あきらめなければ、脳は何歳になっても衰えない
「歳をとっても衰えない脳をつくるのに、いちばん大切なことは何なのでしょうか?」
こんな鋭い質問を向けられることがあります。
そして、こういうとき、いつも次のように答えます。
「“自分”をあきらめないこと。それがいちばん大切です」
つまり、「脳は、自分という人間の可能性をあきらめない限り、いつまでも成長するもの。
だから、いくつになっても成長する“衰えない脳”をつくるには、自分をあきらめてはいけない。
自分をあきらめないことがいちばん大切なんだ」――ということが言いたいのです。
ご自身の可能性を信じて、あきらめずにその可能性を追求できているでしょうか。
自分の可能性をあきらめてしまったら、その人はそれ以上伸びなくなってしまいます。
仕事や勉強、スポーツもそうでしょうし、人生だってそうでしょう。
「これ以上、もう上を目指しても無理だ」「自分の力量が通用するのはここまでだ」と限界ラインを引いてしまうと、そこで成長が止まってしまいます。
これは、脳の場合も同じです。
“自分はここまで”とあきらめてしまうと、脳はそこで成長するのをやめてしまいます。
しかし、逆にあきらめさえしなければ、脳はいつまでも成長し続けます。
「自分はまだまだこんなもんじゃない」「自分はもっと上に行ける」「自分を伸ばす余地はまだたくさんある」といったあきらめない気持ちを持っていれば、どんなに歳をとっても成長し続けていくのです。
それに、“自分”をあきらめない人は、歳をとっても脳回路の道路網を発達させることができます。
何歳になっても幹線道路のデフォルトモード・ネットワークを太くして、それにアクセスする道路をたくさん増やして、道路網ネットワークを発達させることができるのです。
デフォルトモード・ネットワークは、“自分の可能性を追い求めることで成長する回路”。
だから、あきらめずに自分の可能性を追求していれば、何歳になろうとも成長して太さやつながりが増していくわけです。
そして、こんなふうにデフォルトモード・ネットワークを中心とした道路網を発達させ続けていれば、脳はそうそう衰えません。
いつまでも若々しい機能を維持しつつ、ずっと働き続けていくものなのです。
そうすれば、認知症だって怖くありません。
脳のつながりのよさが、わたしたちを認知症から守ってくれるのです。
ですから、歳をとっても脳を衰えさせたくないならば、とにかく“自分”をあきらめないことが第一。
いくつになっても自分の可能性をあきらめず、脳回路を成長させようとする姿勢が、“歳をとっても衰えない脳”を築くことへとつながっていくのです。
自分の力を信じ、自分の脳の力を信じて、“衰えない脳”をつくっていってください。
脳から“あきらめない力”を引き出して、歳をとってもパフォーマンスが落ちない脳をつくっていきましょう。
「脳の老化を99%遅らせる方法 より」
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脳の中では、運動会のリレーのように、神経がバトンをつないで、指令を伝達していきます。
しかし、たとえばC地点の神経細胞が倒れてしまい、指令がそこで止まってしまう、という事態が起こります。
このとき、すぐにC地点の神経細胞を救出できれば復活したのですが、時間が経ち、死んでしまって、その指令も届かなくなる。
これが運動麻痺や言語障害の起こる理由です。
ところが、脳のすごいところは、C地点から今度はほかのルートでバトンを渡そうとするのです。
新たなルートで、新たなリレーのチームを作り、「言葉を話す」という指令を伝えようとします。
この新チームは、以前のチームのようにバトンの受け渡しがうまくなく、スムーズに指令が届きません。
しかし、何度も繰り返し練習するうちに、だんだんうまく指令が伝わるようになっていきます。
一般的に、脳梗塞の初期には、大きさ数ミリ程度の微小な梗塞が数個出現し、段階をへるごとにこの梗塞が脳のあちこちに見られます。
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