第5章 欧米では当たり前の「マネー・フォー・バリュー」

第5章 欧米では当たり前の「マネー・フォー・バリュー」

 

男性ホルモンの分泌量を増やし、ヨボヨボ脳になるのを防ぐという方法もあります。

それほど手のかかることではありません。

 

一定のタンパク質を摂取するために肉類を1日のメニューに欠かさず、ウォーキングを毎日の習慣にする――。

これだけでいいのです。

 

しかし、「いうは易し」のたとえ通り、きちんとルーティン化できない人がいるかもしれません。

他人事のように、「まあいいか」とタカをくくっている高齢者は、知らず知らずのうちにヨボヨボ脳の兆候が表れはじめているかもしれません

 

日常的な対策が苦手な高齢者には、別の有効な方法があります。

 

それは「性ホルモン」の注入です。

医学的にいえば「ホルモン補充療法」といいますが、一般的には女性の更年期障害の治療として、エストロゲンや黄体ホルモンなどが使用されています。

 

女性に比べて、男性ホルモン補充療法の数は少ないのですが、男性の更年期障害が増えている昨今では、もっと広く利用されるべき治療法だと考えています。

 

もしかすると、ホルモン補充療法、という言葉に違和感を覚える人が少なくないかもしれません。

ホルモンを注入するという行為が、まだまだ広く知られてはいない状況ですから、無理からぬことではあります。

 

事実、現在はまだこの治療法を受ける人は少ないのですが、その効果については「太鼓判」を押したくなるほど高く評価しています。

 

 

中高年の健康障害とホルモン補充療法

 

ホルモンに関していえば、これは男性にかぎった話ではなく、女性にも性ホルモンの減少によってさまざまな健康障害が起きます。

 

平たくいえば、男女ともにいわば“中性化”する弊害が出るのですが、その代表が、女性の更年期障害です。

 

更年期障害においては、抑うつ症状をはじめ、倦怠感、疲労感、動悸、めまい、肩こり、関節痛など非常に多くの症状が出ます。

 

欧米では検査によって性ホルモンの減少が確認されると、ホルモン補充療法を受けるのが一般的です

しかし日本では、現在のところ、とくに男性のホルモン補充療法が広く浸透していないというのが実情です

 

そのひとつの大きな理由として、副作用への懸念があげられます。

 

実際問題として、男性ホルモンの補充によって、前立腺肥大や前立腺がんへの影響が生じるのではないかという指摘があります。

 

しかし、それは前立腺がんの腫瘍マーカーの検査の値が高い人であって、それ以外の人に関しては、医師の診断を受けた上でホルモン補充療法を受けることに大きな問題はありません。

 

もうひとつ、ホルモン補充療法を受けるうえで、ネックとなるのは費用の問題です。

 

この療法は「男性更年期障害」などと診断されれば、健康保険が適用されますが、それ以外は自費診療になってしまいます。

治療費はある程度の金額に達します。

 

決して安い出費ではありませんが、これで心身ともに元気になり、ヨボヨボ脳を予防できるのですから、「マネー・フォー・バリュー」、出費するに見合う価値は十分にあると考えています。

 

男性の場合は、信頼できる病院のメンタルヘルス科の診察を受けて、相談してみてはいかがでしょうか。

「いつまでもハツラツ脳の人 より」

 

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人の体の老化は20代ごろから始まります。

老化は生きている以上避けられないものですが、何をどう食べるかで進行程度が変わってきます。

30代では個人差はさほどありませんが、40歳を過ぎて中年期に入るころからだんだん差が生じ、65歳を過ぎて高年期に入ると、健康状態にはっきりとした差が出ます。

健康寿命をのばす食生活に加えて、年代別の食べ物・食べ方に気をつけると、病気予防がいっそうアップします。

動脈硬化は年齢とともに発症しやすくなり、50代になるとほとんどの人(女性は60代から)に動脈硬化が見られるようになります。

 

認知症の多くは、脳血管障害の積み重ねで起こり、その原因のほとんどが脳梗塞です。

ですから、脳梗塞の前兆である隠れ脳梗塞を早期発見することで多くの認知症を防ぐことができるのです。

脳梗塞は、高血圧や糖尿病などの病気が原因となったり、生活習慣などによって血液がドロドロになって血液循環が悪くなったりして、血管が厚く狭くなり、脳の血管が徐々に詰まって進行していきます。

一般的に、脳梗塞の初期には、大きさ数ミリ程度の微小な梗塞が数個出現し、段階をへるごとにこの梗塞が脳のあちこちに見られます。

このような症状のないごく小さな梗塞が隠れ脳梗塞(無症候性脳梗塞)です。

「隠れ脳梗塞(無症候性脳梗塞)は、早い人だと30代からあらわれ、40代を過ぎると急に増加するといわれています。

脳梗塞をはじめとする脳血管障害を生活習慣病の一つととらえ、ふだんから健康に保つ生活を心がけましょう。

ビタミンB12やB6、葉酸の吸収が悪くなると、活性酸素やホモシステインという老化物質が増え、動脈硬化を生じることもわかっています。

 

ビタミンB群は、体に入った栄養成分をエネルギーに変えるときに不可欠なビタミンの仲間です。

また、脳の神経伝達物質の合成すべての段階に関わっています。

神経の働きを整えたり、傷んだ神経を補修したり、タンパク質をドーパミンセロトニンといった神経伝達物質に作り替えるなど、「脳力向上」のためにもB群は欠かすことができないのです。

 

ビタミンB12について?

https://www.endokoro.com/