第3章 “野菜を最初に食べると太りにくい”は本当
食べる順番で血糖値も変化する
「食べ順」や「ベジタブルファースト」という言葉を見聞きしたことはあるでしょうか?
これは世間のダイエット法でもよく取り上げられているキーワードで、まずは野菜から食べて、そのあとは肉、魚といったタンパク質のおかず、最後は炭水化物を食べるという食事の仕方で、そうすることで太りにくくなる、ということが言われています。
それは人間の消化、吸収のシステムを見れば当然正解です。
先に主食であるご飯やパンと一緒にメインのおかずを食べると、血糖値が一気に上昇してしまうので、まずは食物繊維の豊富な野菜類、次に消化が遅いタンパク質の順番で食べ、血糖値の上昇を緩やかにするメリットが得られるのです。
また、その際、食べる時間はなるべく30分程は取り、口の中の消化酵素とよく混ざるように、1口につき30回程度は噛んで食べるのがおススメです。
レストランのコースメニューのようにゆっくり食事を摂ることで、満腹中枢に満たされてきた、というシグナルが送られます。
結果的に食べているメニューは同じでも、食べる順番を変えることで肥満予防になり、糖尿病のリスクも減らすことができるのです。
食事はまず野菜から!
ご飯を先に食べると…
↓
血糖値が急上昇
野菜・海藻類を先に食べると…
↓
血糖値が緩やかに
食事の時は、食べる順番を徹底!
■食べる順番による血糖値への影響
ご飯とサラダ、どちらを先に食べるかで血糖値の変化を調べたところ、サラダを先に食べたほうが血糖値が緩やかに上昇しました。
白飯→サラダの順
食事開始から30分後に血糖値が急上昇
サラダ→白飯の順
白飯を食べ始めた30分後に血糖値が緩やかに上昇
「糖質の話 より」
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血管力を高める食事は、炭水化物(糖)、塩分を少なめに、HDLコレステロール値を上げる食材を選ぶのが基本です。
これに外せないものが、たんぱく質を十分に摂る食事を心がけることです。
血管はアミノ酸、たんぱく質とコレステロールなどの脂質によってつくられます。
アミノ酸は普通の食事をしていれば十分にとれるので、動物性たんぱく質を意識しましょう。
たんぱく質はとくに血管中膜の結合を強くします。
動脈壁そのものを強くするので、脳出血などを防ぎます。
また、脳の機能にとって神経伝達物質がきわめて重要な存在です。
ドーパミン、GABA、セロトニンがよく知られていますが、アセチルコリンも重要な役割をもつ神経伝達物質のひとつです。
記憶力の減退も、脳の老化を示す典型的な症状ですが、記憶のネットワークを活性化する働きをしているのが、脳の海馬という組織であることはよく知られています。
その海馬には、アセチルコリン系神経が集中しているのです。
脳が老化し、萎縮してしまうアルツハイマーとの関係はとくに深く、アルツハイマーの脳ではアセチルコリンが減少していることから、アセチルコリン不足がアルツハイマーのひとつの原因とも考えられています。
アセチルコリンの合成にはコリン、ビタミンB1、ビタミンB12などがかかわっています。
同時にこれらの栄養をとることが、アセチルコリンを増やすことにつながるわけです。
通常、コリンはレシチン(フォスファチジルコリン)のかたちで、食材から摂取されます。
レシチンはアセチルコリンの材料になるだけではなく、細胞膜の材料にもなっています。
とくに脳の神経細胞の細胞膜にはたくさん含まれていて、多彩な働きをしています。
血液にのって運ばれる栄養の細胞内へのとり込みや細胞内の老廃物の排出、神経伝達物質の放出や情報ネットワークの形成といった、脳の機能全体に深くかかわっています。
これが、レシチンが「脳の栄養素」と呼ばれるゆえんです。
そのレシチンを多く含んでいる食品の代表が卵黄です。
なお、レシチンをアセチルコリンに合成するには、ビタミンB群が欠かせないため、同時にとることが望ましいのです。
ビタミンB12について?