第1章 好きな本を読んで脳の血流をアップ

第1章 好きな本を読んで脳の血流をアップ

 

私自身が実践している「頭の体操」は、なんといっても読書です。

パズルやクイズはどうも好きになれませんが、読書は子どもの頃から大好きなのです。

 

この先に何が書いてあるのかとワクワクしながら本のページをめくり、内容を理解しようとしているうちに、脳はフル回転して血流が増えてきます

 

いまも毎日、読書を欠かしません。

 

読書のジャンルは職業柄、医学書が多いです。

医学の世界は日進月歩ですから、勉強しておかないと、現役医師としてとり残されてしまいます。

専門性の高いものは読むのに骨が折れますから、入門書的なものを選んで読むようにしています。

 

とくに読書をする時間を決めているわけではなく、日常のすき間時間も、読書タイムとなっています。

1回に5分、10分程度のことが多いです。

それを1日に何回か繰り返していると、日々トータルで1時間ほどの読書をしている計算になるでしょうか。

 

 

91歳にもなると若い頃に比べて、どうしても記憶力は落ちますから、最近は一度読んだくらいでは本の内容が頭に入ってこなくなりました。

 

ですから、記憶を定着させるために、大切なところに付箋を貼ったり、蛍光マーカーで線を引いたりしながら、同じ本を何回か繰り返し読むことが多くなりました。

誰かと速読の競争をしているわけではありませんから、本はじっくり時間をかけて何回読んでも構わないと思っています。

 

 

脳トレのために読むのは、漫画でも、スポーツ新聞でも、趣味の雑誌でも、自分が興味のあるものなら、なんでもいいと思います

 

 

近所にある公共図書館を利用するのもいいでしょう。

幅広いジャンルの本がそろっていますし、新聞だって雑誌だって閲覧できますから、誰でも気軽に読書ができるはずです。

 

図書館まで歩いていけば、それ自体も下半身を動かすことによる脳の血流促進になります。

 

電子書籍でも脳の血流を増やす作用は変わりません。

電子書籍スマホタブレットなどでも読めるので、紙の本よりさらに手軽に感じる人もいるでしょう。

昔は本の虫だったのに、久しぶりに読書と向き合おうと思ったら、読みたい本がなくなっていた……。

そんな人は要注意です。

 

趣味や関心が失われてしまうのは、認知機能が衰えてきたサインかもしれないのです。

 

※ポイント 本・漫画・新聞・雑誌などを読むことで「頭の体操」をしましょう

「一生ボケない習慣 より」

 

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物忘れとは、脳は、体の機能全般をコントロールしている司令塔ですが、加齢とともにその働きは衰え物忘れの症状が出てきます。

脳血管の動脈硬化を放っておくと、血液循環が悪くなって脳細胞の動きが低下し、記憶力や思考力などが鈍り物忘れがはじまります。

40歳を越えた頃から「ど忘れや物忘れが激しくなった」「人の名前がなかなか思い出せなくなった」などと物忘れを感じるようになるのは、脳機能低下のあらわれです。

脳の神経細胞は約140億個といわれ、25歳を過ぎると1日に10~20万個ずつ死滅していきます。

死滅した神経細胞は再生されず物忘れもひどくなります。

しかし、死滅した神経細胞は元に戻らなくとも、神経の通り、すなわちネットワークをよくすれば、低下した機能を補い、さらには高めることができ物忘れも改善されます。

 

物忘れに関する神経伝達物質の中で記憶と学習にかかわっているのはアセチルコリンで、このアセチルコリンはコリンと酵素を原料にしてつくられています。

アセチルコリンの合成にはコリン、ビタミンB1、ビタミンB12などがかかわっています。

同時にこれらの栄養をとることが、アセチルコリンを増やすことにつながるわけです。

通常、コリンはレシチン(フォスファチジルコリン)のかたちで、食材から摂取されます。

レシチンアセチルコリンの材料になるだけではなく、細胞膜の材料にもなっています。

とくに脳の神経細胞の細胞膜にはたくさん含まれていて、多彩な働きをしています。

血液にのって運ばれる栄養の細胞内へのとり込みや細胞内の老廃物の排出、神経伝達物質の放出や情報ネットワークの形成といった、脳の機能全体に深くかかわっています。

これが、レシチンが「脳の栄養素」と呼ばれるゆえんです。

そのレシチンを多く含んでいる食品の代表が卵黄です。

 

なお、レシチンアセチルコリンに合成するには、ビタミンB群が欠かせないため、同時にとることが望ましいのです。

アルツハイマー認知症の患者の脳脊髄中にはビタミンB12が少ないことが確認されています。

ビタミンB12は、主に動物性食品にしか含まれないというビタミンなので、野菜中心の食生活の人や、ダイエットをしているなど食事の量が少ない人は、ビタミンB12を補った方が良いとされています。

加齢、胃の病気、ストレスなどでも不足します。

さらに、ビタミンB12や葉酸をはじめとするビタミンB群は、ミネラル、アミノ酸などの栄養素と協力し合っているため一緒にバランスよく摂ることがとても重要なのです。

 

ビタミンB12について?

https://www.endokoro.com/