大きな動脈にできた血栓がはがれるアテローム血栓性梗塞

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大きな動脈にできた血栓がはがれるアテローム血栓性梗塞
 
動脈硬化が起こる過程で柔らかいプラークが形成されます。
この、中にたまった柔らかいかゆ状のプラークはアテローム(粥腫)とも呼ばれ、アテローム血栓性梗塞の元凶です。
 
アテローム血栓性梗塞の原因となる動脈硬化は、おもに頚動脈などの太い血管に起こります。
柔らかく不安定なプラークが破れると、血小板が集まって血を固まらせます。
そのかさぶた(血栓)がはがれ、血液に乗って、さらにその先にある脳へと流れていきます。
 
首には4本の太い頚動脈があり、常に大量の血液を脳に運んでいます。
首筋に指を当てるとドク、ドクと力強い脈動を感じるはずです。
 
この頚動脈にできた血栓が血流とともに猛スピードで流れていく状況を想像してみてください。
体全体を巡るのにわずか1分。
首から脳までは瞬時に届いてしまいます。
「流れる」というより「飛ぶ」と表現したほうが適切かもしれません。
 
脳に飛んだ血栓は、複雑に張り巡らされた脳の血管をすり抜けようとしますが、運悪く引っかかることがあります。
これがアテローム血栓性梗塞です。
しかし、多くの場合、強い血流に溶かされてすぐに虚血状態(血流の滞り)は解除されます。
これがいわゆるTIA(一過性脳虚血発作)、隠れ脳梗塞です。
 
また、脳の血管にできたプラークが大きくなり、血管内腔(血液の通り道)を狭くして虚血状態を引き起こすこともあります。
この場合は、徐々に血管が詰まるため、症状も段階的に出ることがあります。
 
アテローム血栓性梗塞になると、運動麻痺や感覚障害のほか、失語、左右の区別やものの認識ができなくなる失認、手足の動かし方が分からなくなるなどが起こります。
アテローム血栓性梗塞は、近年、とても増えています。
「隠れ脳梗塞は自分で治す より」
 
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認知症の多くは、脳血管障害の積み重ねで起こり、その原因のほとんどが脳梗塞です。
ですから、脳梗塞の前兆である隠れ脳梗塞を早期発見することで多くの認知症を防ぐことができるのです。
 
隠れ脳梗塞(無症候性脳梗塞)は、早い人だと30代からあらわれ、40代を過ぎると急に増加するといわれています。

 脳梗塞は、高血圧や糖尿病などの病気が原因となったり、生活習慣などによって血液がドロドロになって血液循環が悪くなったりして、血管が厚く狭くなり、脳の血管が徐々に詰まって進行していきます。

 一般的に、脳梗塞の初期には、大きさ数ミリ程度の微小な梗塞が数個出現し、段階をへるごとにこの梗塞が脳のあちこちに見られます。
このような症状のないごく小さな梗塞が隠れ脳梗塞(無症候性脳梗塞)です。

脳梗塞をはじめとする脳血管障害を生活習慣病の一つととらえ、ふだんから脳の血管を健康に保つ生活を心がけ、脳梗塞を予防し、脳の健康を守ることが大切です。
 
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