60代になって、家にこもってしまうのは絶対にNG!

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60代になって、家にこもってしまうのは絶対にNG!
 
「60代以降の人の脳回路の伸ばし方」です。
 
60代と言えば、定年退職の時期。
ビジネスパーソンにとってはたいへん大きな節目を迎える時期です。
 
定年は、脳にとっても大きな転換期となります。
なにしろ、それまで何十年と通い続けてきた会社に、ある日を境に行かなくてもよくなるわけです。
当然、脳が何十年と行なってきたルーティン・ワークも、その日から大きく変化するわけで、新しい生活のパターンに合わせて脳回路をシフトチェンジしなくてはならないのです。
 
 この転換期にいちばんやってはいけないのは、定年を機に家にこもってしまうこと。
脳にとっては、ろくに外出もせずに家の中で毎日ぼんやりと過ごすのがいちばんよくないパターンなんです。
 
 「ぼんやりする時間が増えればデフォルトモード・ネットワークを使う機会が多くなるからいいじゃないか」と思う方もいるかもしれませんが、それはまったくの見当違いです。
 
 そもそも、デフォルトモード・ネットワークは、“集中”と“ぼんやり”をバランスよく切り替えるシステムであり、「集中/ぼんやり」のバランスがどちらか一方に偏ると機能が低下するようになります。
すなわち、いつも集中ばかりだと機能が落ちてしまうのと同様に、いつも家にいてぼんやりしてばかりしていると、てきめんに切り替え機能が落ちて、デフォルトモード・ネットワークの働きが低下してしまうのです。
 
 さらに、60代以降、ぼんやりしっぱなしてデフォルトモード・ネットワークの働きを衰えさせてしまうと、認知症を発症する危険性がぐっと高まります。
デフォルトモード・ネットワーク“自分という人間”を見失わないためのシステムだからです。
60代以降、このシステムをダウンさせてしまうと、まるでそれまで自分を支えてきた柱を1本1本失っていくかのように自分を見失っていき、少しずつ認知症へと近づいていってしまうのです。
 
 ですから、60台以降は、家でぼんやり過ごしてばかりいないで、自分から進んで活動の場を外に求めていかなくてはなりません。
いわゆる「ボケ予防の本」でよく書かれているように、定年後もできる仕事を探したり、ボランティア活動や地域活動を行ったり、自分の趣味や特技を生かした活動を行ったりして、積極的に社会や人と交わるようにしていくといいわけです。
 
 いちばん理想的なのは、定年までに築いた脳回路をそのまま利用して、人や社会の役に立つ活動を行なうパターンです。
そういうかたちであれば、自分が長年培ってきた脳回路ネットワークを用いて社会貢献ができるわけです。
 
 また、自分がそれまで築いてきた道路網の中で“前から気になっていたけれど、ずっとほったらかしにしていた細い道”に注目して、その道を太くしていくのもいいでしょう。
 
 たとえば、「昔ハマっていたけれど忙しくてやらなくなっていた趣味」をもう一度やってみるとか、「以前、興味を持ってやってみようと思っていたけれど、忙しくてできなかったこと」にチャレンジしてみるなど、そういった“自分の頭の中に細々と残っていた回路”を太くしていくわけです。
中には、定年後に始めた趣味や習い事がおもしろくなってしまい、どんどんハマっていく人も少なくありません。
60代以降の脳を成長させていくには、そういった“ハマってしまうような刺激”“のめり込んでしまうような刺激”を積極的に追い求めていくのがおすすめなのです。
 
 とにかく、60代以降に脳回路を伸ばしていくには、それまでに築いてきた道路網をうまく利用しながら、人生を楽しむのがいちばんのコツ。
それまでつくってきたネットワークを自由に使って、おもしろく変えたりアレンジしたりしながら、人生を謳歌していけばいいのです。
 
 また、言わずもがなのことだとは思いますが、60代以降は歳を重ねるとともに病気に罹患するリスクがさらに高まりますので、血圧や血糖値などに気をつけて心身のコンディションを管理する姿勢が大事です。
定期的に健康診断や人間ドックを受けるのはもちろんですが、脳ドックも受けておくほうがいいでしょう。
 
 60代後半や70代になると、認知症のリスクも高まってきますが、認知症は、MCIと呼ばれる『認知症予備群』の段階であれば、正常な状態に回復させることが可能です。
そのためにも、脳ドックなどを受けて認知症の予兆を早期段階で捉えることが大切なのです。
 
※デフォルトモード・ネットワークは、文章を読んだり計算をしたりといった課題作業に取り組んでいるときには活動が低下して、何もせずにボンヤリとしているときに活動が高まっている回路。
デフォルトモード・ネットワークは、脳のアイドリング・システム。
アイドリングをしながら自分の置かれた状況をモニタリングして、“これまで自分が進んできた道”を振り返ったり、“これから自分が進もうとしている道”をイメージしたりしている。
待機時間を利用して、自分の行動や進路に間違いがないかどうかを確認する“自分モニタリング機能”を働かせている。
「脳の老化を99%遅らせる方法 より」
 
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 認知症の多くは、脳血管障害の積み重ねで起こり、その原因のほとんどが脳梗塞です。
ですから、脳梗塞の前兆である隠れ脳梗塞を早期発見することで多くの認知症を防ぐことができるのです。
 
脳梗塞は、高血圧や糖尿病などの病気が原因となったり、生活習慣などによって血液がドロドロになって血液循環が悪くなったりして、血管が厚く狭くなり、脳の血管が徐々に詰まって進行していきます。
一般的に、脳梗塞の初期には、大きさ数ミリ程度の微小な梗塞が数個出現し、段階をへるごとにこの梗塞が脳のあちこちに見られます。
このような症状のないごく小さな梗塞が隠れ脳梗塞(無症候性脳梗塞)です。
「隠れ脳梗塞(無症候性脳梗塞)は、早い人だと30代からあらわれ、40代を過ぎると急に増加するといわれています。
 
ビタミンB12や葉酸の吸収が悪くなると、ホモシステインという老化物質が増え、動脈硬化を生じることがわかっています。
ホモシステインはLDLと一緒になり血管壁にコレステロールを沈着させます。
また活性酸素と一緒になり、脂肪やLDLの過酸化、血管内皮細胞や血管の平滑筋の異常を引き起こします。
その結果、動脈硬化心筋梗塞脳梗塞になるのです。
脳梗塞をはじめとする脳血管障害を生活習慣病の一つととらえ、ふだんから健康に保つ生活を心がけましょう。
 
老人の認知症の3割~5割を占めるアルツハイマー病の場合は、脳細胞が萎縮する病気です。
この萎縮を食い止めるためには、脳細胞を生成するためのタンパク合成、核酸(DNA)合成が順調に行われる必要があるのです。
ビタミンB12は、脳細胞のタンパクと核酸(DNA)の生合成を司っています。
新しい核酸、タンパク質が生まれ、それによって細胞も新しく生まれ変わり、「こわれた組織、細胞」と「新生の組織、細胞」が入れ替わります。
その結果若さにもつながると考えられます。
アルツハイマー認知症の方々の脳脊髄中にはビタミンB12が少ないことが確認されています。
 
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