カロリー過多で栄養不足!? 新型栄養失調にご注意
偏った食生活の見直しを
街へ出れば24時間、食べ物が手に入るこの時代に、特に若い世代の間で栄養不足に陥る人が増えているという驚きの報告があります。
食生活が豊かになった現代で、なぜこのような問題が起こっているのでしょうか。
コンビニやファストフードばかりに頼る食生活では、どうしても糖質と脂質をとり過ぎる傾向にあります。
このため、たんぱく質やビタミン、ミネラルが不足し、「カロリーはとっているのに栄養不足」という状態を起こしてしまうのです。
例えば、「ビタミンB1」は、糖質をエネルギーに変えるときに働く栄養素です。
糖質に偏った食生活では、常に多くのビタミンB1が消費されるため不足しがちになります。
そのため糖質からエネルギーがつくれず、疲れやすくなったり、頭がぼんやりしたりといった症状が現れるのです。
ほかにも、目の細胞に働きかける「ビタミンA」が不足すると「夜盲症」に、
赤血球の材料となる「鉄」が不足すると「貧血」に、骨をつくる「カルシウム」の不足は「骨粗しょう症」を引き起こします。
食糧難によるかつての栄養失調とは異なる原因で起こるため、「新型栄養失調」「隠れ栄養失調」などと呼ばれる現代の栄養不足。
本当の意味で豊かな食生活を送れるよう、偏った食事や栄養バランスの見直しを行いましょう。
ビタミン・ミネラルの欠乏症
現代人の食生活は、欧米型の食事が定着し、ビタミン、ミネラルが不足しがちです。
これらの栄養素のいくつかをピックアップし、不足するとどういった症状が出るのか、またその栄養素が豊富な食べ物を紹介します。
◎ビタミンA
欠乏すると……
角膜乾燥症(乳幼児期)
夜盲症
成長障害(成長期)
感染症にかかりやすくなるなど
これを食べよう
にんじん
モロヘイヤ
うなぎ
レバー
バター
◎ビタミンB1
欠乏すると……
ウェルニッケ脳症
疲れやすいなど
これを食べよう
豚肉
玄米
たらこ
海苔
うなぎ
◎ビタミンC
欠乏すると……
壊血症
歯茎からの出血など
これを食べよう
キウイ
赤ピーマン
カブの葉
レモン
◎鉄
欠乏すると……
鉄欠乏性貧血
運動機能や認知機能の低下
無力感など
これを食べよう
ほうれん草
卵黄
パセリ
モロヘイヤ
煮干し
◎カルシウム
欠乏すると……
骨粗しょう症など
これを食べよう
チーズ
牛乳
ほうれん草
煮干し
小松菜
大豆製品
◎亜鉛
欠乏すると……
味覚異常
免疫力低下
男性の性能力低下など
これを食べよう
カキ
レバー
うなぎ
牛赤身肉
「栄養素の話 より」
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からだが疲れやすいのは、エネルギー不足のこともあり、からだにたまった老廃物がうまく代謝されないためでもあります。
ビタミンB群は、エネルギーの供給や老廃物の代謝にはたらいています。
いわば元気の素です。
脳を酷使するときにも、たくさんのビタミンB群が消費されています。
B群は脳の働きに重要な役割を担っているのです。
糖質を分解するB1が不足すると、脳のエネルギーが不足し、とたんに頭が回らない状態になります。
また、脳の神経伝達物質の合成すべての段階に関わっています。
神経の働きを整えたり、傷んだ神経を補修したり、タンパク質をドーパミンやセロトニンといった神経伝達物質に作り替えるなど、「脳力向上」のためにもB群は欠かすことができないのです。
ビタミンB群とは、体に入った栄養成分をエネルギーに変えるときに不可欠なビタミンの仲間です。
B1、B2、B6、B12、ナイアシン、パントテン酸、葉酸、ビオチンの8種類を総称して「ビタミンB群」と呼んでいます。
8種類すべてが互いに協力しあって体のエネルギーを生み出す働きに関わっているため、一緒にバランスよく摂ることがとても重要なのです。
また、B群は、体内で起こっている「酸化」の抑制にも間接的に関わっています。
B群は体中の細胞の正常な代謝活動を助ける「補酵素」として、欠かせない存在なのです。
ビタミンB12と葉酸、ビタミンB6の吸収が悪くなると動脈硬化の原因物質 (ホモシステイン・活性酸素)が増えるといわれています。
ビタミンB12について?
https://www.endokoro.com/libra/vitamin01.html
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