第3章 まず20回、噛む
よく噛むと出てくる正義の味方―だ液の効用
早食いをやめるためのベストな方法は、よく噛むことです。
みなさんは何回くらい噛んでいますか。
本当は食べものを口に入れるたびに30回の咀嚼を推奨していますが、まずは20回からスタートしてください。
できるようになったら、30回に目標を上げてみてください。
よく噛むことによって、早食い防止以外にもいいことがあります。
まず、だ液がよく出ます。
だ液は、抗菌作用や自浄作用、嚥下を助ける効果があります。
また、味を感じることにも一役買っています。
食べものが持つ味覚成分を包み込み、舌の味蕾に届けるのです。
よく噛むことによって、食事をおいしく楽しむことができます。
また、だ液には消化作用もあります。
だ液をよく絡ませることによって、胃の負担が軽減されます。
認知症も防げる
このように噛むという単純な行為によって、たくさんのいいことがもたらされるのです。
東京都福祉保健局が出している資料によると、1回の食事における現代人の咀嚼回数は620回だそうです。
これが江戸時代では1465回、さらに遡って弥生時代は3990回だったといいます。
実に6倍以上です。
いかに現代人が噛まなくなっているか、わかりますね。
ちなみに、脳科学の世界では、咀嚼は脳にいい刺激を与えるともいわれており、認知症予防にもつながります。
よく噛むことは、いいことばかりです。
「血管が強くなる習慣 より」
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人の体の老化は20代ごろから始まります。
老化は生きている以上避けられないものですが、何をどう食べるかで進行程度が変わってきます。
30代では個人差はさほどありませんが、40歳を過ぎて中年期に入るころからだんだん差が生じ、65歳を過ぎて高年期に入ると、健康状態にはっきりとした差が出ます。
健康寿命をのばす食生活に加えて、年代別の食べ物・食べ方に気をつけると、病気予防がいっそうアップします。
動脈硬化は年齢とともに発症しやすくなり、50代になるとほとんどの人(女性は60代から)に動脈硬化が見られるようになります。
脳梗塞は、高血圧や糖尿病などの病気が原因となったり、生活習慣などによって血液がドロドロになって血液循環が悪くなったりして、血管が厚く狭くなり、脳の血管が徐々に詰まって進行していきます。
一般的に、脳梗塞の初期には、大きさ数ミリ程度の微小な梗塞が数個出現し、段階をへるごとにこの梗塞が脳のあちこちに見られます。
このような症状のないごく小さな梗塞が隠れ脳梗塞(無症候性脳梗塞)です。
「隠れ脳梗塞(無症候性脳梗塞)は、早い人だと30代からあらわれ、40代を過ぎると急に増加するといわれています。
脳梗塞をはじめとする脳血管障害を生活習慣病の一つととらえ、ふだんから健康に保つ生活を心がけましょう。
血管は「酸化」していくことで傷ついていきます。
たとえば、悪玉コレステロール(LDLコレステロール)が動脈硬化の原因になるということを聞いたことがあるかもしれません。
LDLコレステロール(以下LDL)が血管にへばりついて、プラークと呼ばれるこぶを血管の壁に形成していくのです。
ビタミンB12やB6、葉酸の吸収が悪くなると、活性酸素やホモシステインという老化物質が増え、動脈硬化を生じることもわかっています。
ビタミンB12について?