60歳からでも認知症は改善できる
ストレスは認知症を引き起こす大きな要因です。
特に日本で問題になっているのは、大きな災害被害後の高齢者の認知症増加です。
2016年4月、大きな地震が熊本県を襲いましたが、県内の認知症高齢者やその家族を対象としているコールセンターには、震度7を観測した日の翌日から1ヶ月間に、それまでの2倍となる188件もの相談が寄せられたそうです。
そして、その内容の約80%が、「地震にあってから落ち着きがなくなり、夜になって騒ぎ立てるようになった」など、深刻な状況であることがわかっています。
一方、こうした過大なストレスでなくても、ストレスが長期化すると高齢者の場合は、特に認知症を発症する危険性が高まります。
ストレスは高齢者に非常に大きなダメージを与えることが多々ある、ということなのです。
ここで脳の構造を少しだけ説明しておきたいと思います。
脳は、大脳、小脳、脳幹の3つに分けられ、人間では大脳が特に大きく発達し、脳全体の約8割を占めていて、司令塔のような働きをしています。
古い皮質は、食欲や性欲などの本能的な欲求や、恐怖や怒りなどの情動の中枢があるとされ、一方、新皮質は、動物が高等になるにしたがって出現してきた部分で、約140億個の神経細胞が集まり、記憶や知能、精神作用などを営みます。
人間では9割以上がこの新皮質で、これこそが人間らしさの源ということができます。
すなわち、
・前頭楊は、思考、判断、感情、意欲、運動機能
・頭頂葉は、空間認識、皮膚感覚
・側頭葉は、聴覚情報
・後頭葉は、視覚情報
をつかさどり、また、
・前頭連合野では、知識、判断、行動、人格
・頭頂連合野では、自分がどのような空間的位置にあるのか
・側頭連合野では、視覚刺激に基づく記憶
をそれぞれ認識する機能を持っています。
そして、それぞれの機能が統合され、人間独特の認知行動が生み出されます。
神経細胞の成長は、20代にピークを迎え、その後は加齢に伴って死滅の一方をたどり、60歳を過ぎるとそのスピードは急速に上がります。
その一方で、大人になってからも、外界の刺激によってシナプス数が変化することが報告されています。
また、当然のことながら、シナプスの数が減少し、働きが悪くなると、脳は正常に機能しません。
ですから、認知機能を改善するためには、基本的にはシナプス伝達を促進させることが必要ということになります。
「薬いらずで認知症は防げる、治せる より」
*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*
このシナプスは、歳をとっても増加し、より成熟した結合が進行するとされています。
高度の創造過程にも高密度のシナプス形成が必要と思われ、そのためには、それに必要な素材として神経系構成成分、つまり栄養成分が必要なことは当然で、また、その構築作業のための酵素、そしてそれを補佐する補酵素的ビタミンも必要となります。
その中でも重要なものがビタミンB12なのです。
ビタミンB12は、脳からの指令を伝達する神経を、正常に働かせるために必要な栄養素です。
十分にあると、集中力ややる気が高まり、不足すると、神経過敏などの症状が起こりやすくなります。
※ちょっと使える身近な情報をお届けしています!