「直感力」を鍛える3つの方法 2.呼吸を合わせる
呼吸を合わせるということもまた、直感力を鍛える効果的な方法です。
日本語には「気が合う」ということばがありますが、これはまさしく呼吸が合っている様子を示しています。
そして、私たちはお互いが呼吸を合わせることで、共感する能力を活性化することができるわけです。
呼吸がうまく合うということは、実は相手の心と自分の心が共鳴することにつながります。
たとえば、相撲の立ち合いでお互いの呼吸がうまく合うと、2人の心が共鳴してサッと立ち上がって取り組みがはじまります。
ところが、お互いの呼吸が合わないと、いつまで経っても取り組みがはじまらないのです。
呼吸を合わせる能力は、私たちが赤ん坊のときからずっと身につけてきた力です。
赤ん坊はお母さんの腕に抱かれている間に、お母さんの呼吸を肌で感じています。
お母さんが落ち着いてゆっくりした呼吸でいれば、子どもも安心してその呼吸に合わせてゆったりとした気分になるわけです。
だからこそ、他人と呼吸を合わせられる人間に育てるためには、母と子の触れ合いを欠かすことができません。
そうした触れ合いが、共感力や直感力を育むのです。
幼稚園や小学校では、子どもたちがきちんと社会生活を営めるように、さまざまな方法で共感力や直感力を養おうとする試みがあります。
毎年おこなわれる運動会はそのいい例でしょう。
なかでも注目しているのが、綱引きという競技です。
同じチームに属する何人かの子どもたちが、みんなで声を合わせながら綱を引っ張ります。
重要なポイントは、ただやみくもに綱を引っ張っているのではなく、掛け声をかけながらみんながタイミングをとって綱を引っ張っている点です。
これはまさに、一緒に綱を引いている人たちが、呼吸を合わせているといってよいでしょう。
呼吸を合わせることによって、結果的に共感する能力を養っているわけです。
冷静に考えてみれば、「大勢で揃って綱なんか引いて何がおもしろいの?」といいたくなるかもしれません。
でも、あれは綱を引いて勝つことだけが目的なのではなく、同じチームに属するみんなの呼吸を合わせて、仲間意識や連帯意識を高める儀式だと考えてみればどうでしょう。
すると、あんな素朴な競技が、今に至るまで残っている意味がわかるでしょう。
似たようなことは、二人三脚にもいえます。
最近ではやたらに人数が増えて、10人11脚とか、15人16脚などという競技も見かけますが、いずれにしても呼吸を合わせなければ前に進めません。
「イチ、ニ、イチ、ニ……」と声をかけながら、呼吸を合わせていくわけです。
そうして、困難を乗り越えてようやくゴールまで達したときには、たとえ勝負に負けてしまったとしても、仲間との連帯感は以前よりもはるかに強固なものになっていることでしょう。
「脳科学者が教える「ストレスフリー」な脳の習慣 より」
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寒暖の差、生活の変化が激しい毎日は、私たちの身体にも大きなストレスを与えます。
そんな日々が続くと、自律神経は、その変化に対応しきれなくなって、やがて疲れやめまい、不眠、頭痛といった症状が現れてきます。
とくに人間関係の変化は想像以上に心身への影響が大きい。
気分が落ち込んだり一時的にうつ状態になってしまうこともあります。
とはいえ、そのうちに治ってしまうことが多いので、うつ状態でも必ずしも病気とは言えません。
しかし、落ち込みの程度が重い時や、落ち込みが長引いてしまうと、人の意欲は奪われて行動にも影響を及ぼします。
自律神経を整えるためには生活リズムを作るとともに栄養面も非常に大切です。
私たちの脳の中で司令塔のような役割をしているセロトニン神経という神経細胞が弱ってきており、軽い不調からうつ病、パニック症候群、さまざまな依存症などを引き起こす原因になっています。
この現象は大人から子どもまで老若男女に広がっています。
セロトニン神経は、日を浴びることや意識した呼吸、簡単な運動をすることなど日常生活に少し工夫を加えることによって鍛えることができます。
脳には無数の神経細胞があり、その神経細胞の末端からセロトニンやアセチルコリン、ドーパミンなどの神経伝達物質を放出しています。
イライラしやすいときは、脳の神経伝達物質であるセロトニン、アセチルコリン、ドーパミンなどが不足していることが考えられます。
そのため、これらの材料となるアミノ酸と、アミノ酸を取り込むために必要な糖分やビタミンB12の不足を疑ってみましょう。
また、脳の唯一のエネルギー源であるブドウ糖が足りなかったり、神経伝達物質を放出するときに働くカルシウムが不足したりしているのも原因のひとつと考えられます。
ビタミンB12について?