第2章 無理をすると脳は老化する
新しいことにチャレンジする。
大切なことですが、気を付けたいことがあります。
それは「無理をしない」ことです。
「若い頃は無理が利いたのに、60歳を超えて無理ができなくなった。ちょっと無理をするとすぐ体調が悪くなる」
60代の知人がそんなことを言っていました。
若い頃のように、もっといろいろ頑張りたい気持ちはあるそうなのですが、体が言うことを利いてくれないことにストレスを感じることもあるそうです。
でも、60歳を超えて無理をしないことは脳の立場から見ても正しい行為です。
「無理」が脳の老化を早めるからです。
無理をすると脳はストレスを感じ、そのストレスが脳の老化を早めてしまいます。
ただ、無理はいけないからと、怠けすぎたり、ダラダラと楽ばかりするのも脳にはマイナスです。
「中庸」という考えがあります。
中庸とはバランスがとれた、一番エネルギーが高い状態です。
このバランスが崩れると病気になったりメンタルがやられたりするそうです。
実はイライラしているときの高齢者の脳もバランスが崩れていることがわかっています。
イライラしているときの脳は、左脳ばかりが動いている状態です。
この偏りは、脳に負荷がかかります。
左脳と右脳のバランスがとれた状態がいいのです。
脳のバランスだけでなく、体のバランスが崩れることも、脳を老化させる原因になります。
たとえば、足を組むのもよくありません。
足を組むと、座っているときに背中にずれが生じます。
そのずれから骨格が崩れていきます。
左右どちらかに体が傾いていると、脳はバランスをとろうとして調整をかけています。
脳も動いているのです。
この調整をしていることも脳のストレスになります。
足元からも老人脳になっていくのです。いくつになっても脳が老化しない人、若々しい人はみな姿勢がいい人が多いですよね。
話がずれたので、「無理をしないこと」に戻します。
私の研究テーマのひとつに「成功者の脳」があります。
成功者に共通するのはどんなことなのかを調べているのですが、成功するために必要なことのひとつに「無理をしないこと」があります。
意外に思うかもしれません。
成功した人は無理をしたことで成功を手に入れたと思うかもしれませんが、実は「無理をしない」ことが大切だったのです。
無理をして「自分の身の丈」を越えることをしている人は、一時的な成功はあっても成功し続けることは困難です。
自分の得意な領域で、無理をしないで事業をしていくことが、長い間うまくいく秘訣だったのです。
「80歳でも脳が老化しない人がやっていること より」
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ハーバード大学が20年にもわたって行なった調査によると、激しい怒りの後には、急性心筋梗塞や狭心症などの心臓発作を起こすリスクが4.7倍まで急上昇するそうです。
ただ、血管に悪いとわかっても、怒りや嫉妬といった感情は自然に湧き上がってくるもの。
完全になくすということはできません。
避けることはできないのなら、湧き起こってきた怒りを以下に鎮めるか、ストレスが持続しないように、いかに発散するかが大事です。
カーッと頭に血が上ったとき、簡単にできるリラックス法が、息を吐くということ。
ふーっと腹式呼吸で息を吐くと、副交感神経の働きを強めてくれます。
オフィスでも、どこでもすぐにできるのでおすすめです。
脳梗塞は、高血圧や糖尿病などの病気が原因となったり、生活習慣などによって血液がドロドロになって血液循環が悪くなったりして、血管が厚く狭くなり、脳の血管が徐々に詰まって進行していきます。
一般的に、脳梗塞の初期には、大きさ数ミリ程度の微小な梗塞が数個出現し、段階をへるごとにこの梗塞が脳のあちこちに見られます。
このような症状のないごく小さな梗塞が隠れ脳梗塞(無症候性脳梗塞)です。
「隠れ脳梗塞(無症候性脳梗塞)は、早い人だと30代からあらわれ、40代を過ぎると急に増加するといわれています。
ビタミンB12やB6、葉酸の吸収が悪くなると、ホモシステインという老化物質が増え、動脈硬化を生じることがわかっています。
ホモシステインはLDLと一緒になり血管壁にコレステロールを沈着させます。
また活性酸素と一緒になり、脂肪やLDLの過酸化、血管内皮細胞や血管の平滑筋の異常を引き起こします。
脳梗塞をはじめとする脳血管障害を生活習慣病の一つととらえ、ふだんから健康に保つ生活を心がけましょう。
ビタミンB12について?