親の認知症の遺伝を心配する前に、15分の散歩の習性を

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親の認知症の遺伝を心配する前に、15分の散歩の習性を
 
さらに研究チーム(米ハーバード大学とオランダのエラスムス医学センターの合同チーム)は、興味ある発表もしています。
 
対象者の脳を精査したのです。
 
「遺伝の要因は不明だが、脳灌流(のうかんりゅう)の低下や大脳白質病変や微小脳出血が関係しているようだ」とも報告しています。
 
脳灌流の低下とは、脳循環低下のことです。
 
再々話しているように、脳循環が減ると、脳のすべての機能が低下します。
機能低下した脳に、いくら「ボケるな」と、かけ声をかけても無駄です。
 
「腹が減っては戦ができない」の原則が働くためです。
 
逆から見れば、脳灌流(脳循環)低下が認知症の要因であることも証明されたわけですね。
 
ちなみに大脳白質とは、「中枢神経組織の中で、神経細胞(ニューロン)の細胞体に乏しく、主に神経線維が集積し走行している領域」です。
 
脳組織の断面を肉眼的に観察すると、明るく光るような白色の部分と、白質よりも色が濃く、灰色かがって見える部分に分かれます。
前者が白質で、校舎が灰白質です。
 
白質は脳神経細胞本体より、枝の部分にあたる樹状突起や軸索などの神経線維が非常に多く、主に情報の伝導路として働く。
 
灰白質は白質の逆で、神経線維より神経細胞体が非常に多く、神経細胞本体から延びた多数の樹状突起で集めた情報を、最終的に判断して処理する。
 
処理された情報は、前頭葉に届けられ、知恵となり理性となって、高度な知的活動に参加するのです。
 
本題に戻りましょう。
 
老化や心臓機能の低下によって、脳灌流(脳循環)低下が起きると、脳神経細胞に機能障害や細胞死が発生する。
言い換えれば脳神経細胞が空腹のために満足に働けない、または餓死する。
 
餓死まで行かなくても、働けないことの影響は、実に大きい。
 
大脳白質は神経線維が集中している部分だから、ここが血液不足になれば、脳の知的ネットワークがやせ細り、情報伝達の停滞が生じ、知的作業の老化現象が始まる。
もちろん、脳卒中認知症の原因にもなります。
 
認知症の遺伝を調べていくと、意外に救われるような説も現れてきます。
 
滋賀県立成人病センター老年神経内科の松田実部長は
「親の認知症が高い確率問題で、子供も認知症になる事実は存在するが、数としては非常に少ない。
また多くの認知症には、はっきりとした遺伝性は認められない」と否定的です。
 
さらに加えて、
「確実ではないが、その確率は脳卒中の遺伝率程度だろう。
寿命が80歳を超えるのが現状である。
そうしたなかで、親や親戚に認知症がない人のほうが珍しい。あまり遺伝を気にする必要なし」とも。
 
らに、「認知症の遺伝問題はあまり心配しないほうがよろしい。その『心配ない』を実現するためにも、高血圧、糖尿病、血管病・脂質異常、肥満などの危険因子をコントロールすることが重要になる」と言われるのです。
 
親が認知症だからといって、親を責めるなかれ。
責める前に、15分の散歩習慣でも心がけるほうが得策です。
「人の名前が出てこなくなったときに読む本 より」
 
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認知症の多くは、脳血管障害の積み重ねで起こり、その原因のほとんどが脳梗塞です。
ですから、脳梗塞の前兆である隠れ脳梗塞を早期発見することで多くの認知症を防ぐことができるのです。
 
脳梗塞は、高血圧や糖尿病などの病気が原因となったり、生活習慣などによって血液がドロドロになって血液循環が悪くなったりして、血管が厚く狭くなり、脳の血管が徐々に詰まって進行していきます。
一般的に、脳梗塞の初期には、大きさ数ミリ程度の微小な梗塞が数個出現し、段階をへるごとにこの梗塞が脳のあちこちに見られます。
このような症状のないごく小さな梗塞が隠れ脳梗塞(無症候性脳梗塞)です。
「隠れ脳梗塞(無症候性脳梗塞)は、早い人だと30代からあらわれ、40代を過ぎると急に増加するといわれています。
 
ビタミンB12や葉酸の吸収が悪くなると、ホモシステインという老化物質が増え、動脈硬化を生じることがわかっています。
ホモシステインLDLと一緒になり血管壁にコレステロールを沈着させます。
また活性酸素と一緒になり、脂肪やLDLの過酸化、血管内皮細胞や血管の平滑筋の異常を引き起こします。
その結果、動脈硬化心筋梗塞脳梗塞になるのです。
脳梗塞をはじめとする脳血管障害を生活習慣病の一つととらえ、ふだんから健康に保つ生活を心がけましょう。
 
老人の認知症3割~5割を占めるアルツハイマー病の場合は、脳細胞が萎縮する病気です。
この萎縮を食い止めるためには、脳細胞を生成するためのタンパク合成、核酸(DNA)合成が順調に行われる必要があるのです。
ビタミンB12は、脳細胞のタンパクと核酸(DNA)の生合成を司っています。
新しい核酸、タンパク質が生まれ、それによって細胞も新しく生まれ変わり、「こわれた組織、細胞」と「新生の組織、細胞」が入れ替わります。
その結果若さにもつながると考えられます。
アルツハイマー認知症の方々の脳脊髄中にはビタミンB12が少ないことが確認されています。
 
ビタミンB12について?
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