コレステロール値を意識する
心筋梗塞の患者さんは、必ずといってよいほど、LDL(悪玉)コレステロールの数値が高いです。
先日診察した心筋梗塞の患者さんのLDL(悪玉)コレステロールの値は136mmg/dl(以下単位省略)でした。
一見正常範囲ですが、実はコレステロールの基準値は人によって異なり、140とする場合と、120とする場合があります。
コレステロール以外に、危険因子がない場合は、140以下であれば、ほとんど問題になりません。
危険因子とは、年齢(男性45歳以上、女性55歳以上)に加えて、糖尿病、高血圧、喫煙、肥満やメタボリックシンドローム、慢性肺疾患(COPD)、抹消動脈疾患、大動脈瘤、慢性腎臓病などです。
その他にも透析や精神的・肉体的ストレスなどがあります。
これらの危険因子が重複している場合は120以下、心臓や血管に病気がある場合は最低でも100以下、場合によっては70~80以下を目標に管理します。
ただし、ここまで下げるには、ほぼ薬の内服が必要になります。
さらに、40歳以上の平均値は約100です。
LDL(悪玉)コレステロール80を超えると少しずつ心筋梗塞のリスクがあがり、140以上では80以下に比べて心筋梗塞が3倍以上も発生します。
ただ、LDL(悪玉)コレステロールの値は食事によって下げることができます。
・ナッツ類→LDL(悪玉)コレステロールを強力に下げる
・ダークチョコレートやココア→LDL(悪玉)コレステロールを下げ、HDL(善玉)コレステロールを上げる
・大豆食品→LDL(悪玉)コレステロールを下げる
・ココナッツオイル→HDL(善玉)コレステロールを上げる
心臓血管治療の専門家として、LDL(悪玉)コレステロール値の管理にこだわっています。
薬に頼らなければいけないこともあります。
しかし、LDL(悪玉)コレステロール値を下げれば、大きくなった血管プラークが小さくなるのです」
ちゃんとLDLコレステロールを管理した患者さんの場合は、まず再発しません。
きちんと管理していないと、治療しても再発したり、他の血管が狭くなってしまったりして、最悪の場合、心筋梗塞につながります。
実際、心筋梗塞の患者さんは本当に死ぬ思いをして病院にたどり着きます。
医者やスタッフも、「一歩間違うと患者さんが死んでしまう」というかけひきをして、恐怖にかられながら治療をしているのです。
「少しぐらいなら大丈夫だろう」と油断せずに、食生活を中心に改善するように心がけてください。
「『血流』をよくする 最高の習慣 より」
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人の体の老化は20代ごろから始まります。
老化は生きている以上避けられないものですが、生活習慣・食生活に少し気をつけるだけでも進行程度が変わってきます。
30代では個人差はさほどありませんが、40歳を過ぎて中年期に入るころからだんだん差が生じ、65歳を過ぎて高年期に入ると、健康状態にはっきりとした差が出ます。
健康寿命をのばす食生活に加えて、年代別の食べ物・食べ方に気をつけると、病気予防がいっそうアップします。
動脈硬化は年齢とともに発症しやすくなり、50代になるとほとんどの人(女性は60代から)に動脈硬化が見られるようになります。
脳梗塞は、高血圧や糖尿病などの病気が原因となったり、生活習慣などによって血液がドロドロになって血液循環が悪くなったりして、血管が厚く狭くなり、脳の血管が徐々に詰まって進行していきます。
一般的に、脳梗塞の初期には、大きさ数ミリ程度の微小な梗塞が数個出現し、段階をへるごとにこの梗塞が脳のあちこちに見られます。
このような症状のないごく小さな梗塞が隠れ脳梗塞(無症候性脳梗塞)です。
「隠れ脳梗塞(無症候性脳梗塞)は、早い人だと30代からあらわれ、40代を過ぎると急に増加するといわれています。
脳梗塞をはじめとする脳血管障害を生活習慣病の一つととらえ、ふだんから健康に保つ生活を心がけましょう。
ビタミンB12と葉酸、ビタミンB6の吸収が悪くなると動脈硬化の原因物質 (ホモシステイン・活性酸素)が増えるといわれています。
また、ビタミンB12は古くから、神経系の機能回復に効果があることが知られていましたが、最近の研究で、このビタミンB12の不足によって脳細胞の萎縮が進むことがわかってきました。
ビタミンB12は、脳の萎縮を食い止めるために重要な脳細胞のタンパクと核酸(DNA)の生合成を司っています。
新しい核酸、タンパク質が生まれ、それによって細胞も新しく生まれ変わり、「こわれた組織、細胞」と「新生の組織、細胞」が入れ替わります。
その結果若さにもつながると考えられます。
ビタミンB12について?
https://www.endokoro.com/libra/vitamin01.html
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