足をきたえると心臓と肺、脳を刺激できる?
老化というと、足腰と脳の機能低下を思い浮かべる人が多いでしょう。
加齢に伴って、それぞれの臓器の機能がどのように低下するか。
個人差はあるものの、機能が大きくそこなわれる臓器の代表が筋肉と肺、そして腎臓で、80歳の人ではこれらの臓器が30歳のころの約40パーセントしか働いていません。
これに続いて心臓がおとろえますが、その半面、神経の機能は下がりにくく、80歳でも15パーセントくらいしか低下しないようです。
お年寄りが事故に遭いやすいのは、判断力が鈍るというより、危険に気づいても、とっさに体が動かないためと考えられます。
足をきたえる効果は転倒しにくくなることだけではありません。
足には大きな筋肉が多く、全身の筋肉の約半分が集まっているといわれています。
そのため、足の筋力が強くなると全身の血のめぐりがよくなって、心臓と肺の機能が高まります。
いわゆるスタミナがつくのです。
また、イタリアで行われた実験からは、ネズミの後ろ足を固定して使えないようにすると、自由に動き回れるネズミとくらべて、脳の神経細胞のもとになる神経幹細胞が70パーセントも少なくなり、神経細胞が十分に成熟できなくなることが示されています。
研究者らは、体重をかけながら足を動かすことで、「健康な神経細胞を作れ!」という信号が脳に送られるのではないかと考えています。
これまであんまり運動してこなかった人が、安全にじっくり筋力をつけるには、ウォーキングがおすすめです。
歩くときは少し息が切れるくらい、一緒に歩いている人とかろうじて笑顔で会話ができるくらいの速度を目安にしてください。
国立長寿医療研究センターが実施した「老化に関する長期縦断疫学研究」によると、とくに女性が自立した生活を送る能力は、早足で歩く人ほど下がりにくく、バランス能力が低い人ほど悪化しやすい傾向が見られました。
ただし、若い人と同じように速く歩きなさいということではありません。
たとえば百寿者は、ゆっくり歩いているように見えるかもしれませんが、本人は一生懸命で、多分息も少しはずんでいるでしょう。
こうやって、ちょっと頑張って歩くことが大切なのです。
「日本人の体質」研究でわかった長寿の習慣 より」
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寒暖の差、生活の変化が激しい毎日は、私たちの身体にも大きなストレスを与えます。
そんな日々が続くと、自律神経は、その変化に対応しきれなくなって、やがて疲れやめまい、不眠、頭痛といった症状が現れてきます。
自律神経を整えるためには生活リズムを作るとともに栄養面も非常に大切です。
私たちの脳の中で司令塔のような役割をしているセロトニン神経という神経細胞が弱ってきており、軽い不調からうつ病、パニック症候群、さまざまな依存症などを引き起こす原因になっています。
この現象は大人から子どもまで老若男女に広がっています。
セロトニン神経は、日を浴びることや意識した呼吸、簡単な運動をすることなど日常生活に少し工夫を加えることによって鍛えることができます。
脳には無数の神経細胞があり、その神経細胞の末端からセロトニンやアセチルコリン、ドーパミンなどの神経伝達物質を放出しています。
イライラしやすいときは、脳の神経伝達物質であるセロトニン、アセチルコリン、ドーパミンなどが不足していることが考えられます。
そのため、これらの材料となるアミノ酸と、アミノ酸を取り込むために必要な糖分やビタミンB12の不足を疑ってみましょう。
また、脳の唯一のエネルギー源であるブドウ糖が足りなかったり、神経伝達物質を放出するときに働くカルシウムが不足したりしているのも原因のひとつと考えられます。
からだが疲れやすいのは、エネルギー不足のこともあり、からだにたまった老廃物がうまく代謝されないためでもあります。
ビタミンB群は、エネルギーの供給や老廃物の代謝にはたらいています。
いわば元気の素です。
B群は協力しあっていますから、どれが欠けても疲れやすくなります。
ビタミンB12や葉酸をはじめとするビタミンB群は、ミネラル、アミノ酸などの栄養素と協力し合っているため一緒にバランスよく摂ることがとても重要なのです。
また、ビタミンB12と葉酸、ビタミンB6の吸収が悪くなると、動脈硬化の原因として注目されているホモシステインが増えるといわれています。
ビタミンB12について?
https://www.endokoro.com/libra/vitamin01.html
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