脳と腸の密接な関係
現代人は、腸内環境が乱れている人が増えています。
最近になって、腸内環境を整えることの重要性については、いろいろな本やメディアでいわれるようになりました。
そして、「脳腸相関」という言葉もあるように、特に強調したいのは、脳と腸は深いかかわりを持っているということです。
腸にあるセロトニンがダイレクトに脳に届くといっている学者もいるほどですが、実際は、セロトニンの代謝産物や前駆物質(物質が生成される前のもの)が脳に届き、脳の神経伝達物質のバランスを乱す原因になっているのではといわれています。
これらが血中に漂うと、全身に炎症を起こすのはもちろん、脳にも炎症を引き起こすきっかけになります。
つまり、腸の炎症が脳のトラブルにつながっているのです。
実際、うつ症状に悩まされている患者さんには、便秘や下痢などの腸の不調に悩まされている人が多い。
逆に、脳の状態が腸に影響を与えることもあります。
自律神経には交感神経と副交感神経があります。
本来、腸の働きは脳から独立して調節されています。
ただしストレスを感じているときには、脳から交感神経を優位にするよう指令が出されるため、腸の働きは大きく影響を受けます。
例えばイライラすると、腸の粘膜においてノルアドレナリンやアドレナリンが過剰に分泌される。
それだけではありません。
ノルアドレナリンやアドレナリンの一部が腸の粘膜を通り抜け、腸内細菌に影響を及ぼします。
腸内細菌という言葉も、最近はなじみ深いものになってきましたが、腸内にはもともと善玉菌と悪玉菌、そして善玉菌でも悪玉菌でもない、どっちつかずの日和見菌があります。
この日和見菌がどれだけ善玉化するか、悪玉化するかによって腸内環境が変わってきます。
緊張やイライラから交感神経が活性化すると、その反応が腸内にまで伝わり、70%を占める日和見菌の一部が悪玉化し、凶暴化してしまうというわけです。
イライラしたりストレスを感じたりすると、便秘や下痢をすることがあるのも、こういうことから説明できるのではないでしょうか。
逆に、便秘や下痢気味だと、肉体的にも不快ですが、なんとなくふさぎ込んだり、落ち込んだりすることはないでしょうか。
腸内環境が悪いと脳に悪さをし、脳(自律神経のバランス)が悪いと、腸に悪さをするという悪循環が起こるのです。
それくらい腸と脳、自律神経は直結しているし、腸の状態が悪ければ、性格にまで影響を与えてしまうということになるのです。
「「うつ」は食べ物が原因だった! より」
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うつ病は、今やサラリーマンの3割近くに見られ、「心のかぜ」ともいわれるほどポピュラーな病気になりました。
原因としては、精神的なストレスのほか、コンピューターによるテクノストレスや、テレビやゲームなどによる眼精疲労などが元になることもあります。
不足している栄養素がないよう食生活の乱れに注意したり、パソコンなどを使いすぎないように気をつけたりといった、生活全般を見直してみることが必要です。
腸内細菌は「葉酸」、「ビタミンB12」、「ビタミンB6」等のビタミンを産生することが知られています。
ビタミン含有食品の積極的な摂取も必要ですが、腸内環境を整え、細菌の力を最大限に借りることが本来のあるべき姿でしょう。
さらに、ビタミンB12は胃壁から分泌される因子(タンパク質)と結合して吸収されるので、胃や腸の機能も同時に整えることも重要です。
ビタミンB12について?
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