの認知症を防ぐことができるのです。

 

脳梗塞は、高血圧や糖尿病などの病気が原因となったり、生活習慣などによって血液がドロドロになって血液循環が悪くなったりして、血管が厚く狭くなり、脳の血管が徐々に詰まって進行していきます。

一般的に、脳梗塞の初期には、大きさ数ミリ程度の微小な梗塞が数個出現し、段階をへるごとにこの梗塞が脳のあちこちに見られます。

このような症状のないごく小さな梗塞が隠れ脳梗塞(無症候性脳梗塞)です。

「隠れ脳梗塞(無症候性脳梗塞)は、早い人だと30代からあらわれ、40代を過ぎると急に増加するといわれています。

 

ビタミンB12や葉酸の吸収が悪くなると、ホモシステインという老化物質が増え、動脈硬化を生じることがわかっています。

ホモシステインはLDLと一緒になり血管壁にコレステロールを沈着させます。

また活性酸素と一緒になり、脂肪やLDLの過酸化、血管内皮細胞や血管の平滑筋の異常を引き起こします。

その結果、動脈硬化心筋梗塞脳梗塞になるのです。

脳梗塞をはじめとする脳血管障害を生活習慣病の一つととらえ、ふだんから健康に保つ生活を心がけましょう。

 

老人の認知症の3割~5割を占めるアルツハイマー病の場合は、脳細胞が萎縮する病気です。

この萎縮を食い止めるためには、脳細胞を生成するためのタンパク合成、核酸(DNA)合成が順調に行われる必要があるのです。

ビタミンB12は、脳細胞のタンパクと核酸(DNA)の生合成を司っています。

新しい核酸、タンパク質が生まれ、それによって細胞も新しく生まれ変わり、「こわれた組織、細胞」と「新生の組織、細胞」が入れ替わります。

その結果若さにもつながると考えられます。

アルツハイマー認知症の方々の脳脊髄中にはビタミンB12が少ないことが確認されています。

 

ビタミンB12について?

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