「ドーパミン原理」の幸せと「オキシトシン原理」の幸せ
幸せになりたいと誰もが願っています。
でも、何が幸せなのかはそれぞれでしょう。
「お金持ちになること」と答えた人は、目標を定めてそれが成就することを幸せに感じるのではないでしょうか。
これはドーパミンによる報酬を期待する典型的な例といってよいのでしょう。
出世すること、有名になることというのも同じです。
具体的な夢や目標を持ち、そこに向かってまっしぐらに進むという「ドーパミン原理」が、ここ数十年、世の中のすべてのジャンルで起こっていました。
しかし、それだけが幸せなのではありません。
具体的な報酬を目指さなくても、幸せだと感じる価値のあるものが、この世の中には存在しています。
それが人と人とのコミュニケーションであり、共感だと思います。
これが「オキシトシン原理」による幸せです。
「ドーパミン原理」と「オキシトシン原理」――幸せには2つの原理があるのです。
ドーパミン原理が通用したのは、経済が右肩上がりの成長を続けた時代まででした。
経済も社会も成熟期を迎えた現在の日本では、幸せの原理をオキシトシン原理に切り替える必要があるのです。
「コミュニケーションと共感で、本当に幸せになれるの?」
これまで、ドーパミン原理にどっぷりつかってきた人は、そうした疑問を持つことでしょう。
でも、試しに意欲よりも共感を意識してみてください。
その日から熾烈な競争もなくなります。
いや、人間が群れで生活する限り競争は残っているでしょうが、あなたはそれを超越して「競争なんてどうでもいい。もっと大切なものがあるじゃないか」という気分になるはずです。
やがて、周囲の人とのコミュニケーションが楽しくなり、なんとなくほんわかした喜びの気分に浸れるようになってくるはずです。
それがオキシトシン原理の幸せなのです。
もちろん、気持ちが通じ合える人が多いに越したことはないのですが、最低限、たった1人か2人でもいいのです。
家族でも友人でも恋人でもいい。
そうした人たちと心が通じ合えるだけで幸せになれることを知ってほしいのです。
そのことに気がついたとき、あなたの価値観は大きく変わることでしょう。
「脳科学者が教える「ストレスフリー」な脳の習慣 より」
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心の病との関連で関心を集めているストレスホルモンが「コルチゾール」です。
コルチゾールは、副腎から分泌されると、血液にのって体内を循環しながら、エネルギー源の補充などの重要な役割を果たします。
役割を終えると脳にたどり着いて、脳に吸収されます。
これが、正常なストレス反応の流れです。
ところが、主に「我慢するストレス」状態が長い期間にわたって続き、ストレスが積み重なっていくと、コルチゾールがとめどなく分泌され続けるようになってしまいます。
こうなると、状況が一変します。
コルチゾールが脳にあふれて、その一部をむしばんでいくのです。
まさに、ストレス反応が暴走して、ありふれたストレスが「キラーストレス」と化してしまうのです。
副腎が疲れている人に圧倒的な足りない栄養素は、ビタミンB群になります。
ビタミンB群は、抗ストレスホルモンを合成するときに必要な栄養素です。
そのため、ストレスが多く抗ストレスホルモンを大量に必要とする人などは、体内のビタミンB群が不足しがちになります。
その結果、抗ストレスホルモンが十分につくれなくなり、副腎がますます疲れてしまうのです。
ビタミンB12について?