第6章 「増やす時代」と「減らす時代」。両方があることを認識する
世代によって体の状態は変わっていきますし、意識や考え方も変わってきます。
大きく分けると、20代、30代は「増やす時代」だと捉えています。
さまざまな経験をして、いろいろなことができるようになり、回り道をしながらでも、多くのものを自分に蓄えていく。
そんな時代です。
せっかくの「増やす時代」に「私はこれしかやりたくない」「この道一本で生きていくんだ」と道を狭めてしまうのはやはりもったいないこと。
「増やす時代」は当然無駄も多くなります。
しかし、無駄も含めて増やしていくのが20代、30代だと考えます。
40代になると「増やす」と「減らす」のバランスが取れてくる、ある種の転換期を迎えます。
40代のキーワードは「増やすと減らすのバランス」です。
そして50代、60代以降は紛れもなく「減らす時代」です。
誤解のないようにいっておきますが、新しいことを学んだり、チャレンジするのはどんな世代も必要です。
それをしなくなったら、それはもう余生です。
ただし、自分にとって本当に必要なものを吟味し、選び取っていく意味で50代、60代以降は「減らす時代」です。
50代を超えると、体力の衰えも感じるでしょうし、集中力や記憶力も低下します。
体の状態を考えれば、量より質で勝負する時期であることは明らかです。
だからこそ、自分の時間や労力を何に注ぐのか。
その吟味こそが「減らす時代」には求められます。
60代以降は、余分なものは本当に切り捨て、自分の時間を何に注ぐかをシビアに考えていく時期です。
「余計なことをしている暇がない時代」と言い換えてもいいでしょう。
とはいえ、人生はまだまだ続きますし、健康寿命もまだまだあります。
だからこそ、何を減らし、何を残すのか、その吟味が大事です。
「はじめる習慣 より」
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人の体の老化は20代ごろから始まります。
老化は生きている以上避けられないものですが、何をどう食べるかで進行程度が変わってきます。
30代では個人差はさほどありませんが、40歳を過ぎて中年期に入るころからだんだん差が生じ、65歳を過ぎて高年期に入ると、健康状態にはっきりとした差が出ます。
健康寿命をのばす食生活に加えて、年代別の食べ物・食べ方に気をつけると、病気予防がいっそうアップします。
動脈硬化は年齢とともに発症しやすくなり、50代になるとほとんどの人(女性は60代から)に動脈硬化が見られるようになります。
脳梗塞は、高血圧や糖尿病などの病気が原因となったり、生活習慣などによって血液がドロドロになって血液循環が悪くなったりして、血管が厚く狭くなり、脳の血管が徐々に詰まって進行していきます。
一般的に、脳梗塞の初期には、大きさ数ミリ程度の微小な梗塞が数個出現し、段階をへるごとにこの梗塞が脳のあちこちに見られます。
このような症状のないごく小さな梗塞が隠れ脳梗塞(無症候性脳梗塞)です。
「隠れ脳梗塞(無症候性脳梗塞)は、早い人だと30代からあらわれ、40代を過ぎると急に増加するといわれています。
脳梗塞をはじめとする脳血管障害を生活習慣病の一つととらえ、ふだんから健康に保つ生活を心がけましょう。
血管は「酸化」していくことで傷ついていきます。
たとえば、悪玉コレステロール(LDLコレステロール)が動脈硬化の原因になるということを聞いたことがあるかもしれません。
LDLコレステロール(以下LDL)が血管にへばりついて、プラークと呼ばれるこぶを血管の壁に形成していくのです。
ビタミンB12やB6、葉酸の吸収が悪くなると、ホモシステインという老化物質が増え、動脈硬化を生じることもわかっています。
ビタミンB12について?