「脳神経細胞の生まれ変わり」を邪魔する慢性炎症

イメージ 1
「脳神経細胞の生まれ変わり」を邪魔する慢性炎症
 
アミロイドβの蓄積が弱い炎症をつくり、
炎症が続くと神経細胞を死滅させてしまう。
その結果、脳が萎縮して認知症に。
 
認知症とは、なんらかの脳の病気のために神経細胞が死んでしまって、脳が萎縮し、脳の働きが低下した状態のこと。
原因となる病気によっていくつかのタイプがありますが、もっとも多いのが、「アルツハイマー病」が原因のアルツハイマー認知症です。
 
アルツハイマー認知症」も、脳の神経細胞が死んでしまって脳が萎縮することで生じるのですが、その原因は、これまで「アミロイドβ」と呼ばれるタンパク質だと考えられてきました。
「アミロイドβ」という言葉、どこかで耳にしたことがあるのではないでしょうか?
 不要なタンパク質である「アミロイドβ」が脳内で溜まっていくと、まわりの神経細胞が壊れ、脳が萎縮していく――。
そういわれていましたが、最近では、「アミロイドβ」は本当の原因とはいえないのではないか、と考えられるようになってきています。
 
 なぜなら、ひとつには、脳内に「アミロイドβ」が蓄積すれば必ず認知症を発症するわけではないからです。
「アミロイドβ」が蓄積していても、認知症にならない人もいます。
 では、本当の原因は何なのかというと、注目されているのはやっぱり「炎症」です。
 脳内にアミロイドβが蓄積されると、弱い炎症が起こります。
その炎症が長年続くことがアルツハイマー病の原因では――。
そう考えられつつあります。
 
■「脳神経細胞の生まれ変わり」を邪魔する慢性炎症
 
脳の神経細胞の数は、子どもの頃がピークでその後は加齢とともに減っていくのみと、以前は考えられていました。
ところが、うれしいことに、最近の脳の研究で、いくつになっても新しい神経細胞は生まれることがわかっています。
海馬などの脳の特定領域には、「神経幹細胞」というものがあり、新たな神経細胞を生み出しているのです。
このことを、医学用語では「神経新生」といいます。
年を取るにつれて脳が萎縮するだけではなく、新しい神経細胞も生み出されているというのは、とてもうれしい話です。
とくに海馬といえば、記憶や感情にかかわる部分で、認知症うつ病に深く関係しています。
その部分で、新しい神経細胞が生まれ続けているというのは、心強い限りです。
 
ところが、脳内にくすぶりがあると、この「神経新生」を邪魔してしまうこともわかってきました。
せっかく脳は、新しい神経細胞をつくりだす力を持っているのに、慢性炎症があると、それがスムーズにいかなくなるなんて、もったいないと思いませんか?
 
これまで、
 
うつ病になったことがある人はアルツハイマー病になりやすい
◎とくにうつ病の再発を繰り返した人ほど認知症になりやすい
歯周病の人は認知症になりやすい
◎糖尿病の人は認知症になりやすい
 
といったことが、いろいろな研究結果から報告されていました。
すべてのベースに「慢性炎症」があります。
そう考えると、これらの病気が脳に“飛び火”して認知症のリスクを上げるのは当然のことでしょう。
逆に、非ステロイド系消炎鎮痛剤(抗炎症薬)を日頃から服用している人はアルツハイマー病を発症する割合が少ないということも、多数報告されています。
 
いま、認知症の治療では、4種類の薬が使われています。
ただ、いずれの薬も認知症“治す”ものではなく、認知症の“進行を遅らせる”ものという位置づけです。
炎症が根本的な原因であれば、「くすぶり型の炎症」を抑えることで、今後、認知症の治療や予防が可能になってくるかもしれません。
「体内の「炎症」を抑えると、病気にならない! より」
 
*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*
 
物忘れとは、脳は、体の機能全般をコントロールしている司令塔ですが、加齢とともにその働きは衰え物忘れの症状が出てきます。
脳血管の動脈硬化を放っておくと、血液循環が悪くなって脳細胞の動きが低下し、記憶力や思考力などが鈍り物忘れがはじまります。
40歳を越えた頃から「ど忘れや物忘れが激しくなった」「人の名前がなかなか思い出せなくなった」などと物忘れを感じるようになるのは、脳機能低下のあらわれです。
 
物忘れに関して脳の機能を活性化する重要な栄養素がビタミンB12です。
物忘れに関する神経伝達物質の中で記憶と学習にかかわっているのはアセチルコリンで、このアセチルコリンはコリンと酵素を原料にしてつくられています。
ビタミンB12は、アセチルコリンを活性化して神経伝達をスムーズに行う働きをもっています。
アルツハイマー認知症の患者の脳脊髄中にはビタミンB12が少ないことが確認されています。
 
老人の認知症3割~5割を占めるアルツハイマー病の場合は、脳細胞が萎縮する病気です。
この萎縮を食い止めるためには、脳細胞を生成するためのタンパク合成、核酸(DNA)合成が順調に行われる必要があるのです。
ビタミンB12は、脳細胞のタンパクと核酸(DNA)の生合成を司っています。
新しい核酸、タンパク質が生まれ、それによって細胞も新しく生まれ変わり、「こわれた組織、細胞」と「新生の組織、細胞」が入れ替わります。
その結果若さにもつながると考えられます。
 
 
ビタミンB12について?
ちょっと使える身近な情報をお届けしています!