ウィズコロナ時代こそ「オキシトシン原理」で生きる
ウィズコロナ時代こそ「オキシトシン原理」で生きる
江戸時代の開国、敗戦によるアメリカ支配――そうしたエポックメイキングな事件を経て、私たち日本人の行動様式や価値観は、すっかり西洋化してしまいました。
ドーパミン原理に染まってしまったのです。
しかし、時代は大きく変わりました。
地球の資源には限りがあることが認識され、誰もがみな金持ちになっていい生活をしようとしたら、地球がいくつあっても足りないことがわかってきました。
地球温暖化、気候変動、パンデミックなど、私たちを取り巻く課題は、どれ1つとして、自分のことだけを考えていたら解決できないものばかりです。
それどころか、1つの国だけでも解決できません。
私たちは地球という星で暮らす運命共同体であると考えないことには、どうにもならない時代に生きているのです。
そんな時代には隣人のことを思いやり、共感しながら、オキシトシン原理で生きていくことが欠かせません。
実は私たち日本人も、かつてはオキシトシン原理が中心で動いていた時代がありました。
その典型が開国前の江戸時代です。
江戸時代の社会というのは、共感力を働かせる社会だったといっても過言ではありません。
侍の世界では、自分を捨てて人々のために何かをすることが価値観の中心にありました。
滅私奉公という考え方は、その後の戦後の思想に利用されてしまいましたが、もともとは江戸時代の共感力を表していることばなのです。
一般の人もまた、金儲けや出世を考える人はごく少数で、ほとんどの人は家族や友人と楽しく語らうことに喜びを見いだしていました。
落語に出てくる横丁のご隠居さんのように、他人のために無償でいろいろ面倒を見ている人たちもたくさんいたのです。
お客さんが喜ぶ顔を見られればお金なんかどうでもいいという、粋な職人さんたちもいました。
江戸時代は、まさにオキシトシン原理の価値観が大切にされた時代だったのです。
こうした価値観や思想をもたらしたのは何かといえば、日本人の精神的な土壌になっている仏教の世界であり、禅の世界です。
本当に価値のあるものはお金ではないと教えてくれたことで、江戸時代の人々は幸せに暮らすことができ、さまざまな文化が花開いたのだと考えています。
もちろん、江戸時代の暮らしや考え方がすべてよかったというつもりはありません。
しかし、現代の行動様式や価値観を反省する際、1つの手本になることは間違いありません。
提案したいのは、経済的な豊かさを充分に確保したままで、共感力の優れた社会にするということです。
経済の状態を維持しつつ、かつての日本人が持っていた共感力を取り戻すことこそが、私たちに新しい幸せのかたちを教えてくれるのです。
新型コロナによって、これまでの生活スタイルを見直す機会が与えられた今こそ、江戸時代の生き方を見直すいい時期ではないでしょうか。
これからの時代は、オキシトシン原理で生きることが、私たちに幸福をもたらす唯一の方法だと考えます。
「脳科学者が教える「ストレスフリー」な脳の習慣 より」
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心の病との関連で関心を集めているストレスホルモンが「コルチゾール」です。
コルチゾールは、副腎から分泌されると、血液にのって体内を循環しながら、エネルギー源の補充などの重要な役割を果たします。
役割を終えると脳にたどり着いて、脳に吸収されます。
これが、正常なストレス反応の流れです。
ところが、主に「我慢するストレス」状態が長い期間にわたって続き、ストレスが積み重なっていくと、コルチゾールがとめどなく分泌され続けるようになってしまいます。
こうなると、状況が一変します。
コルチゾールが脳にあふれて、その一部をむしばんでいくのです。
まさに、ストレス反応が暴走して、ありふれたストレスが「キラーストレス」と化してしまうのです。
副腎が疲れている人に圧倒的な足りない栄養素は、ビタミンB群になります。
ビタミンB群は、抗ストレスホルモンを合成するときに必要な栄養素です。
そのため、ストレスが多く抗ストレスホルモンを大量に必要とする人などは、体内のビタミンB群が不足しがちになります。
その結果、抗ストレスホルモンが十分につくれなくなり、副腎がますます疲れてしまうのです。
ビタミンB12について?