「情けは人のためならず」の本当の意味
オキシトシン原理で生きていると、自分自身も楽しめるようになります。
というのも、共感やコミュニケーションというのは、他人のための行為ではなく、お互いの共同作業だからです。
そう確信したのは、知り合いからこんな話を聞いたからです。
その人のお父さんが会社勤めをしていたときは、まさにドーパミン原理一直線だったといいます。
家庭よりも会社、家族よりも仕事という価値観を持っていて、子どもともあまり遊ぶひまがなかったという、当時の典型的なサラリーマンでした。
ところが定年退職すると、そんなお父さんがボランティアをはじめたというので家族はびっくりしたそうです。
病院通いのお年寄りや体の不自由な人を、ガソリン代程度で送迎するというボランティアだとかで、タクシーが高価で使えない人や待つのが大変だという人に喜ばれているのだそうです。
そして、ここが大切なのですが、そうしたボランティアをすることで、お父さん自身が「幸せをもらっている」と話しているそうなのです。
人の役に立つという喜びが、何ものにも代えがたい幸福感をつくり出しているのでしょう。
「情けは人のためならず」ということばがあります。
相手に情けをかけるのは相手のためにしている行為に見えるのですが、本当は自分のためになるのだという意味です。
このお父さんのボランティアの話は、まさにそれに当てはまります。
そして、これこそがオキシトシン原理によってもたらされる、共感のすばらしさなのです。
お金を儲けるためにやるのではなく、ほかの人のためになることをしようと思っているうちに、自分自身にも見返りがくるわけです。
「もっといい家に住みたい」「もっとお金が欲しい」というドーパミン原理からオキシトシン原理にシフトしていけば、共感という人生の喜びを経験できるのです。
「脳科学者が教える「ストレスフリー」な脳の習慣 より」
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心の病との関連で関心を集めているストレスホルモンが「コルチゾール」です。
コルチゾールは、副腎から分泌されると、血液にのって体内を循環しながら、エネルギー源の補充などの重要な役割を果たします。
役割を終えると脳にたどり着いて、脳に吸収されます。
これが、正常なストレス反応の流れです。
ところが、主に「我慢するストレス」状態が長い期間にわたって続き、ストレスが積み重なっていくと、コルチゾールがとめどなく分泌され続けるようになってしまいます。
こうなると、状況が一変します。
コルチゾールが脳にあふれて、その一部をむしばんでいくのです。
まさに、ストレス反応が暴走して、ありふれたストレスが「キラーストレス」と化してしまうのです。
副腎が疲れている人に圧倒的な足りない栄養素は、ビタミンB群になります。
ビタミンB群は、抗ストレスホルモンを合成するときに必要な栄養素です。
そのため、ストレスが多く抗ストレスホルモンを大量に必要とする人などは、体内のビタミンB群が不足しがちになります。
その結果、抗ストレスホルモンが十分につくれなくなり、副腎がますます疲れてしまうのです。
ビタミンB12について?