脳の海馬“天敵”はストレス


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脳の海馬“天敵”はストレス
 
神経新生の機能は、しばしば抑制されます。
むしろ、海馬は脳内でもっとも損傷しやすいデリケートな存在なのです。
それによって逆に萎縮し、短期記憶を長期記憶に変えられなくなる。
つまり昔のことは覚えていても、最近の出来事を覚えられなくなる。
これが認知症の状態です。
 
では、何が海馬を萎縮させるのか。
要因はいろいろありますが、もっとも大きなものがストレスです。
 
海馬のすぐ隣には「扁桃体」と呼ばれるアーモンドのような形をした領域があり、「快不快」といった感情をつかさどっています。
情報はこの“フィルター”を通過して海馬に送られることで「エビソード記憶」となり、脳に定着しやすくなるわけです。
 
ただし、扁桃体にネガティブな情報が入ってくると、コルチゾールなどのストレスホルモンが増加して神経新生の邪魔をする。
つまり記憶の機能を下げるわけです。
これを「過活動」といいます。
 
これがうつのリスクになり、PTSD(心的外傷後ストレス障害)との関連も指摘され、さらに認知症のリスクにもなると言われています。
ストレスほど脳に悪いものはない、と言っても過言ではないでしょう。
 
 余談ながら、遺伝的に海馬が生まれつき小さい方もいます。
こういう方は、うつや認知症になるリスクが高いと考えられています。
日本人なら20%、およそ五人に一人ですから、けっして小さい割合ではありません。
 
 しかし、きわめて微妙な差であり、必ずしも発症するわけではない。
もちろん本人にも自覚は無いでしょうし、生活に支障もありません。
もちろんMRI画像と認知心理テスト等を照らし合わせた統計データでも、有意差がほとんど確認できないほどです。
 
 それよりも、やはり海馬の萎縮は生活習慣による影響のほうがはるかに大きい。
遺伝を気にするより、日常生活を見直すことが重要なのです。
「本当は脳に悪い習慣、やっぱり脳にいい習慣 より」
 
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老人の認知症の3割~5割を占めるアルツハイマー病の場合は、脳細胞が萎縮する病気です。
この萎縮を食い止めるためには、脳細胞を生成するためのタンパク(アミロイドβタンパク)合成、核酸(DNA)合成が順調に行われる必要があるのです。
ビタミンB12は、タンパク(アミロイドβタンパク)と核酸(DNA)の生合成を司っています。
新しい核酸、タンパク質が生まれ、それによって細胞も新しく生まれ変わり、「こわれた組織、細胞」と「新生の組織、細胞」が入れ替わります。
その結果若返りにもつながることにもなります。
 
高齢者が理由のはっきりしない神経症状を呈したら、ビタミンB12の欠乏を考えるべきだという学者もいます。
に動物性食品にしか含まれないというビタミンなので、野菜中心の食生活の人や、ダイエットをしているなど食事の量が少ない人は、ビタミンB12を補った方が良いとされています。
加齢、胃の病気、ストレスなどでも不足します。
 
ビタミンB12は、脳からの指令を伝達する神経を、正常に働かせるために必要な栄養素です。
十分にあると、集中力ややる気が高まり、不足すると、神経過敏などの症状が起こりやすくなります。
また、脳や神経と関連が深く、不眠症にも効果があるといわれています。
同時に、動脈硬化の原因となるホモシステイン活性酸素(ふえすぎると体に害を及ぼす非常に不安定な酸素)を除去する働きも持っています。
ビタミンB12は、ストレス社会に生きる現代人のこれからの健康に大切な栄養素です。
 
 さらに、ビタミンB12や葉酸をはじめとするビタミンB群は、ミネラル、アミノ酸などの栄養素と協力し合っているため一緒にバランスよく摂ることがとても重要なのです。
 
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