カラーの咲く家

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今年もお向かいのおうちにカラーが咲くようになった。
私たちとほぼ同じ頃ここへ越してきて12年が経とうとしている。

母が大腿骨の骨折で車椅子の暮らしとなり、私たちの家に引き取った。
それから母は心臓病が悪化し、糖尿病も進行し、認知症にもなり昨年脳梗塞でこの世を去った。
母は夜中に車椅子で家の中をさまよった。
私たちの寝ている部屋にも入ってきて、トイレは何処かと聞いていた。
こんな夜中に勘弁してよとつぶやいて、部屋に戻し寝かしつけてもまた起きてきていた。
そんな起こされ方をする頭が冴えて眠れなくなった。余計に母の動きに神経を尖らせてしまったものだ。

お向かいの奥様も昨年あたりから急に認知症が進行してしまったご様子だ。
ご主人が庭の手入れをしているとき、片時も離れずに何かを話しかけておられる。
私の母と同じように同じことを何度も何度も話しているのだろうか。

期待のできない回復の見込み。一人の肉親を半分失ってしまったかのような悲しい苦しさ。
そんな感情をお隣のご主人も抱えていらっしゃるのだろ。

今年も去年と同じようにカラーが咲いて、眺める人は様々な思いの中で変わってゆく。

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