Step1「仕事がしんどい」とき…
○成功脳の人は
状況は常に変化すると考える
×ざんねん脳の人は
今のつらい状況がずっとつづくと考える
「仕事がつまらない。こんな状況がずっとつづくなんて耐えられない」
「こんなイヤな上司や先輩の下で働き続けるなんてありえませんよ」
こんなグチをこぼす人が大勢いますが、正しい脳の使いかたができている人は、現状だけを見て悲観的になることはありません。
「常に状況は変化する」ことを前提に物事を考えることができるのです。
仮にあなたの仕事や職場がつまらなくても、あるいはイヤに上司や先輩がいるとしても、それはあくまでも“今の時点”でそうだというだけであって、目の前の状況は刻々と変化していきます。
たとえば、ある日突然、仕事のコツを発見して仕事が面白くなるかもしれませんし、お客さんから感謝されて仕事にやりがいを覚えるかもしれません。
もしかしたら春の人事異動でイヤな上司がどこかに飛ばされ、代わりにステキな異性が配属されるかもしれないのです。
世の中はさまざまな要素や仕組みが複雑に絡み合っています。
物事(自分を取り巻く状況と言い換えてもいいでしょう)はひとつの状態にはとどまらず、変化し続けます。
「行く川の流れは絶えずして、しかも本の水にあらず。よどみに浮かぶうたかたは、かつ消えかつ結びて久しくとどまるためしなし――」
『方丈記』の有名な一節で鴨長明が言ったように、川の水も、泡も、時間も、人も、自分も、他人も、物事も、社会も――どんどん変わっていくのです。
だから、今は自分に不利な状況が生じていても、それだけにとらわれて思考停止してはいけません。
■「今」の視点だけでなく「未来」の視点でも考える
しかし、多くの人々はこうしたことがなかなか理解できません。
実体験が少ないと、時間軸で物事を見ることができないのです。
だから、苦しいことがあると、今の状況がこの先もずっと続くと考えてしまいます。
たとえば20年しか生きていない人は、20年のスパン(時間の幅)でしか物事を見ることができません。
40歳は40年のスパンで考えてしまいますし、50歳と60歳とでは10年の差だけ見えるものが違います。
100歳の人の言葉に重みがあるのは、それだけ長い「時間軸」で世の中を見ているからでしょう。
しかし経験がなくても、人間の脳にはそうした「時間軸」で物事をとらえる能力が備わっています。
科学者がよい例ですが、自分が経験していないにもかかわらず、科学的根拠に基づいて、世界を客観的に見られるのです。
たとえばダーウィンの進化論もそうですし、地球環境の変化、天体の運行などもそうですが、何千年も何万年もさかのぼって考えることができ、逆に未来を予測することもできます。
何事にも手を抜かずにプラスになることを探すこと。
今、目の前にあることに対して、自分のできるかぎりの努力をして、少しでも自分を向上させるための考え方です。
脳は、「これ以上は考えられない」というところまで使ったときに、その枝ぶりが一番伸びやすく、逆に、何事にも「この程度でいいや」と腹八分目の努力を繰り返している人は成長できません。
脳は、その脳番地をよく使うことで「ごく軽度の低酸素状態」になったときに、グリア細胞(神経線維=ニューロン以外の細胞)が活発に働いて、白質を強くするのです。
このことは、筋力トレーニングやスポーツに真剣に打ち込んだことがある人にはイメージしやすいと思います。
重りをつけて走るとか、マスクをつけたままランニングするといったように、限界まで肉体を追い込んだときに筋力も持久力も成長します。
脳も同じです。
だから、とくに若いうちは、要領よく立ち回ってその場しのぎの手の抜きかたを覚えるよりも、自分の能力を最大限に使って、目の前の課題=トレーニングのつもりで臨むことが大切です。
とはいえ、「これ以上は考えられない」というところまで使う――といっても漠然としていますので、たとえば何をどうするかを考えるときには、「選択肢を10個以上考える」といった具体的な数字を入れたルールをつくっておくとよいでしょう。
そこまでやったら、手を抜かずに考え抜いた――という指標にするのです。
「1万人の脳を見てわかった!「成功脳」と「ざんねん脳」 より」
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脳の中では、運動会のリレーのように、神経がバトンをつないで、指令を伝達していきます。
しかし、たとえばC地点の神経細胞が倒れてしまい、指令がそこで止まってしまう、という事態が起こります。
このとき、すぐにC地点の神経細胞を救出できれば復活したのですが、時間が経ち、死んでしまって、その指令も届かなくなる。
これが運動麻痺や言語障害の起こる理由です。
ところが、脳のすごいところは、C地点から今度はほかのルートでバトンを渡そうとするのです。
新たなルートで、新たなリレーのチームを作り、「言葉を話す」という指令を伝えようとします。
この新チームは、以前のチームのようにバトンの受け渡しがうまくなく、スムーズに指令が届きません。
しかし、何度も繰り返し練習するうちに、だんだんうまく指令が伝わるようになっていきます。
このようにして、死んでしまった神経細胞は復元しないけれど、ほかのルートで代用できれば、言葉がある程度話せるようになり、失語症もよくなっていくというわけです。
ニューロン同士が情報伝達を行うこと、つまり神経機能的連絡を行うためには、新経路の交差点ともいうべきものが必要であり、この交差点をシナプスと言います。
このシナプスは、歳をとっても増加し、より成熟した結合が進行するとされています。
高度の創造過程にも高密度のシナプス形成が必要と思われ、そのためには、それに必要な素材として神経系構成成分、つまり栄養成分が必要なことは当然で、また、その構築作業のための酵素、そしてそれを補佐する補酵素的ビタミンも必要となります。
その中でも重要なものがビタミンB12なのです。
脳科学の発達によって、さまざまなことがわかり、新たな試みがされています。
ビタミンB12について?
https://www.endokoro.com/libra/vitamin01.html
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