慢性痛がストレスで増強するのはなぜ?

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慢性痛がストレスで増強するのはなぜ?
 
天気の変化によって自律神経のストレス反応が起こり、交感神経が興奮することはわかりました。
交感神経と痛みが関連していることもわかりました。
 
では、交感神経が興奮すると、なぜ痛みが増強するのでしょうか?
 
実は、ストレスを受けて交感神経が興奮したとき、慢性痛は増強することが多いものの、急性痛は抑制されることがあります。
つまり、急性の痛みは感じなくなるということです。
 
たとえば、地震や火災が起こったとき。
逃げる途中で足をくじいても、痛みを感じずに逃げ続けます。
火事場の馬鹿力ではありませんが、これは「ストレス誘発鎮痛」と呼ばれる現象で、強いストレスを受けたときには、ストレス反応として痛みを抑える物質が分泌され、痛みを感じなくなるのです。
 
ではなぜ、慢性痛はストレスを受けると増強するのでしょうか。
交感神経と慢性痛は、どう関わっているのでしょうか?
そこには主に二つのルートがあります。
 
まず一つ目は、ストレスによって交感神経が興奮し、血管が収縮して血行が悪くなり、痛みが生じるというルートです。
 
もともと痛みには、交感神経を興奮させて血管を収縮させたりする作用があります。
痛みがあると、血管が収縮し、血行が悪くなって酸素や栄養素が不足し、痛みを引き起こす生理物質が発生するのです。
 
ところが、この生理物質には血管を収縮させる作用があるため、さらに血管が収縮し、その結果さらに血行が悪くなり、また痛み物質が発生するという悪循環が起こります。
 
ここに外界からのストレスがかかると、交感神経がますます興奮して血管の収縮が強まり、循環を増強してしまいます。
あるいは、慢性痛が小康状態だった場合には、自律神経を切り替えて交感神経を興奮させ、悪循環のサイクルを発動させてしまいます。
そのため、痛みが治まっていた患者さんが、天気の崩れというストレスによって、急に痛みを発症してしまったりするのです。
 
交感神経が直接神経に作用するケースも
 
 二つ目は、交感神経が痛みの神経に直接作用して、痛みが生じるというルートです。
本来ならば、交感神経が直接痛みの神経に作用することはありません。
もしもそのような状態であれば、交感神経を刺激するストレスすべてを、痛みと感じてしまいます。
そのため通常は、交感神経と痛みの神経は別々に働いていて、交わることはありません。
ところが慢性痛があると、交感神経と痛みの神経の間に連絡が生じてしまうことがあるのです。
 
 この、「慢性痛があると、交感神経と痛みの神経の間に連絡が生じる」という事実は、留学したアメリカの大学で発見しました。
 
 神経が損傷されてある程度時間が経つと、交感神経と痛みの神経の間に、本来ならないはずの連絡が生じることが、わかったわけです。
この現象をさらに調べてみると、もともとは血管の表面に分布している交感神経が枝を伸ばし、痛みの神経にくっついて「シナプス」を形成していることがわかりました。
シナプスとは、神経細胞同士、あるいは神経細胞と筋線維の間などにつくられる構造で、化学物質やイオンなどを授受することで情報を伝達しています。
「天気痛 つらい痛み・不安の原因と治療方法 より」
 
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ビタミンB群が不足するとエネルギーを生み出すことができず、疲れがなかなか回復しなくなったり、細胞の修復機能がダウンして、肌荒れや口内炎が治りにくくなったりするのです。
 
なかでも注目が、ビタミンB12です。
古くから、神経系の機能回復に効果があることが知られていましたが、最近の研究で、このビタミンB12の不足によって脳細胞の萎縮が進むことがわかってきました。
 
ビタミンB12は水溶性ですが、脂肪成分と馴染みやすい構造を持っています。
脳はタンパク質とともに脂肪成分を多く含む器官です。
そのためビタミンB12は血液脳関門を通過できるという特徴を持った貴重な栄養素なのです。
ビタミンB12は、体にとって重要なタンパク合成と核酸(DNA)合成を司る栄養素です。
新しい核酸、タンパク質が生まれ、それによって細胞も新しく生まれ変わり、「こわれた組織、細胞」と「新生の組織、細胞」が入れ替わります。
その結果若さにもつながると考えられます。
 
現在、ビタミンB12は神経ビタミンとしての認識が一般的となっています。
末梢神経の不調はもちろん、中枢神経の機能低下にも有効であることが明らかになっています。
ビタミンB12の働きとしては、成長を促進し、子供の食欲を増進させる、エネルギーを増大させる、脂肪・炭水化物・タンパク質が適切に使われるようにする、集中力・記憶力を高めて精神を安定させる、などが挙げられます。
また、神経細胞内の表面の脂質膜の合成にも関与しており、末梢神経の傷の回復にも効果があり、実際、腰痛などの治療にも採用されています。
腰痛や肩こり、手足のしびれにもおすすめです。
 
ビタミンB12の働き
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