「トイレ」と「あくび」は絶対に我慢してはいけない
日本にトイレが登場したのは意外に古く、縄文時代だといわれています。
弥生時代の遺跡からは下水道が発掘されているし、飛鳥時代には川を建物内に引き入れた「川屋」と呼ばれるトイレが作られるようになりました。
これが現代の「厠(かわや)」の語源だと考えられています。
江戸時代には、人糞は肥料として高値で取引されるようになり、そのため都市部にある長屋の大家さんは大半の収入をそこから得ていたそうです。
当時のトイレは、まさに福をもたらすものだったわけです。
ひるがえって、現代ではどうでしょうか――。
温水洗浄便座はもちろんのこと、自動でフタが開く節水型トイレなど、外国人が驚くほど日本のトイレ事情は進化してきました。
その一方で、教育現場ではトイレに行けない子どもたちが増えていることが問題になっています。
多くの子どもたちは「トイレが汚い」「和式だから使いにくい」などの理由で、学校のトイレを使いたがらないのです。
また、大手便器メーカーが子どもたちを対象に「学校でウンチをしますか?」という質問をしたところ、53パーセントもの子どもたちが排便を我慢する傾向にあることが判明したそうです。
学校で用を足すとからかわれてしまったり、恥ずかしかったりすることから、できるだけ避けたいと考えているのでしょう。
子どもたちのこういった傾向は、今にはじまったことではなく、かなり以前からあったことではありますが、健康上はもちろんのこと、免疫という観点からみても問題です。
――排便は生理現象です。
便意を感じたら我慢せず、すぐにトイレへ駆けこんで排泄するのが身体にとって自然な行為といえます。
これを我慢していると、免疫力まで崩してしまうことになりかねないのです。
みなさんは便意をもよおしても我慢をしてトイレに行かないでいたら、いつのまにか便意がなくなってしまったという経験をしたことはないでしょうか。
これをくり返していると腸の働きが鈍り、いっそう便意を感じにくくなり、やがては便秘になってしまいます。
本来、便通は「毎日あるべき」ものです。
日本内科学会の定義によると、便秘とは「三日以上排便がない状態、または毎日排便があっても残便感がある状態」のことをいいます。
主な症状としては、腹痛、吐き気、直腸残便感、腹部膨満感、下腹部痛、食欲不振などがあげられます。
多くの場合は短期間で解消するといわれていますが、重症の場合は排泄できず、中毒になることもあるそうなので健康に悪いのはいうまでもありません。
では、なぜ便秘が免疫によくないのでしょうか――。
それは腸内環境が著しく悪化するからです。
人間の腸内には100種類以上、およそ100兆個もの腸内細菌が生息しています。
そのなかには乳酸菌に代表されるような善玉菌もいれば、悪臭のもとや発がん性のある毒素を作り出す、ウエルシュ菌などの悪玉菌もいます。
健康な人の腸内では、これらの腸内細菌がバランスをとって「善玉菌優位」になっていますが、便秘などの要因によってそのバランスが崩れると、「悪玉菌優位」の状況を招いてしまうのです。
トイレを我慢すること以外にも、野菜を食べなかったり、肉ばかりを食べたりといったかたよった食生活も、悪玉菌優位な腸内環境をつくる原因になります。
免疫細胞のおよそ七割は腸内にいます。
ボス細胞にとって居心地のいい腸内環境は善玉菌優位の状態です。
逆に悪玉菌優位になってしまうと、ボス細胞の機能は低下し、免疫力は落ちてしまいます。
排便に限らず、生理現象を我慢するのは、決して身体にとっていいことではありません。
尿意を我慢すれば、膀胱炎になってしまう恐れもあるし、おならだって我慢しないで出すべきです。
よく、あくびをすると不謹慎だの不真面目だのと非難されてしまいますが、これも絶対に我慢しないほうがいいでしょう。
あくびのメカニズムにはまだ未解明な部分もありますが、一般的には「酸素不足になった脳に酸素を送り込むため」に起こる現象だといわれています。
そうだとすれば、あくびは身体にいいことのはずなのに、なぜ無理やりかみ殺す必要があるのでしょうか。
だから、あくびをする人を白い目で見るのではなくポジティブに捉えるべきだと思います。
便意にしても尿意にしても、あるいはあくびにしても、身体が起こすナチュラルな現象は我慢しないで自然のままに任せたほうがいのです。
「免疫力をあなどるな! より」
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私たちの脳の中で司令塔のような役割をしているセロトニン神経という神経細胞が弱ってきており、軽い不調からうつ病、パニック症候群、さまざまな依存症などを引き起こす原因になっています。
この現象は大人から子どもまで老若男女に広がっています。
セロトニン神経は、日を浴びることや意識した呼吸、簡単な運動をすることなど日常生活に少し工夫を加えることによって鍛えることができます。
脳には無数の神経細胞があり、その神経細胞の末端からセロトニンやアセチルコリン、ドーパミンなどの神経伝達物質を放出しています。
イライラしやすいときは、脳の神経伝達物質であるセロトニン、アセチルコリン、ドーパミンなどが不足していることが考えられます。
そのため、これらの材料となるアミノ酸と、アミノ酸を取り込むために必要な糖分やビタミンB12の不足を疑ってみましょう。
また、脳の唯一のエネルギー源であるブドウ糖が足りなかったり、神経伝達物質を放出するときに働くカルシウムが不足したりしているのも原因のひとつと考えられます。
からだが疲れやすいのは、エネルギー不足のこともあり、からだにたまった老廃物がうまく代謝されないためでもあります。
ビタミンB群は、エネルギーの供給や老廃物の代謝にはたらいています。
いわば元気の素です。
脳を酷使するときにも、たくさんのビタミンB群が消費されています。
B群は脳の働きに重要な役割を担っているのです。
糖質を分解するB1が不足すると、脳のエネルギーが不足し、とたんに頭が回らない状態になります。
また、脳の神経伝達物質の合成すべての段階に関わっています。
神経の働きを整えたり、傷んだ神経を補修したり、タンパク質をドーパミンやセロトニンといった神経伝達物質に作り替えるなど、「脳力向上」のためにもB群は欠かすことができないのです。
さらに、ビタミンB12や葉酸をはじめとするビタミンB群は、ミネラル、アミノ酸などの栄養素と協力し合っているため一緒にバランスよく摂ることがとても重要なのです。
ビタミンB12について?
https://www.endokoro.com/libra/vitamin01.html
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