アクセスのいい脳回路網をつくれば「認知予備力」アップ!

f:id:endokoro728:20210816175929j:plain

アクセスのいい脳回路網をつくれば「認知予備力」アップ!

 

「ボケるかボケないか」「脳の衰えが早いか遅いか」といった差がどうしてつくのかをご存じでしょうか。

 

じつは、こうした「差」に大きな影響をもたらしているのが「脳のつながり」なのです。

わたしたちの脳の健康は、「脳のつながり」が“頑丈にできているか”“ひ弱にできているか”によって決まると言っても過言ではありません。

 

この「脳のつながり」は、「脳回路」「脳回路ネットワーク」と言い換えてもいいものであり、こうした「脳のつながり」をよく道路網にたとえて説明しています。

 

たとえば、脳のつながりのいい人は、脳内の道路網に頑丈な太い道路がたくさんあって、どこにでもスイスイと行けるようなアクセスのいいネットワークを築いています。

そして、そういう人の脳回路はいくつになっても成長していて、老化や衰えが表れるのが遅く、ボケにくい傾向があるのです。

 

反対に、脳のつながりが悪い人は、脳内の道路網が細い道ばかりでできていて、行き止まりの道や回り道が多く、アクセスの悪いネットワークを築いてしまっています。

そういう人の場合は、脳回路の成長も鈍く、老化や衰えが表れるのも早くなり、よりボケやすくなる傾向が高いわけです。

 

なお、こうした「脳のつながりのよさ(頑丈さ)」は、脳科学の世界においては「認知予備力(cognitive reserve)」と呼ばれています

 

わたしたちの脳回路は、1000億個と言われる神経細胞のひとつひとつがシナプスという“手”を伸ばし、他の細胞と手と手をつなぎ合うことによって連絡ネットワークを形成しています。

認知予備力とは、こうした「細胞同士が手をつなぐ力」

そして、この「手をつなぐ力」が強ければ、脳に頑丈な道路網(脳回路)ができ、「手をつなぐ力」が弱ければ、ひ弱な道路網(脳回路)ができるようになるのです。

 

ですから、認知予備能力が高い人は、頑丈な道路網を築いていて、つながりのいい健やかな脳を育んでいくことができる。

一方、認知予備力が低い人は、ひ弱な道路網しか築くことかできず、つながりが悪いために脳の老化や衰えが進みやすくなります。

 

 

この認知予備力が世界中で一躍脚光を浴びるようになったのは、1986年にアメリカ・ケンタッキー大学のスノウドン教授が始めた「ナン・スタディ」がきっかけです。

このナン・スタディは678人の修道女(ナン)を対象に、日常の認知機能や生活状況を詳しく調査し、彼女たちが亡くなった後に脳を解剖して脳内の状態を確認するというかたちで行なわれました。

 

なかでも注目を集めたのは、80代半ばで亡くなったシスター・バーナデットという修道女の例です。

シスター・バーナデットは、亡くなる直前まで脳機能に何の問題もなく、認知機能検査でも高得点を取り続けていました。

もの忘れなどの症状もなく、何の支障もなく修道院の毎日の務めをこなしていたのだといいます。

ところが、彼女の死後に脳を解剖してみると、大量のアミロイド-βが沈着し、委縮した脳に老人斑と呼ばれるシミが全体に広がっていて、「まるで重度のアルツハイマー認知症のような脳の状態」だったことがわかったのです。

しかも、修道女の中にはシスター・バーナデットと同様のケースが少なからず見られました。

では、シスター・バーナデットたちの脳を認知症発症から守っていた力はいったい何だったのでしょうか。

 

つまり、その力こそが認知予備力だったのです。

 

シスター・バーナデットを始め、認知症の症状が表れなかった修道女の多くは、知識や読解力、言語力に優れていて、若い頃から多くの書物に触れていました。

また、多くの人とコミュニケーションをとり、毎日の出来事や心の内を日記に綴って、物事を深く考える生活を送っていました。

さらに、日々、人や社会の役立つための奉仕活動を行ない、仲間や自然との絆を深めながら、積極的に人や社会につながっていこうとしていました。

すなわち、そういう毎日の生活習慣が認知予備力を高め、認知症発症を防ぐ力となっていたのではないかというわけです。

 

お分かりいただけましたでしょうか。

 

要するに、認知予備力は「ボケないための力」「脳を衰えさせないための力」のようなものなのです。

ボケない脳、いくつになっても衰えない脳をつくるには、このシスターたちのように、認知予備力の高い脳を育んでいく必要があり、そして、そのためには脳回路に成長を促して、脳内につながりのいい頑丈な道路網をつくっていく必要があるというわけです。

「その「もの忘れ」はスマホ認知症だった より」

 

*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*

 

老人の認知症の3割~5割を占めるアルツハイマー病の場合は、脳細胞が萎縮する病気です。

この萎縮を食い止めるためには、脳細胞を生成するためのタンパク(アミロイドβタンパク)合成、核酸(DNA)合成が順調に行われる必要があるのです。

ビタミンB12は、タンパク(アミロイドβタンパク)合成と核酸(DNA)合成の両方に深く関わっています。

 

ビタミン欠乏症が原因で、認知症になるケースがあるそうです。

ビタミンの種類は、ビタミンB1、ビタミンB12、葉酸

ビタミンB12や葉酸をはじめとするビタミンB群は、ミネラル、アミノ酸などの栄養素と協力し合っているため一緒にバランスよく摂ることがとても重要なのです。

 

ビタミンが欠乏すると、記憶障害、無気力、集中力の低下、妄想、錯乱の症状がみられるようになります。

東京武蔵野病院 副院長 田中信夫先生によれば、認知症患者の血中ビタミンB12は、通常の人より少ないそうです。

認知症の方に、ビタミンB12を投与すると、ボケ症状、特に感情障害、夜間せん妄、意欲、自発性の障害などの精神障害が軽くなると言われています。

 

現在60歳以上の人の20パーセントでビタミンB12の欠乏が見られということです。

これは歳をとると胃の機能が低下し、内因子の分泌が低下するからです。

長寿のためには、動物性食品を控えた方が良いという事ですが、一方では動物性食品を摂らないことからビタミンB12を摂取できなくなる恐れがでてきます。

また、高齢者が理由のはっきりしない神経症状を呈したら、ビタミンB12の欠乏を考えるべきだという学者もいます。

主に動物性食品にしか含まれないというビタミンなので、野菜中心の食生活の人や、ダイエットをしているなど食事の量が少ない人は、ビタミンB12を補った方が良いとされています。

加齢、胃の病気、ストレスなどでも不足します。

 

ビタミンB12について?

https://www.endokoro.com/libra/vitamin01.html

https://www.endokoro.com/

※ちょっと使える身近な情報をお届けしています!

https://www.facebook.com/endokorob12