エリクソンの実験――脳細胞は分裂するか?

イメージ 1
エリクソンの実験――脳細胞は分裂するか?
 
今から数年前、カリフォルニアにあるソーク研究所に、スウェーデンからエリクソンという研究者が留学してきました。
ソーク研究所というところは、小児麻痺の生ワクチンを開発したことで有名なソーク博士が、特許料などでつくった研究所です。
現在では、脳の研究では、世界有数の研究所として知られています。
 
さて、エリクソン博士は、友人が、別の研究所(ガン研究所)に留学にきていると聞いて、ある日、遊びにきました。
彼は友人がどのような研究をしているのか、興味があったので尋ねました。
するとこの友人は、こういいました。
「ボクは、ガン細胞がどこにあるのかを知る方法を開発しているんだ」
 
その方法というのは、遺伝子に含まれる物質に発色物質をくっつけて、それを調べるやり方を応用するというのです。
 
細胞が分裂する際には、細胞の中に含まれるすべてのパーツがコピーされるので二つになります。
当然、細胞の中の遺伝子も二つになります。
 
この時、当然のことながら、新しく遺伝子をつくるための原料が必要になります。
その原料というのは、DNAを構成する物質・塩基です。
アデニン(A)、グアニン(G)、チミン(T)、シトシン(C)などで有名です。
 
この有名な四つの塩基の他に、遺伝子を構成する物質に「ウリジン」という物質があります。
エリクソンの友人は、その開発において、このウリジンを少し変化させたBrDU(ブロモデオキシウリジン)という物質を、DNAの中に取り込ませる研究をしているのでした。
 
しかし、BrDUがちゃんとDNAの中に入ったかどうかを「見る」ことはできません。
それでBrDUを発色させるというのです。
 
つまり、細胞が分裂してDNAが二つにふえるときに、そこにBrDUが入っていくとしたら、この分裂してできた細胞は発色する……という仕組みになっているのです。
 
この方法を使えば、分裂してふえている細胞の場所がわかります。
BrDUは分裂する細胞の中のみに入るからです。
分裂して新しくできたDNAの一部に入るのです。
したがって、このBrDUが入っていることがわかれば、その細胞は分裂したことがわかるのです。
 
この発想が、エリクソンを導きました。
 
「今まで、医学の世界では、脳細胞は決して分裂しないといわれてきた。おそらくそうだろうと、思う。でも、それが真実かどうか、確認したい。そして、末期の患者さんにこれを注射してもらい、もし、亡くなられたら、脳を調べさせていただけないかと。」
 
患者さんたちは、この頼みを受け入れました。
そうしてBrDUが、57歳から72歳までの末期ガンの患者さんに注射されたのでした。
そうして、その後でなくなった患者さんの脳が調べられました。
 
驚くことに、72歳の患者さんの脳内に、分裂する細胞が見つかったのです。
しかも海馬という記憶に関係する場所の細胞が、もっとも分裂していたというのです。
エリクソンは驚きました。
そしてこれは大発見でした。
 
しかし、どのようにして、あのような長い手のよう突起をもつ細胞が分裂するのでしょうか?
細胞自体はコピーされて二つになりますが、突起やシナプスは二つに分裂しようがないからです。
この問題は、エリクソンを悩ませました。
 
じつは、このように突起のあるような成熟した神経細胞は、分裂しないのです。
ところが脳内には、正確にはすべての臓器には、「幹細胞」という未分化の細胞があって、これが分裂するのです。
 
もっとも未発達な幹細胞は「受精卵」のなかにあります。
ES細胞です。
これはどのような細胞にもなれる「万能細胞」です。
人間でさえつくることができるものです。
 
一方、ここからすこしだけ分化して、身体のある特定の場所の細胞だけになる「幹細胞」もあります。
これは、身体のあらゆる場所に存在して、時期がくれば、やがてそれぞれの組織や臓器へと分化していきます。
脳の神経細胞のあるところにあるのなら、それは「神経芽細胞」という一歩進んだ段階の細胞になります。
 
余談ですが、幹細胞は丸い形をしているので、容易に分裂できるのです。
「病気にならない血液と脳をつくる より」
 
*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*
 
かつて脳細胞は減少するだけで増殖することが無いといわれていましたが、ビタミンB12によって脳細胞や脳神経の再生・修復が行なわれることが報告されています。
 
ビタミンB12は、「脳のビタミン」「神経のビタミン」と呼ばれ、脳神経の働きに深くかかわることが知られています。
最近では、大量のビタミンB12を摂取することで脳血管や脳神経の再生・修復にたいへん効果的なことがわかってきました。
ちなみに、ビタミンB12を大量に摂っても、副作用などはないことが確認されています。
それどころか、大量のビタミンB12を摂ることで、人体へのさまざまな効用が得られます。
また、効果的に作用するには、ビタミンB12単体ではなく他の成分と一緒に摂取することが望ましいのです。
 
ビタミンB12には、脳の血流をよくするとともに、脳神経の働きを改善あるいは促進する作用があります。
同時に、動脈硬化の原因となるホモシステイン活性酸素(ふえすぎると体に害を及ぼす非常に不安定な酸素)を除去する働きも持っています。
 
京都大学医学部の亀山正邦教授は、健康な老人の脳と比較して、老人性認知症患者の脳では、含まれるビタミンB1246分の1に低下していたと報告しています。
老人性認知症とビタミンB12との深い関係を示唆する研究結果といえます。
 
超高齢社会を目前にしたいま、元気でイキイキと年を重ねるために、ビタミンB12に注目していただきたいと思います。
 
<ビタミンB12の働き>
・新しい細胞を作り、壊れた細胞を修復する働き。
・神経の壊れた部分を修復する働き。
・伝達物質を作る働き。
・免疫を正常にする働き。
・脳の詰まったところをかき出す働き。
・血流をよくする働き。
このような様々なはたらきがあります。
また、ビタミンB12は大量かつ配合によって効果的に働きます。
 
ビタミンB12は、水溶性(水に溶ける)ですが、脂肪成分となじみやすい構造をもっています。
脳は、たんぱく質とともに脂肪成分を多く含む器官です。
そのため、ビタミンB12はたやすく脳に入り、脂肪成分による汚れで詰まった部分を洗い出すことにより、元どおりの健全なものに復元し、また、切れた部分があればつなげて、修復作用を発揮します。
 
ビタミンB12の老化防止効果
ビタミンB12の効果・効能
子供たちの集中力・学力向上、受験にビタミンB12