「脳のつながり」を強くする!スマホを味方につける生き方
「脳のつながり」を強くする!スマホを味方につける生き方
人の脳はつながりが強まるほど幸せになる――私はそう考えています。
脳のつながる力・認知予備力は、脳細胞の手と手をつなぐ力が強まって、回路のつながりがしっかりするほど高まっていきます。
この認知予備力がついてくれば、認知症のリスクを減らせるうえ、日々の生活で脳の力を十分に出しつつ脳を長持ちさせていくことができるのです。
だから、「つながりが強まるほど幸せになる」といっても差し支えはないでしょう。
こうした「脳のつながり」を強くするためには、私たちは日々の活動の中で積極的にいろいろな刺激とつながっていかなくてはなりません。
人とつながり、情報とつながり、自然とつながって、いろいろな刺激を受けながら脳の回路を成長させていくことが必要になるのです。
そして、いま私たちは、スマホやパソコンという「無限につながることのできる手段」を手に入れて、広大なネットワーク世界と日常的に接するようになりました。
すなわち、誰もがたくさんの人とつながることができ、誰もがたくさんの情報とつながることができるようになったわけです。
しかし――
スマホやパソコンを通してたくさんの人や情報とつながってみて、今、多くの人がうすうす感じているのは、「たくさんの人とつながればつながるほど、幸せになるわけではない」「たくさんの情報とつながればつながるほど、幸せになれるわけではない」という点なのではないでしょうか。
つまり、人の脳はつながりが強まるほど幸せになる。
でも、あまりにたくさんの人や情報とつながってしまうと、かえって脳が不調を訴えて不幸せになっていくこともある――ということが見えてしまったわけです。
私たちはスマホやパソコンに依存してしまうことによって、いつの間にか人にとって、自分にとって「本当に大切なもの」を見失いかけているのではないでしょうか。
それは、「人間らしい幸せ」や「自分らしい幸せ」を見失いかけていると言い換えてもいいでしょう。
私たちはITというあまりに広い世界につながりを求めてしまったことで、自分たちの足元の幸せをすっかり見失ってしまっているのかもしれませんね。
私たちが「人間らしさ」「自分らしさ」を回復して幸せを取り戻していくためにいちばん大切なのは、「自分の足元をしっかり見つめなおす姿勢」ではないかと思っています。
つまり、忙しい日常の中で自分をしっかり見つめ、しっかり自分の頭で考え、しっかり自分の脳を使うようにしていくのです。
なお、その際は、深く考える時間、ぼんやりする時間、リアルの人や自然と接する時間をたっぷりとって、前頭前野やデフォルトモード・ネットワークをしっかり使いながら自分の行動を決めていくようにするといいでしょう。
さらに、情報の「イン」と「アウト」のバランスをしっかり考えて、インプットしたことを自分や社会にとって役立つようにアウトプットにつなげていくようにしてください。
また、情報をしっかり選んでインプットしたり、深く考えて自分のためにアウトプットしたりする「いい流れ」ができてくると、脳は大いに刺激されて、自分にとって役立つような回路のつながりを成長させていくことでしょう。
そうすれば、おのずと「自分にとって本当に大切なもの」「自分にとって本当に必要なもの」に目が行くようになって、「本当の幸せ」を見つけられるようになっていくはず。
きっと、人間らしさ、自分らしさを取り戻していけるようになるでしょう。
そして、こういう姿勢が取れるのであれば、別にスマホやパソコンを遠ざける必要はないのです。
それに、そもそもスマホやパソコンは、脳にとって悪いものというわけではありません。
使いすぎたり頼りすぎたりして「脳を使わなくなってしまう状況」になるのがいけないわけであって、そうした状況でないのであれば、スマホやパソコンの利用を問題視する必要はないわけです。
要は、その道具をどう使って、脳に活かしていくかということ。
適切な距離を保ちつつ、「脳を活かすための道具」として活用すればいい。
自分の脳をしっかりと使いながら、その脳の働きをより活かすための道具としてスマホとつき合っていくようにすればいいのです。
そうすれば、スマホという強力なサポート役を得て、脳はよりいっそうの力を発揮していけるようになるでしょう。
脳回路のつながりをどんどん強くして、アクセスのいい頑丈な道路網を築き、認知予備力を蓄えていけるのではないでしょうか。
そうすれば、日々のもの忘れなんかまったく気にならなくなるはず。
きっと「ボケない力」「脳を衰えさせない力」をしっかり高めて、自分の人生を豊かなものにしていくことができるでしょう。
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脳の中では、運動会のリレーのように、神経がバトンをつないで、指令を伝達していきます。
しかし、たとえばC地点の神経細胞が倒れてしまい、指令がそこで止まってしまう、という事態が起こります。
このとき、すぐにC地点の神経細胞を救出できれば復活したのですが、時間が経ち、死んでしまって、その指令も届かなくなる。
これが運動麻痺や言語障害の起こる理由です。
ところが、脳のすごいところは、C地点から今度はほかのルートでバトンを渡そうとするのです。
新たなルートで、新たなリレーのチームを作り、「言葉を話す」という指令を伝えようとします。
この新チームは、以前のチームのようにバトンの受け渡しがうまくなく、スムーズに指令が届きません。
しかし、何度も繰り返し練習するうちに、だんだんうまく指令が伝わるようになっていきます。
このようにして、死んでしまった神経細胞は復元しないけれど、ほかのルートで代用できれば、言葉がある程度話せるようになり、失語症もよくなっていくというわけです。
ニューロン同士が情報伝達を行うこと、つまり神経機能的連絡を行うためには、新経路の交差点ともいうべきものが必要であり、この交差点をシナプスと言います。
このシナプスは、歳をとっても増加し、より成熟した結合が進行するとされています。
高度の創造過程にも高密度のシナプス形成が必要と思われ、そのためには、それに必要な素材として神経系構成成分、つまり栄養成分が必要なことは当然で、また、その構築作業のための酵素、そしてそれを補佐する補酵素的ビタミンも必要となります。
その中でも重要なものがビタミンB12なのです。
脳科学の発達によって、さまざまなことがわかり、新たな試みがされています。
ビタミンB12について?
https://www.endokoro.com/libra/vitamin01.html
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