介護する側は、相手の自尊心を尊重することを忘れるな

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介護する側は、相手の自尊心を尊重することを忘れるな
 
ものを覚えられない、すべて忘れてしまうからといって、人間としての尊厳が失われてしまっているかといえば、そうではないのです。
 
たとえば、下の世話をされれば、恥ずかしいという気持ちが強いのです。
それは赤ん坊とは違います。
ですから、たとえボケていても、時に嫌がって抵抗したりするのです。
 
介護する側からすれば、粗相をしてそれを取り替えてあげようとしているのに、抵抗すれば、なぜ抵抗するのかと思うかもしれません。
「また、やってしまって、仕方ないわね」などと怒れば、なぜ怒られているかがわからなくても、相手が怒っていることはわかるのです。
すぐに忘れてしまうのですから、なぜ怒られているのかがわからないのです。
「この人は、何をしても、何を言ってもわからない」と思えば、ただやらなければいけないことをするという義務感しか抱けないかもしれません。
 
こちらの感情をくみとる力があるのだと思って、きちんと説明して、笑顔を心がけるべきなのです。
どう接したらいいかといえば、ごく普通の人間としてのコミュニケーションが必要なのです。
 
たしかに、進行していけば、だんだんと、話してもきちんと意味はとれなくなるかもしれません。
しかし、一定のレベルまでは、相手の人間性を尊重して接することで、相手にも通じるのです。
世話する人の気持ちが十分に通じれば、相手も安心します。
それが進行を遅らせることにも結びつくのです。
 
怒ってばかりいたのでは、相手はどんどん萎縮して、心を閉ざしてしまいます。
「遠くに出ていっちゃダメじゃないの」などと言っても、その意味が通じないのです。
それていながら、相手が怒っているということは敏感に感じているのです。
いつもそんなふうに怒られてばかりいたら、「この人はいつも自分のことを怒っている」としか受け取れないのです。
 
介護する側からしたら、「また、ふらふらと行ってしまった、危ない」「また汚した」などと、注意したくなるでしょう。
注意しているつもりでも、激しい言い方をすれば、相手からは怒っているように受け取れるのです。
また、実際、世話をすることに疲れてイライラして大声で言いたくなることもあると思います。
 
子どもであれば、時に叱ることで、いい方向に修正されるのですが、子どもと同じように粗相をしても、認知症の場合には叱っても直りません。
いくら子ども帰りしているように見えても、自尊心はあるのです。
人間としての尊厳の部分は失われてはいません。
自分がおむつをつけていることを恥ずかしく思う気持ちは残っていると考えたほうがいいのです。
相手の自尊心を尊重することを介護する側は忘れてはいけないと思います。
 
世話する側が穏やかな態度で接すれば、アルツハイマーの老人も、穏やかな表情になり、それほど心が乱れた状態にはならないと思います。
記憶障害が進行しても、心に対する配慮が大切なのです。
 
認知症の患者の感情を尊重することで、その進行を遅らせることも可能だと思います。
いまのところ、記憶を回復するのは無理ですが、介護する側が患者の感情を十分に配慮して対応すれば、症状の進行は多少遅れますし、徐々に進行しても、患者さんも幸せなのではないでしょうか。
介護する側の態度ひとつで患者が変わるのです。
「心も脳も元気になるストレス整理術! より」
 
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脳の萎縮を防止するには、脳細胞の蛋白合成、核酸合成が順調に行われることが好ましいのです。
ビタミンB12は、蛋白合成と核酸合成の両方に役立っていることがわかっています。
さらに興味深いことは、健康な老人の脳に比較して、老人性認知症患者の脳では、含まれるビタミンB12が、半分どころか、1/41/6程度にまで、低下しているということが明らかにされていることです。
 
ニューロン同士が情報伝達を行うこと、つまり神経機能的連絡を行うためには、新経路の交差点ともいうべきものが必要であり、この交差点をシナプスと言います。
このシナプスは、年をとっても増加し、より成熟した結合が進行するとされています。
シナプスが豊富できちんと機能している場合、脳や神経の働きはよくなります。
ところが、年齢とともに、あるいは認知症などの病気によって、シナプスは次々にこわれていきます。
ビタミンB12には、そのこわれたシナプスを修復する作用があるのです。
 
◆ビタミンB12の働き◆
・新しい細胞を作り、壊れた細胞を修復する働き。
・神経の壊れた部分を修復する働き。
・伝達物質をつくる働き。
・免疫を正常にする働き。
・脳の詰まったところをかき出す働き。
・血流を良くする働き。
ビタミンB12は大量かつ配合によって効果的に働きます。
日常の生活習慣や生活環境を改善するとともに栄養面を改善することが大切です。
 
ビタミンB12について