カフェインによる記憶の固定

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カフェインによる記憶の固定

 

70歳以上で長年にわたってコーヒーを飲んでいた人は飲んでいなかった人と比べて認知機能が高いというアメリカでの統計結果があるので、カフェインは認知症予防に効果があるかもしれません。

ただし、認知機能に関して最も影響が大きいのは食事における栄養バランスだそうです。

 

コーヒーの効果と関係があるかどうか分かりませんが、カフェインには記憶の固定(貯蔵)を強化する効果があるようです。

学習したことはすべてが脳に記憶されるわけではなく、些細な事柄は切り捨てられて貯蔵されます。

ジョンズ・ホプキンス大学の研究者は、日常的にカフェインを摂取していない人たちを被験者とし、何枚もの絵を見てもらい(学習)、5分後にカフェインあるいはプラセボ(偽薬)を飲んでもらうという実験をしました。

学習前にカフェインを飲ませると覚醒が起こり、注意深さや情報処理能力などが増すので、記憶の固定だけを調べるためには適当でないと考えたそうです。

学習してから24時間後に記憶をテストするのですが、その際によく似た絵を交ぜておき、それらが前日のものと似ているが違うことを識別できるかも調べます。

単純に同じ絵を認識するのではなく、似ているが少し違うということを認識するにはより詳細な記憶が必要です。

その結果、前日見た絵と同じものを認識する確率はカフェインを摂取してもしなくてもあまり変わらなかったものの、似ているが少し違う絵を識別する確率はカフェインを摂取した人の方が有意に高かったそうです。

しかし、この結果だけではカフェインが記憶の固定ではなく記憶を呼び起こす過程に効いている可能性も否定できません。

そこで、記憶テストの1時間前(学習してから23時間後)にカフェインあるいはプラセボを摂取させるという実験をおこなったところ、両者のテスト結果は変わらなかったので、カフェインは記憶の呼び起こしに効いているのではないと結論しています。

「老化と脳科学 より」

 

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記憶力の減退も、脳の老化を示す典型的な症状ですが、記憶のネットワークを活性化する働きをしているのが、脳の海馬という組織であることはよく知られています。

その海馬には、アセチルコリン系神経が集中しているのです。

 

脳が老化し、萎縮してしまうアルツハイマーとの関係はとくに深く、アルツハイマーの脳ではアセチルコリンが減少していることから、アセチルコリン不足がアルツハイマーのひとつの原因とも考えられています。

 

アセチルコリンの合成にはコリン、ビタミンB1、ビタミンB12などがかかわっています。

同時にこれらの栄養をとることが、アセチルコリンを増やすことにつながるわけです。

通常、コリンはレシチン(フォスファチジルコリン)のかたちで、食材から摂取されます。

 

レシチンアセチルコリンの材料になるだけではなく、細胞膜の材料にもなっています。

とくに脳の神経細胞の細胞膜にはたくさん含まれていて、多彩な働きをしています。

血液にのって運ばれる栄養の細胞内へのとり込みや細胞内の老廃物の排出、神経伝達物質の放出や情報ネットワークの形成といった、脳の機能全体に深くかかわっています。

これが、レシチンが「脳の栄養素」と呼ばれるゆえんです。

そのレシチンを多く含んでいる食品の代表が卵黄です。

 

また、脳を酷使するときには、たくさんのビタミンB群が消費されています。

B群は脳の働きに重要な役割を担っているのです。

糖質を分解するB1が不足すると、脳のエネルギーが不足し、とたんに頭が回らない状態になります。

また、脳の神経伝達物質の合成すべての段階に関わっています。

神経の働きを整えたり、傷んだ神経を補修したり、タンパク質をドーパミンセロトニンといった神経伝達物質に作り替えるなど、「脳力向上」のためにもB群は欠かすことができないのです。

 

ビタミンB12について?

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