◆なぜ年をとると病気が増えるのか

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◆なぜ年をとると病気が増えるのか

 

どうして年をとると病気にかかりやすくなるのでしょうか。

 

それには、「生き物は、自分の遺伝子を後世に残すことを最優先する」という事象が絡んできます。

 

実際、私たちの体には、子孫を残すまでは確実に生き延びられるように何重にもわたってバックアップ機構が備わっています。

 

ところが、幼少期の病気を乗り越えるために良かれと思って備わっていた体の仕組みが、40、50と年をとってきたときには仇となり、逆に体に悪さをしてしまうことが往々にしてあるのです。

 

これは「拮抗的多面発現仮説」とよばれ、老化を説明する有力な理論のひとつになっています。

拮抗とは力が等しい勢力が互いに張り合う状態

多面発現は、その影響が時期や部位に応じていろいろな形で現れてくることです。

 

人間が持って生まれた大切な能力に「炎症反応」があります。

炎症は、病原体との戦いそのものです。

 

敵、つまり細菌やウイルスなどの異物をせん滅することで、感染症から体を守ってくれるのが免疫細胞で、病気と闘うときに炎症反応が起こります。

免疫細胞が勝利すれば、やがて速やかに組織は修復され、炎症は治まり、元の健康な状態に戻ります。

 

子どもの頃はウイルスや細菌に感染しやすく、ちょっとした傷が命に関わる重大事にまで発展しかねません。

そのため、もともと人間には過剰ともいえるくらいの強い免疫機構が備わっています。

そのおかげで、感染症やケガによる死亡のリスクが高い幼少期を私たちは乗り切ることができるのです。

しかし、その強力な免疫部隊も、体が成長し、子どもをつくり終えた壮老年期頃からは、逆に力を持て余し気味になります。

 

そして余剰となった力は間違った方向に働き、あろうことかAGEなどの老化物質に対しても過剰に反応し、くすぶるような慢性炎症を起こしてしまうのです。

これが動脈硬化症、がん、アルツハイマー病などの引き金になっていくと考えられています。

 

まさに、昨日の友は今日の敵なのです。

「老けない人は何が違うのか より」

 

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「老化」と聞いたとき、どんな変化を思い浮かべますか?

顔のシミやシワ、老眼、体力の衰え……。

それらももちろん老化の1つですが、根本的な老化とは「血管が衰えること」です。

わかりやすく言うと、血管の衰えとは「動脈硬化」のことです。

動脈硬化とは、血管が「硬くなること」「狭くなること」「血栓で詰まりやすくなること」。

動脈硬化は年齢とともに発症しやすくなり、50代になるとほとんどの人(女性は60代から)に動脈硬化が見られるようになります。

 

近年、動脈硬化の原因として新しく注目されているものに、ホモシステインというものがあります。

虚血性心疾患である心筋梗塞の発作を起こした人の2割程度にしか高コレステロール血症が見られないことから、これまで長い間、コレステロール以外に動脈硬化の原因となるものがあるのではないかと考えられていました。

そうして、ホモシステインがそのひとつの原因だと注目を集めるようになりました。

このホモシステインが動脈の壁に沈着すると、酸化される過程で血栓を引き起こし、血管を傷害して動脈硬化を引き起こすのです。

ホモシステインはLDLと一緒になり血管壁にコレステロールを沈着させます。

また活性酸素と一緒になり、脂肪やLDLの過酸化、血管内皮細胞や血管の平滑筋の異常を引き起こします。

その結果、動脈硬化心筋梗塞脳梗塞になるのです。

ビタミンB12や葉酸の吸収が悪くなると、ホモシステインという老化物質が増え、動脈硬化を生じることがわかっています。

 

ビタミンB群は、体に入った栄養成分をエネルギーに変えるときに不可欠なビタミンの仲間です。

また、脳の神経伝達物質の合成すべての段階に関わっています。

神経の働きを整えたり、傷んだ神経を補修したり、タンパク質をドーパミンセロトニンといった神経伝達物質に作り替えるなど、「脳力向上」のためにもB群は欠かすことができないのです。

 

ビタミンB12について?

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