「がまんできる子供」と「がまんできない大人」の違い

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「がまんできる子供」と「がまんできない大人」の違い

子供は大人ほどがまん強くありません。
すぐに泣いたり怒ったり、感情がそのまま行動や言動に出てしまいます。
なぜ、子供は感情をコントロールすることが下手なのでしょう。
子供が自分の感情をなかなか抑えられないのは、前頭前野がまだ充分に発達していないからです。
前頭前野だけでなく、幼い子供の脳は、まだ充分には発達していません。

生まれたばかりの赤ちゃんは、寝返りすら打てません。
でも、成長とともに首が座り、寝返りが打てるようになり、やがてハイハイをして、立って歩くようになります。
これはそうした運動に関する脳の部分(大脳や小脳など)が発達していっていることを意味しています。

言葉も最初は何を言っているのかわかりませんが、次第に意味をなすようになり、3歳ぐらいになるとビックリするぐらいきちんと話すようになります。
これも、言語脳がものすごい勢いで成長していくからです。

がまんの心も同じです。
赤ちゃんは感情むき出しですが、成長するに従って、お母さんや周りの人から「ちょっとがまんしてね」「もう赤ちゃんじゃないんだから、こういう場所では静かにしているのよ」と、社会生活をするうえで必要な「がまん」を教えられることで「がまんの心」を育てていきます。

このとき、とても大切なもう一つの能力、「表情などから相手の心を読む能力」が、さらに磨かれます。

たとえば、子供同士でオモチャの取り合いになったとしましょう。
1歳ぐらいの小さな子供は、相手が泣いていようが怒っていようがおかまいなしで、自分の感情を優先させます。

でも、がまんの心が育つと、相手が泣き出すと「じゃあ、いいよ」と相手にオモチャを譲ることができるようになります。
これは、自分の「オモチャが欲しい」という感情を理性で抑えているのですが、そうするのは、相手が悲しんでいるということを理解している、つまり相手の感情を読みとることができているからです。

相手の気持ちがわからなければ、自分の感情を抑えることはできません。
がまんの心もまた、相手の心を読み取る前頭前野の発達と同時に成長するということです。

さて、こんな実験データがあります。
それは、小学校でいじめを頻繁に行う子供と、いじめをしない子供の両方に、同じ人物の写真を見せて、その写真の人物の表情から、その人がどんな感情を抱いているか読みとってもらうという実験です。

結果ははっきりとした違いになって表れました。
いじめをする子供は、表情からその人の感情を読みとることが、圧倒的に下手なのです。
怒っている顔が無表情に見えたり、笑っている顔が相手をバカにしている顔に見えたりしてしまうのです。

いじめをする子供に、「どうして相手が嫌がっているのにやめないの?」と聞くと、「嫌がっているとは思わなかった」と答えることがよくありますが、それは本当だったのです。

「そんなの自分の罪を隠すためのウソじゃないの?」と思った方もいるでしょう。

もちろん、相手が嫌がっているとわかっていていじめをする子供も中には存在します。
でも多くのいじめっ子は、相手の表情が読み取れないことから来る「誤解」でいじめてしまっているのです。
そして、その表情から心を読み取る能力が低いということは、同時に自分の感情をコントロールする能力も低いということになります。
だから、なかなかいじめがなくならないのです。

でも、そういう子供は、単に前頭前野の発達が何らかの理由で遅れてしまっているだけなので、前頭前野を鍛えれば、自然と「がまんの心」も「相手の表情から感情を読みとる能力」も身につきます。

子供が感情に負けてしまうのは、前頭前野が未発達だからです。

では、大人の場合はどうでしょう。

私たちはときどき、子供のように感情を爆発させる大人に出会います。
そうした大人も前頭前野が未発達なのでしょうか。
結論から言うと、答えは「NO」です。

大人が感情をコントロールできないのは、子供の場合とは原因が違います。
大人の場合、多くは疲労やアルコールの摂取など何らかの要因によって、前頭前野の働きが弱っていることが原因です。

朝よりも夜の方が電車でキレる人が多いのは、夜の方がストレスが蓄積され、精神的にストレスを受け流す「セロトニン神経」が弱っているからですが、同時に夜はお酒を飲んでいる人が多いことも、キレる人が増える原因の一つとなっているのです。

普段ならがまんできることが、お酒を飲んでいたためにがまんできず、ついつい言い争いやケンカになってしまったということは、お酒を飲む人なら誰でも経験していることだと思います。
あのコントロールの効かなさ、それこそが前頭前野の働きが弱った状態なのです。

このように大人と子供では、「感情をコントロールできない」という現象は同じでも、原因は違うのです。
「脳からストレスを消す技術 より」

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脳には無数の神経細胞があり、その神経細胞の末端からセロトニンアセチルコリンドーパミンなどの神経伝達物質を放出しています。
それらによって次の細胞に情報を伝えていき、それが網の目のようにいっせいに行われることで、情報が瞬時に伝わり、手や足などの末端まで伝達されていきます。
しかし、その伝達情報がうまくいかないと、脳が興奮して抑制が効かなくなり、イライラしたり、落ち着かなくなったりします。

イライラしやすいときは、脳の神経伝達物質であるセロトニンアセチルコリンドーパミンなどが不足していることが考えられます。
そのため、これらの材料となるアミノ酸と、アミノ酸を取り込むために必要な糖分やビタミンB12の不足を疑ってみましょう。
また、脳の唯一のエネルギー源であるブドウ糖が足りなかったり、神経伝達物質を放出するときに働くカルシウムが不足したりしているのも原因のひとつと考えられます。

それらの成分が不足する背景には、朝食を抜くといった欠食や、栄養のバランスの悪さなどが考えられます。
忙しいからと食事をぬいていないか、好きなものばかり食べて偏食をしていないかなど、自分の日頃の食生活をふり返り、食事リズムと栄養バランスを改善していくことが大事です。

ビタミンB12は、脳からの指令を伝達する神経を、正常に働かせるために必要な栄養素です。
十分にあると、集中力ややる気が高まり、不足すると、神経過敏などの症状が起こりやすくなります。

ビタミンB12は大量かつ配合によって効果的に働きます。
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子供たちの集中力・学力向上、受験にビタミンB12
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