第1章 脳梗塞も認知症も脳の病気じゃない!?

第1章 脳梗塞認知症も脳の病気じゃない!?

 

脳梗塞は脳の病気じゃなくて、血管の病気

 

では、介護生活に陥る原因を見てみましょう。

 

2019年の厚生労働省の発表によると、第1位は認知症で17.6%、第2位は脳血管疾患で16.1%となっています。

 

脳血管疾患とは、脳梗塞脳出血くも膜下出血などを足したものです。

 

では、ここで問題です。

 

脳血管疾患とは、どこの病気でしょう。

 

「脳に決まってるだろ!」と答える人も多いのではないでしょうか。

しかし、答えは「血管の病気」です。

 

高血圧や糖尿病によって血管が傷つくと、細い血管が切れたり詰まったりしやすくなります。

脳にある細い血管に障害が起きるのが、脳血管疾患です。

脳には詰まりやすい細かい血管がたくさん走っているのです。

 

なお、心臓のまわりの血管が切れたり詰まったりする病気が心疾患で、要介護になる原因の4.5%を占めています。

 

血管が痛んでいる人は、脳血管疾患、心疾患、両方のリスクがあると考えられます。

 

脳血管疾患による死亡率は低下傾向にあるため、患者数は増え続けています。

 

 

認知症」と血管の健康の深い関係

 

介護生活に陥る原因の第1位、認知症についても考えてみましょう。

 

ここで、もう一度、問題です。

 

認知症とは、どこの病気でしょうか?

 

「これは、脳だろ!」と、答えますか?

 

認知症は脳の病気、それは半分正解です。

 

認知症」は、正しくは病名ではなく、いくつかの病気を総称する症候群の名称です。

日本人の認知症で一番多いのは、アルツハイマー認知症で、全体の60%を占めています。

 

アルツハイマー認知症は、脳の神経細胞アミロイドβという悪いタンパク質が絡みつくことによって発症することがわかっています。

アミロイドβによって神経細胞間の信号の伝達が阻害されてしまうのです。

この意味では脳の病気といえます。

 

しかし、アミロイドβは健康な人の脳にも発生します。

 

では、なぜ健康な人は認知症にならないのでしょうか?

 

眠っている間にアミロイドβをきれいに排出しているからです。

 

そのときに重要な働きをしているのが血流です。

新鮮な血液が脳に大量に送り込まれることによって、悪い物質が掃除されるわけです。

 

アルツハイマー認知症の人は、脳の血流が十分でないことがわかっています。

また、糖尿病と認知症が深い関係にあることも報告されています。

この観点から考えると、認知症は血管の病気だといえるのです。

 

なお、アルツハイマー型に次いで多く、全体の20%を占める脳血管性認知症は、脳梗塞脳出血の後遺症として発生します。

こちらは、明らかに血管が原因といえます。

 

脳血管疾患、認知症、心疾患、糖尿病を足すと、介護が必要になった原因の41.6%になります。

 

「ぴんぴんころり」の願いを叶えるためには、血管の健康が不可欠なのです。

 

※長野県佐久市には「ぴんころ地蔵」があり、毎日、多くの人がお参りをしているそうです。

「元気に長生きして(ぴんぴん)、寝込まず大往生する(ころり)」がその名の由来とか、まさに現代人の心理をついたネーミングです。

「血管が強くなる習慣 より」

 

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人の体の老化は20代ごろから始まります。

老化は生きている以上避けられないものですが、生活習慣・食生活に少し気をつけるだけでも進行程度が変わってきます。

30代では個人差はさほどありませんが、40歳を過ぎて中年期に入るころからだんだん差が生じ、65歳を過ぎて高年期に入ると、健康状態にはっきりとした差が出ます。

健康寿命をのばす食生活に加えて、年代別の食べ物・食べ方に気をつけると、病気予防がいっそうアップします。

 

動脈硬化は年齢とともに発症しやすくなり、50代になるとほとんどの人(女性は60代から)に動脈硬化が見られるようになります。

脳梗塞は、高血圧や糖尿病などの病気が原因となったり、生活習慣などによって血液がドロドロになって血液循環が悪くなったりして、血管が厚く狭くなり、脳の血管が徐々に詰まって進行していきます。

一般的に、脳梗塞の初期には、大きさ数ミリ程度の微小な梗塞が数個出現し、段階をへるごとにこの梗塞が脳のあちこちに見られます。

このような症状のないごく小さな梗塞が隠れ脳梗塞(無症候性脳梗塞)です。

「隠れ脳梗塞(無症候性脳梗塞)は、早い人だと30代からあらわれ、40代を過ぎると急に増加するといわれています。

脳梗塞をはじめとする脳血管障害を生活習慣病の一つととらえ、ふだんから健康に保つ生活を心がけましょう。

 

ビタミンB12と葉酸、ビタミンB6の吸収が悪くなると動脈硬化の原因物質 (ホモシステイン活性酸素)が増えるといわれています。

また、ビタミンB12は古くから、神経系の機能回復に効果があることが知られていましたが、最近の研究で、このビタミンB12の不足によって脳細胞の萎縮が進むことがわかってきました。

ビタミンB12は、脳の萎縮を食い止めるために重要な脳細胞のタンパクと核酸(DNA)の生合成を司っています。

新しい核酸、タンパク質が生まれ、それによって細胞も新しく生まれ変わり、「こわれた組織、細胞」と「新生の組織、細胞」が入れ替わります。

その結果若さにもつながると考えられます。

 

ビタミンB12について?

https://www.endokoro.com/