脳のしくみを味方につける1日の過ごし方
脳のしくみを味方につける1日の過ごし方
デジタルとアナログの「ハイブリット生活」について、もう少し具体的に説明しましょう。
朝はリモートワークで通勤時間が減った分だけ早起きして、朝日を浴びながら体を動かす習慣をつけます。
これだけでもセロトニン神経が活性化されます。
晴れている日は、できれば、朝30分、昼30分、午後30分というように、1日に1時間半くらいは太陽にあたってください。
セロトニンが出ることで気分が爽快になり、適度に交感神経が活性化して仕事がはかどりますし、メラトニンの原料にもなるからです。
朝一番から夕方までは、デジタル機器に向かってしっかり仕事をして大丈夫です。
セロトニン神経自体は、デジタル機器を使ったからといって弱ることはありません。
夕方になったら、オキシトシンが出る生活を意識しましょう。
1日中仕事をしていればセロトニン神経は弱まってしまい、イライラして怒りっぽくなっているかもしれないからです。
たとえば、ペットのグルーミングをしたり、軽いマッサージを受けたり、誰かとおしゃべりしたりするのです。
仕事後にちょっと一杯行くのもいいでしょう。
そうした行動がオキシトシンを分泌させることで、ストレス中枢を鎮めると同時に、セロトニン神経を再び元気にしてくれます。
そして、夕食が終わったら寝るまで、極力デジタル危機を使わないことです。
これこそが、たとえひきこもり生活が続いても、病まないための一番の心構えです。
デジタルはいけないといっても、田舎にいる親とビデオ通話をするといったことはグルーミングの一種ですから例外です。
要は仕事のメールや友人とのチャットのような、デジタル機器での文字情報のやりとりをしないということです。
スマホやパソコンなどの液晶ディスプレイから発せられるブルーライトが目に入ることで、メラトニンの合成がストップするというデメリットもあります。
いずれにしても、大脳を使いすぎることなく、ベッドに入るまでのんびり過ごしましょう。
このように、朝はセロトニン生活、たそがれ時はオキシトシン生活、夕食から寝るまでの間はメラトニンがしっかり分泌される生活を送ることが、ウィズコロナ時代に「ストレスフリーな脳」をつくる秘訣だと考えています。
「脳科学者が教える「ストレスフリー」な脳の習慣 より」
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私たちの脳の中で司令塔のような役割をしているセロトニン神経という神経細胞が弱ってきており、軽い不調からうつ病、パニック症候群、さまざまな依存症などを引き起こす原因になっています。
この現象は大人から子どもまで老若男女に広がっています。
セロトニン神経は、日を浴びることや意識した呼吸、簡単な運動をすることなど日常生活に少し工夫を加えることによって鍛えることができます。
からだが疲れやすいのは、エネルギー不足のこともあり、からだにたまった老廃物がうまく代謝されないためでもあります。
ビタミンB群は、エネルギーの供給や老廃物の代謝にはたらいています。
いわば元気の素です。
脳を酷使するときにも、たくさんのビタミンB群が消費されています。
B群は脳の働きに重要な役割を担っているのです。
糖質を分解するB1が不足すると、脳のエネルギーが不足し、とたんに頭が回らない状態になります。
また、脳の神経伝達物質の合成すべての段階に関わっています。
神経の働きを整えたり、傷んだ神経を補修したり、タンパク質をドーパミンやセロトニンといった神経伝達物質に作り替えるなど、「脳力向上」のためにもB群は欠かすことができないのです。
ビタミンB12について?