第1章 人間は血管とともに老いる 人生100年時代は、すぐそこに迫っている
第1章 人間は血管とともに老いる
人生100年時代は、すぐそこに迫っている
日本は世界の中でも長寿国として知られています。
2020年の日本人の平均寿命は、男性81.64歳、女性87.64歳で、男性は世界第2位、女性は第1位となりました。
これは、とてもすばらしいことです。
行政の健康に対する啓蒙、医療機関のサービスの質の向上、そして、何より国民の努力の賜物と大いに評価ができます。
ちなみに平均寿命とは、その年に生まれた0歳児が、平均で何歳まで生きるかを予測した数値です。
事故や病気で亡くなる人がいることを考えると、現在60歳の人は、さらに長生きすることになります。
すでに70代で亡くなると、「早すぎる!」と惜しまれるようになりました。
90歳、100歳まで生きる時代は、すぐそこです。
長生きはしたいけど、介護はイヤ
しかし、喜んでばかりはいられません。
みなさんは、健康寿命という言葉を知っていますか。
これは介護を受けることなく、自立した生活を送れる年齢のことです。
今、問題になっているのは、平均寿命と健康寿命の差です。
厚生労働省の統計がある最新のデータによると、女性の平均寿命は87.74歳、健康寿命は75.38歳ですから、その差は12.36歳ということになります。
これ、どう思いますか?
「長生きするのはいいけど、介護は嫌!」という人がほとんどでしょう。
介護生活に陥れば、家族に迷惑をかけたり、施設に入ったりしなければなりません。
幸せだった人生が、一転、寂しいものに変わってしまいます。
長野県佐久市には「ぴんころ地蔵」があり、毎日、多くの人がお参りをしているそうです。
「元気に長生きして(ぴんぴん)、寝込まず大往生する(ころり)」がその名の由来とか、まさに現代人の心理をついたネーミングです。
「血管が強くなる習慣 より」
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人の体の老化は20代ごろから始まります。
老化は生きている以上避けられないものですが、生活習慣・食生活に少し気をつけるだけでも進行程度が変わってきます。
30代では個人差はさほどありませんが、40歳を過ぎて中年期に入るころからだんだん差が生じ、65歳を過ぎて高年期に入ると、健康状態にはっきりとした差が出ます。
健康寿命をのばす食生活に加えて、年代別の食べ物・食べ方に気をつけると、病気予防がいっそうアップします。
動脈硬化は年齢とともに発症しやすくなり、50代になるとほとんどの人(女性は60代から)に動脈硬化が見られるようになります。
脳梗塞は、高血圧や糖尿病などの病気が原因となったり、生活習慣などによって血液がドロドロになって血液循環が悪くなったりして、血管が厚く狭くなり、脳の血管が徐々に詰まって進行していきます。
一般的に、脳梗塞の初期には、大きさ数ミリ程度の微小な梗塞が数個出現し、段階をへるごとにこの梗塞が脳のあちこちに見られます。このような症状のないごく小さな梗塞が隠れ脳梗塞(無症候性脳梗塞)です。
「隠れ脳梗塞(無症候性脳梗塞)は、早い人だと30代からあらわれ、40代を過ぎると急に増加するといわれています。
脳梗塞をはじめとする脳血管障害を生活習慣病の一つととらえ、ふだんから健康に保つ生活を心がけましょう。
ビタミンB12と葉酸、ビタミンB6の吸収が悪くなると動脈硬化の原因物質 (ホモシステイン・活性酸素)が増えるといわれています。
また、ビタミンB12は古くから、神経系の機能回復に効果があることが知られていましたが、最近の研究で、このビタミンB12の不足によって脳細胞の萎縮が進むことがわかってきました。
ビタミンB12は、脳の萎縮を食い止めるために重要な脳細胞のタンパクと核酸(DNA)の生合成を司っています。
新しい核酸、タンパク質が生まれ、それによって細胞も新しく生まれ変わり、「こわれた組織、細胞」と「新生の組織、細胞」が入れ替わります。
その結果若さにもつながると考えられます。
ビタミンB12について?