「オキシトシン」が、脳から「一日の疲れ」を消す

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オキシトシン」が、脳から「一日の疲れ」を消す

 

昭和の時代に日本の経済成長を支えたサラリーマンたちの世代には、「仕事帰りにちょっと一杯」の生活がありました。

 

一日の仕事の疲れを、帰宅途中に同僚とちょっと一杯やってリフレッシュする光景が、当時、ごく普通に見られました。

 

しかし、このスタイルは、今、あまり見られなくなってしまいました。

 

しかし、じつは脳科学的には、この「仕事帰りにちょっと一杯」の生活が、大変すぐれたストレス解消法だったのです。

 

その根拠は、

 

1.「グルーミング効果」により脳内物質の「オキシトシン」の分泌がうながされる

2.その「オキシトシン」が、脳内の「ストレス中枢」を鎮静化する

 

 

ということにあります。

 

また、「セロトニン神経」は、このオキシトシンの分泌によって活性化されることも判明しています。

 

これを大変な大発見だと思っています。

 

グルーミングとオキシトシンについて詳しく説明しましょう。

 

 

「グルーミング」というと、みなさん、サルのノミ取りなどをおもいうかべかもしれません。

 

あれはノミを取る“衛星行動”という側面がありますが、動物行動学では「ストレス解消」の行動とされています。

 

サルは群れで生活しますから、仲間同士のいがみ合いや厳しい上下関係など、日々ストレスにさらされています。

 

そんなサルたちは、一日のうち、かなりの時間をグルーミング(心地よいスキンシップ)に費やしているとされます。

そうすることでストレスを解消しつつ、群れでの生活を楽しんでいるのです。

 

 

脳科学では、「心地よいスキンシップ」であるグルーミングが、脳内のストレス解消の秘策=オキシトシンを分泌させることが多方面から証明されてきています。

 

「ストレス中枢」の興奮がストレスホルモンであるコルチゾールを分泌させます。

 

このストレスホルモンが、グルーミングによって減少するという報告があります。

ペット(犬)を使った研究です。

 

犬を狭いケージに閉じ込めると、拘束ストレスのために犬のコルチゾール(ストレスホルモン)が増加します。

その状況下で、人間が犬をなでるグルーミングをほどこすと、コルチゾールが減少し、同時にオキシトシンが増加するのがわかったのです。

一方、グルーミングをされないと、コルチゾールは上がったままです。

 

 

最近の脳科学研究では、ストレス中枢に隣接してオキシトシンを合成・分泌させる神経細胞が見つかっています。

 

そのオキシトシンが、ストレス中枢に対して直接作用し、コルチゾールの分泌を抑えることが明らかにされています。

 

したがって、前出の犬の拘束実験では、グルーミングによって犬の脳内オキシトシンの合成と分泌が促進されて、それが、隣接するストレス中枢の興奮を直接鎮静化し、その結果、コルチゾールが減少した、と考えられます。

 

また、この実験では、なでられるペットの癒し効果が科学的に証明されたわけですが、じつは、なでる側の人間でもオキシトシンが増えて、ストレスが解消される事実も確認されています。

「医者が教える疲れない人の脳 より」

 

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最近、電車の中でキレる人を見かけます。

少し前までは、電車の中で暴れるのは酔っぱらいか、普段から暴力的な人と相場が決まっていました。

でも、最近は違ってきています。

しかも、普段はおとなしく、礼儀正しい人なのに、ついカッとしてキレてしまったという人がとても多いのです。

受けたストレスをコントロールすることができず、感情を爆発させ、普段では決してしないような行動をとってしまう、これがいわゆる「キレる」という状態です。

この「キレる」という行為、原因を簡単に言うと、「ストレス」です。

これはまさに「セロトニン神経」の機能低下が原因だと考えています。

 

セロトニンは脳に静かな覚醒をもたらします。

これは別の言い方をすれば「平常心」をもたらすということでもあります。

平常心を保つというのは、脳の切り換えがスムーズに行われ、どこも暴走も興奮もしていない状態のまま、スムーズに働いているということです。

セロトニン神経の機能が低下すると、感情や精神状態を普段の冷静な状態にキープすることが難しくなることは充分に推測できます。

そしてこのことは、キレる人が朝の満員電車よりも、夜の帰宅時に多いということからも証明されます。

 

イライラしやすいときは、脳の神経伝達物質であるセロトニンアセチルコリンドーパミンなどが不足していることが考えられます。

そのため、これらの材料となるアミノ酸と、アミノ酸を取り込むために必要な糖分やビタミンB12の不足を疑ってみましょう。

脳を酷使するときには、たくさんのビタミンB群が消費されています。

B群は脳の働きに重要な役割を担っているのです。

神経の働きを整えたり、傷んだ神経を補修したり、タンパク質をドーパミンセロトニンといった神経伝達物質に作り替えるなど、「脳力向上」のためにもB群は欠かすことができないのです。

 

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