日本人の平均寿命はなぜ延びた?

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日本人の平均寿命はなぜ延びた?

 

平均寿命を決める要因はたくさんあります。

そのなかで、日本人の平均寿命が終戦後に急速に延びて欧米先進国を次々に追い抜いたきっかけは、子どもの死亡率の低下でした。

 

1947(昭和22)年には1000人あたり76.7人の子どもが生後1歳までに亡くなっていました。

その後、肺炎、胃腸炎結核をはじめとする感染症の予防法と治療法が開発されたことで、1980(平成28)年には2.0人まで減っています。

これにつれて日本人の平均寿命が大きく延びました。

 

こんにちでも、医療が行き届かない途上国では、感染症や出産時の事故で小さな子どもが死亡しており、たとえばアフガニスタンや、アフリカにあるマリ、ソマリアなどの国では、生後1歳までに亡くなる子どもが1000人あたり100人を超えています。

 

しかし、これだけでは日本人の平均寿命が欧米先進国を追い越した理由を説明できません。

感染症対策は先進国でも広く行われたからです。

 

医療に関して日本独自の要因として考えられるのが、会社や自治体、学校などで実施される健康診断と、だれもが一定の自己負担で必要な医療を受けられる国民皆保険制度です。

事業所検診は1947(昭和22)年に、そして国民皆健康保険制度は1961(昭和36)年に始まりました。

このどちらも国民にひとしく医療を提供するためのしくみであることに気をつけてください。

 

医療を受ける機会が不平等だと国民全体の平均寿命を延ばすのは大変です。

これに対して日本には、社会的地位や経済力、年齢、性別にかかわらず、医療の恩恵を広く国民に開放するべきだという考え方が古くからありました。

健康保険にしても、戦前にはすでに70パーセントの国民に適用されていたようです。

こういう下地があったからこそ、感染症に対する医療の進歩をテコにして平均寿命をぐっと押し上げることができたと考えられます。

 

そして、医療の他にもうひとつ、日本人の健康を長く支えてきたものがあります。

それが、農林水産省がいう「日本型食生活」です。

 

炭水化物、蛋白質、脂質のバランスが取れた「理想の和食」を達成できたのは1980(昭和55)年ごろのことです。

しかし、それまでの時代も、日本人の体質の弱みを補うような食事ができていました。

日本人は多くの病気の原因となる内臓脂肪がたまりやすいのですが、経験と観察を通じて、内臓脂肪がつきにくい和食を追求してきたからです。

長年にわたり、健康に留意する伝統があったからこそ、日本は一気に平均寿命を延ばすことができたのです。

「「日本人の体質」研究でわかった長寿の習慣 より」

 

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人の体の老化は20代ごろから始まります。

老化は生きている以上避けられないものですが、何をどう食べるかで進行程度が変わってきます。

30代では個人差はさほどありませんが、40歳を過ぎて中年期に入るころからだんだん差が生じ、65歳を過ぎて高年期に入ると、健康状態にはっきりとした差が出ます。

健康寿命をのばす食生活に加えて、年代別の食べ物・食べ方に気をつけると、病気予防がいっそうアップします。

動脈硬化は年齢とともに発症しやすくなり、50代になるとほとんどの人(女性は60代から)に動脈硬化が見られるようになります。

脳梗塞は、高血圧や糖尿病などの病気が原因となったり、生活習慣などによって血液がドロドロになって血液循環が悪くなったりして、血管が厚く狭くなり、脳の血管が徐々に詰まって進行していきます。一般的に、脳梗塞の初期には、大きさ数ミリ程度の微小な梗塞が数個出現し、段階をへるごとにこの梗塞が脳のあちこちに見られます。このような症状のないごく小さな梗塞が隠れ脳梗塞(無症候性脳梗塞)です。

「隠れ脳梗塞(無症候性脳梗塞)は、早い人だと30代からあらわれ、40代を過ぎると急に増加するといわれています。

脳梗塞をはじめとする脳血管障害を生活習慣病の一つととらえ、ふだんから健康に保つ生活を心がけましょう。

 

血管は「酸化」していくことで傷ついていきます。

たとえば、悪玉コレステロール(LDLコレステロール)が動脈硬化の原因になるということを聞いたことがあるかもしれません。

LDLコレステロール(以下LDL)が血管にへばりついて、プラークと呼ばれるこぶを血管の壁に形成していくのです。

 

ビタミンB群は、体内で起こっている「酸化」の抑制にも間接的に関わっています。

B群は体中の細胞の正常な代謝活動を助ける「補酵素」として、欠かせない存在なのです。

ビタミンB12やB6、葉酸の吸収が悪くなると、ホモシステインという老化物質が増え、動脈硬化を生じることもわかっています。

なかでも注目が、ビタミンB12です。

古くから、神経系の機能回復に効果があることが知られていましたが、最近の研究で、このビタミンB12の不足によって脳細胞の萎縮が進むことがわかってきました。

ビタミンB12は、脳の萎縮を食い止めるために重要な脳細胞のタンパクと核酸(DNA)の生合成を司っています。

新しい核酸、タンパク質が生まれ、それによって細胞も新しく生まれ変わり、「こわれた組織、細胞」と「新生の組織、細胞」が入れ替わります。

その結果若さにもつながると考えられます。

 

ビタミンB12について?

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