社会的に孤立しないように、本人も周囲も気をつける

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社会的に孤立しないように、本人も周囲も気をつける

 

■社会的孤立は男性には深刻な問題

 

社会的孤立は、身体と脳に廃用的退化を引き起こし、心理的にも孤独感が増すなど、負のスパイラルになりやすいのです。

 

とくに重要なのは、社会的孤立は、男性において特に深刻な問題です

定年退職と同時に、仕事も付き合いもなくして孤独に陥りがちだからです

その点は女性のほうが、仕事以外にも趣味や地域のつながりなどで、自分の持ち場を得ている人が多いようです。

 

 

男性の場合、退職したと思ったら認知症になってしまう人もいます

これは突然発症したのではなく、ゆっくり進行していた病状を、脳の代償機構が意欲や責任感や役割意識を働かせてカバーしていたためと考えられます。

 

気持ちの張りがなくなった途端、火事場の馬鹿力的なタガが一気に外れてしまい、元々あった病気が表に出てくる。

それが、周囲からは劇的に見えるだけです。

アルツハイマー病やレビュー小体型認知症パーキンソン病など神経系の変性疾患は、徐々に進行するからです。

 

*レビー小体型認知症認知症の中で2番目に多い。レビー小体と呼ばれる線維性のタンパク質の異常な円形構造物が脳に蓄積すると、神経細胞に変性が現れ、脱落が生じて起きる認知症

 

 

一方、脳梗塞などが原因になる認知症は突発的です。

神経の老化はゆっくりですが、血管の老化は急激で、突然詰まったり破裂したりするのです。

 

 

社会的孤立に関連する病気として、うつ病があります。

 

原因は正確にわかっていませんが、ストレスによる海馬の萎縮や、脳内の神経伝達物質で気分に関わるノルアドレナリンセロトニンの低下によると考えられています。

 

アミロイドβが関わっているという説もあります。

適切な治療によって回復する人も多いですが、疫学的には認知症に1.7倍なりやすいというデータがあります。

認知症へ移行する例は、高齢者に目立ちます。

 

軽いうつ状態である適応障害を患う人も増えています。

ストレスを感じやすい性質の人がストレスの多い環境に置かれると、自律神経に異常が出たり、眠れなかったり、精神的に不安定になったりします。

言い換えれば軽いうつですが、長引くと本当のうつ病になってしまいます。

 

うつ病では、ノルアドレナリンセロトニンといった神経伝達物質に異常をきたし、症状としては意欲の低下などがあります。

運動や睡眠が脳の健康に個々に関わっているとすれば、聴力低下と社会的孤立とうつ病は、互いにそれぞれを巻きこみながら、脳の老化を進めます

 

 

疫学的調査結果の解釈が難しいのは、原因なのか結果なのかの判断です。

どうしても、社会的な活動性が低い老人は認知症になりやすい、という単純な結果を導きがちです。

しかし実際は、まず脳の正常老化があり、意欲の低下があり、生活習慣病や聴力低下が関連して孤立を深め、社会的な活動性が低くなって、最終的に認知症に至るケースが考えられます。

適切な運動や睡眠、聴力の維持で社会的な活動性を保てば、意と情が活性化され、脳の老化を防ぐこともできる可能性があるわけです。

「脳寿命を延ばす 認知症にならない18の方法 より」

 

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認知症の多くは、脳血管障害の積み重ねで起こり、その原因のほとんどが脳梗塞です。

ですから、脳梗塞の前兆である隠れ脳梗塞を早期発見することで多くの認知症を防ぐことができるのです。

 

脳梗塞は、高血圧や糖尿病などの病気が原因となったり、生活習慣などによって血液がドロドロになって血液循環が悪くなったりして、血管が厚く狭くなり、脳の血管が徐々に詰まって進行していきます。

一般的に、脳梗塞の初期には、大きさ数ミリ程度の微小な梗塞が数個出現し、段階をへるごとにこの梗塞が脳のあちこちに見られます。

このような症状のないごく小さな梗塞が隠れ脳梗塞(無症候性脳梗塞)です。

「隠れ脳梗塞(無症候性脳梗塞)は、早い人だと30代からあらわれ、40代を過ぎると急に増加するといわれています。

 

ビタミンB12や葉酸の吸収が悪くなると、ホモシステインという老化物質が増え、動脈硬化を生じることがわかっています。

ホモシステインはLDLと一緒になり血管壁にコレステロールを沈着させます。

また活性酸素と一緒になり、脂肪やLDLの過酸化、血管内皮細胞や血管の平滑筋の異常を引き起こします。

その結果、動脈硬化心筋梗塞脳梗塞になるのです。

脳梗塞をはじめとする脳血管障害を生活習慣病の一つととらえ、ふだんから健康に保つ生活を心がけましょう。

 

老人の認知症の3割~5割を占めるアルツハイマー病の場合は、脳細胞が萎縮する病気です。

この萎縮を食い止めるためには、脳細胞を生成するためのタンパク合成、核酸(DNA)合成が順調に行われる必要があるのです。

ビタミンB12は、脳細胞のタンパクと核酸(DNA)の生合成を司っています。

新しい核酸、タンパク質が生まれ、それによって細胞も新しく生まれ変わり、「こわれた組織、細胞」と「新生の組織、細胞」が入れ替わります。

その結果若さにもつながると考えられます。

アルツハイマー認知症の方々の脳脊髄中にはビタミンB12が少ないことが確認されています。

 

ビタミンB12について?

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