第9章 香りを使うと認知症の進行を防ぐことができる!?

第9章 香りを使うと認知症の進行を防ぐことができる!?

 

認知症になると、香りを感じる機能がどんどん鈍化していくと言われています。

 

 

香りをキャッチする嗅覚のレセプターが鼻の中にあるのですが、認知症認知症予備軍の人は、このレセプターの細胞数が少なくなっていくのです。

 

 

認知症の人でなくても、60~80代にかけて嗅覚はどんどん低下します。

特に男性は、60代からの低下が激しいので注意が必要です。

ただ、実際に自分の嗅覚が低下していることに気付くのが難しく、気が付いたときにはかなり進行ていたということもよくあります。

 

 

香りはものすごく脳に刺激を与えています。

香りを嗅いだ瞬間に、気持ちが変わることがないでしょうか?

たとえば、臭い匂いであれば一瞬で嫌な気持ちになりますよね。

 

実は、五感の中で最も伝達速度が速いのが嗅覚です。

それだけ、嗅覚と脳はつながっているのです。

鼻腔と脳は場所も近く、ダイレクトに脳が活性化するわけです。

 

 

だから、「香り」を使えば簡単に脳活できます

 

一番簡単なのは、食事の香りを利用することです。

 

料理にはいろいろな香りがあります。

この香りを意識的に嗅ぐことで、脳を刺激していくのです。

ただし、毎日同じものばかり食べていると、香りに慣れてしまい、脳を刺激できなくなってきます。

和食の次は中華、その次は洋食、ときどきはエスニックを入れてみるなど、できるだけ料理のバリエーションをつくり、いろいろな香りを嗅げるようにしてください。

 

食べることが好きな人は認知症になりにくいと言われますが、これは嗅覚の側面からもそう考えられると思います。

 

 

食事以外の方法では「アロマの活用」があります

アロマにはさまざまな効果があるので、目的に合わせて選べるのがいいですね。

脳を刺激するだけでなく、集中力を上げる、自律神経を整える、リラックスする……。

目的に合ったセレクトができます。

 

 

アロマの研究は各所で行われていて、香りにたくさんの効果が認められていますが、その中でも特に、やる気脳、記憶脳などの改善に効果があるものを厳選して紹介します。

 

 

▼レモン

副交感神経の活性化を抑えて、交感神経を活性化する作用があるため、朝の目覚めがよくなったり、集中力をアップさせる効果があります。

疲労の回復効果もあります。

 

▼ラベンダー

短期記憶(ワーキングメモリー)が15%アップするため、記憶力がアップします。

また、神経栄養因子受容体(NGFR)の遺伝子スイッチをオンにするため、神経の成長・維持も促進される効果も期待できます。

 

▼ペパーミント

集中力が高まり、作業スピードが高まる効果が期待できます。

また記憶力も高まる効果もあります。

ミントガムは噛むことでドーパミンを分泌させるので、おすすめの脳活食品です。

 

▼ヒノキ

ヒノキの匂いを嗅ぐと、右脳前頭前皮質の活性度が落ちて副交感神経を活性化することで、ストレス軽減効果があることがわかっています。

ヒノキに含まれるαピネンの香りを嗅ぐと、海馬の脳由来神経栄養因子(BDNF/記憶力の脳内ホルモン)の遺伝子スイッチがオンになることから、記憶力への効果も期待できます。

ヒノキ風呂は老人脳予防効果が期待できます。

 

ローズマリー

展望記憶(将来の予定や約束などを覚えておく能力)がアップするため、人との約束や、買い物で何を買うかを忘れにくくなったり、台所に来たけど「何のために来たんだっけ?」という忘却を防ぐ効果があることがわかっています。

 

 

また、ブレンドしたアロマを使った検証で、匂いを嗅ぐことで注意力が向上することがわかっています。

「80歳でも脳が老化しない人がやっていること より」

 

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血管力を高める食事は、炭水化物(糖)、塩分を少なめに、HDLコレステロール値を上げる食材を選ぶのが基本です。

これに外せないものが、たんぱく質を十分に摂る食事を心がけることです。

血管はアミノ酸たんぱく質コレステロールなどの脂質によってつくられます。

アミノ酸は普通の食事をしていれば十分にとれるので、動物性たんぱく質を意識しましょう。

たんぱく質はとくに血管中膜の結合を強くします。

動脈壁そのものを強くするので、脳出血などを防ぎます。

 

また、脳の機能にとって神経伝達物質がきわめて重要な存在です。

ドーパミン、GABA、セロトニンがよく知られていますが、アセチルコリンも重要な役割をもつ神経伝達物質のひとつです。

記憶力の減退も、脳の老化を示す典型的な症状ですが、記憶のネットワークを活性化する働きをしているのが、脳の海馬という組織であることはよく知られています。

その海馬には、アセチルコリン系神経が集中しているのです。

脳が老化し、萎縮してしまうアルツハイマーとの関係はとくに深く、アルツハイマーの脳ではアセチルコリンが減少していることから、アセチルコリン不足がアルツハイマーのひとつの原因とも考えられています。

 

アセチルコリンの合成にはコリン、ビタミンB1、ビタミンB12などがかかわっています。

同時にこれらの栄養をとることが、アセチルコリンを増やすことにつながるわけです。

通常、コリンはレシチン(フォスファチジルコリン)のかたちで、食材から摂取されます。

レシチンアセチルコリンの材料になるだけではなく、細胞膜の材料にもなっています。

とくに脳の神経細胞の細胞膜にはたくさん含まれていて、多彩な働きをしています。

血液にのって運ばれる栄養の細胞内へのとり込みや細胞内の老廃物の排出、神経伝達物質の放出や情報ネットワークの形成といった、脳の機能全体に深くかかわっています。

これが、レシチンが「脳の栄養素」と呼ばれるゆえんです。

そのレシチンを多く含んでいる食品の代表が「卵黄」です。

なお、レシチンアセチルコリンに合成するには、ビタミンB群が欠かせないため、同時にとることが望ましいのです。

 

ビタミンB12について?

https://www.endokoro.com/