食べる幸福が脳を若返らせる

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食べる幸福が脳を若返らせる

 

脳を喜ばせ、脳の若さを保つのに一番いいのは、幸福な体験をすることです。

 

幸福体験は免疫機能を上げ、感情の老化を予防し、うつも遠ざけますから、感情老化が心配な40代以降は、幸せに生きることを第一に考えてほしいのです。

 

ところが、厳しい節制ややせ我慢が美徳になりやすい日本人は、ともすれば苦しいダイエットや禁欲的な食生活に走りがちです。

 

しかし、食の楽しさを失ってまでやせても幸せにはほど遠いでしょうし、一番大事な脳の喜びを奪ってしまっては本末転倒です。

 

たとえば、私たちシニアが読む雑誌には必ずグルメ特集があって、憧れの名店から大衆酒場まで、さまざまな食の情報を楽しめます。

もちろんテレビでは国内をはじめ遠い海外の街にまで足を伸ばして、おいしいもの、珍しいものの情報を提供してくれますから、私たちはそれを見ながら「一度はあの店の看板メニューを食べてみたい」「今度の結婚記念日にはぜひあの名店に行きたい」と夢を膨らませるのです。

 

私たちがおいしいものを思い浮かべたり、食の楽しさを語りあったりする時、私たちの前頭葉は大いに刺激され、確実に活性化しています。

 

おいしい食べ物の話をしながら難しい顔をしている人を見たことはありませんが、それと反対に、ちょっと不機嫌な時もとびきりおいしてものを食べたら笑顔がわいてきたという体験はいくらでもあります。

 

栄養面も大事ですが、精神医学の面からも、食べることは非常に大事です。

 

熱心にメタボ対策をしている人は神経伝達物質が少なくなったり、うつ傾向になりやすかったり、さらには老化も進みやすくなりますから、これでは幸せも逃げていきます。

 

特に食事から取るたんぱく質が少なくなると、体内のセロトニンが減ってきます。

 

また、食事の量を減らしてブドウ糖が足りなくなると活動性が低下して体を動かさなくなったり、抑うつ的な気分になって元気がなくなってきます。

 

仕事柄たくさんの高齢者を診察していますが、食べることがいかに大きな楽しみになっているか、よくわかります。

 

特に老人ホームで暮らす人たちの生活はどうしても単調で低刺激になりがちですから、食の楽しみも倍増します。

変化の少ない生活の中で「今日の夕食はなんだろう」「デザートはどんなのかな」と考えることは、前頭葉を刺激する快い体験になるのです。

 

50代、60代にもなると、簡単に恋愛ができるわけでもなく、ギャンブルに興じるのはリスクが大き過ぎ、贅沢にお金が使えるわけでもありません。

 

ところが、食の楽しみ方は人それぞれで多種多彩。

ミシュランの三ツ星レストランに行くことが最高の贅沢だと考える人もいれば、熱々のたこ焼きを頬張るときに至福の喜びを感じる人もいます。

 

そう考えると、これほど効率的で効果的な前頭葉活性法はないかもしれません。

 

だからこそ、食べる楽しみを放棄して無理な我慢をしたり、間違った節制法で脳と体を老化させることは避けてほしいのです。

 

脳を活性化させる一番の特効薬は、きっとあなたの大好物なのですから。

「感情の老化を防ぐ本 より」

 

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血管力を高める食事は、炭水化物(糖)、塩分を少なめに、HDLコレステロール値を上げる食材を選ぶのが基本です。

これに外せないものが、たんぱく質を十分に摂る食事を心がけることです。

血管はアミノ酸たんぱく質コレステロールなどの脂質によってつくられます。

アミノ酸は普通の食事をしていれば十分にとれるので、動物性たんぱく質を意識しましょう。

たんぱく質はとくに血管中膜の結合を強くします。

動脈壁そのものを強くするので、脳出血などを防ぎます。

 

また、脳の機能にとって神経伝達物質がきわめて重要な存在です。

ドーパミン、GABA、セロトニンがよく知られていますが、アセチルコリンも重要な役割をもつ神経伝達物質のひとつです。

記憶力の減退も、脳の老化を示す典型的な症状ですが、記憶のネットワークを活性化する働きをしているのが、脳の海馬という組織であることはよく知られています。

その海馬には、アセチルコリン系神経が集中しているのです。

脳が老化し、萎縮してしまうアルツハイマーとの関係はとくに深く、アルツハイマーの脳ではアセチルコリンが減少していることから、アセチルコリン不足がアルツハイマーのひとつの原因とも考えられています。

 

アセチルコリンの合成にはコリン、ビタミンB1、ビタミンB12などがかかわっています。

同時にこれらの栄養をとることが、アセチルコリンを増やすことにつながるわけです。

通常、コリンはレシチン(フォスファチジルコリン)のかたちで、食材から摂取されます。

レシチンアセチルコリンの材料になるだけではなく、細胞膜の材料にもなっています。

とくに脳の神経細胞の細胞膜にはたくさん含まれていて、多彩な働きをしています。

血液にのって運ばれる栄養の細胞内へのとり込みや細胞内の老廃物の排出、神経伝達物質の放出や情報ネットワークの形成といった、脳の機能全体に深くかかわっています。

これが、レシチンが「脳の栄養素」と呼ばれるゆえんです。

そのレシチンを多く含んでいる食品の代表が卵黄です。

 

ビタミンB12について?

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