体に影響を及ぼすのは「酸化」と「糖化」の二大因子
体に影響を及ぼすのは「酸化」と「糖化」の二大因子
老化に影響を与えるのは何なのでしょうか。
老化とは、端的にいえば、タンパク質の劣化です。
例えば、ハダカデバネズミは、がんや動脈硬化になりにくく、とても長寿な動物です。
なぜでしょうか。
この動物の体内では、タンパク質の品質がしっかりと維持、管理され、老化のプロセスが抑えられています。
また、地下にトンネルを掘って生活し、天敵から身を守ることができているため、自分の持っている資源をタンパク質の品質管理と維持に割くことができると考えられています。
ここからは、タンパク質の品質を劣化させる引き金について考えてみましょう。
◆酸化(活性酸素)のダメージ
老化に影響を及ぼす要因として、「酸化」があります。
「酸化」は、自然界における最も基本的な化学反応のひとつで、物質が酸素と結合することで電子を失い、変化する現象のことです。
私たちの周りでは、酸化減少がさまざまな形で起きています。
例えば、クギがさびる、リンゴの断面が変色する、輪ゴムが劣化する、古米の粘りが低下する、など。
このように、酸化によって物質はダメージを受け、劣化します。
これと同じ現象が私たちの体内でも起きているのです。
呼吸で取り込まれた酸素は、全身の細胞のエネルギー代謝に使われますが、一部の酸素はその過程で、反応性の高い「活性酸素」に変化し、体の細胞の主成分であるタンパク質を傷つけ劣化させて、障害を引き起こすのです。
◆糖化(AGE)のダメージ
「糖化」は、まだ聞き慣れない方が多いかもしれませんが、近年、老化との関連で注目を集めています。
糖化とは、体内で過剰になった糖がタンパク質にくっつく現象のこと。
タンパク質は体の主要な構成因子のひとつですから、いわば体が砂糖漬けでベタベタになるような現象です。
初期の段階で、糖の濃度が下がれば、タンパク質は元の正常な状態に戻れますが、高濃度の糖にまみれた状態が長く続くと、タンパク質は徐々に変性していきます。
この糖が過剰にこびりついて姿、形が大きく変わった、いわばタンパク質のなれの果ての物質は、AGE(終末糖化産物)と呼ばれます。
タンパク質はAGE化を受けることにより、その働きが劣化します。
さらに、酵素もタンパク質ですので、抗酸化反応などのいろいろな生体反応が障害を受けることになります。
さらに、AGEは、細胞や臓器に炎症を引き起こす原因物質であることが近年の研究で明らかになってきています。
ちなみに「糖化」という言葉は、10年くらい前から、一部の人たちによって使われるようになってきましたが、あまり正確な用語とはいえません。
というのも、本来、「糖化」はエネルギー源として貯蔵された植物のデンプンなどが分解され、オリゴ糖やブドウ糖などになる反応のことを指します。
つまり、「糖自身が化ける」ことなのです。
一方、老化との関連で使われる「糖化」は、「糖がタンパク質を化かす」現象です。
ただ、この使われ方も徐々に定着しつつあるようですので、ここでも「糖化」という言葉を使うことにしましょう。
「老けない人は何が違うのか より」
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血管は「酸化」していくことで傷ついていきます。
たとえば、悪玉コレステロール(LDLコレステロール)が動脈硬化の原因になるということを聞いたことがあるかもしれません。
LDLコレステロール(以下LDL)が血管にへばりついて、プラークと呼ばれるこぶを血管の壁に形成していくのです。
でも、LDLには2種類あることをごぞんじですか?
それは、酸化したLDLと酸化していないLDLです。
LDLの中でも血管に悪さをしていたのは、実は酸化LDLだったのです。
ということは、血管を酸化から守るシステムがしっかりできていれば、酸化LDLは血管に付着しづらくなる。
それが血管老化を防ぎ、血管強化につながるということです。
この、血管の酸化を抑えてくれるのが、実はビタミンなのです。
ビタミンの中でも特に大事なビタミンが、ビタミンCとビタミンEです。
ビタミンCとビタミンEの抗酸化力は、非常に強力です。
心筋梗塞を起こした患者さんのグループが正常のグループよりも血中のビタミンC、ビタミンEの濃度が低かったとする報告もあります。
この2つのビタミンに、ビタミンAを加えた3つのビタミンは、いずれも抗酸化力が強く、ビタミンACE(エース)と呼ばれています。
そしてもうひとつ忘れてはいけない大事なビタミンがあります。
それはビタミンBです。
ビタミンBにはいくつかの種類があり、ビタミンBグループとして存在しています。
ビタミンBの抗酸化力は強くありませんが、細胞のエネルギー産生やエネルギー代謝を効率よくするためにはなくてはならないビタミンです。
体内で起こっている「酸化」の抑制にも間接的に関わっています。
B群は体中の細胞の正常な代謝活動を助ける「補酵素」として、欠かせない存在なのです。
ビタミンB12やB6、葉酸の吸収が悪くなると、ホモシステインという老化物質が増え、動脈硬化を生じることがわかっています。
また、ビタミンBは8種類すべてが互いに協力しあって体のエネルギーを生み出す働きに関わっているため、一緒にバランスよく摂ることがとても重要なのです。
ビタミンB12について?
http://www.endokoro.com/libra/vitamin01.html
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