ふるえは隠れ脳梗塞の重大なサイン

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ふるえは隠れ脳梗塞の重大なサイン

ある運動がカムーズに正確に行えなくなる状態を「運動失調」といいますが、この場合、大脳と大脳基底核が関係します。
とくに、視床はある運動がスムーズに行われているかどうかを見極める働きをしており、大脳基底核では姿勢を一定に保ったり、運動の大まかな調整をしたりしています。
 
したがって、大脳が行っている思考とは別に、それ以前の情報の収集と選択、必要な情報の先鋭化(=集中力)が運動の機能にも影響してくるのです。大脳基底核視床は、そうした形で私たちのよりよい行動をコントロールしているのです。
 
目と集中力が関係している行動の顕著な例が、野菜や果物の皮むきや、書道家の筆さばき、芸術的細工などの細かいプロの手作業です。
こうした行動は、微調整機能とともに、意識の集中と訓練による慣れとがもたらすもので、大脳皮質を駆使した高度な訓練によってはじめて可能となります。
 
一方、この行動に変調が起こると、手足が勝手に動いてしまうような不随意運動症が現れます。
これは、主に大脳基底核視床の障害で起こりますが、とくに有名なものが手足の振戦(ふるえ)です。
ただし、振戦は必ずしも大脳基底核の障害だけではなく、小脳や大脳の興奮の仕方によっても出現することがありますから、注意が必要です。
 
大脳基底核の障害の代表がパーキンソン病などの振戦を伴う障害で、さまざまな分類方法があります。
 
  休止時振戦(ひざの上などに置いた手がふるえる状態)
  運動時振戦(手を動かすときにふるえる状態)
  姿勢時振戦(手を開いて前に出し、静止した状態で保とうとするときにふるえる状態)
 
さらに、振戦の原因から次のように分類することもできます。
 
  本態性振戦
最も日常にみられ、親子や兄弟に共通して現れることがあることから家族性振戦とも呼ばれ、年齢に関係なくみられるのが特徴です。
 
  中毒性振戦
アルコールのとりすぎや睡眠薬精神安定剤、血圧降下剤などの薬物中毒によってふるえる状態。
姿勢時振戦が主体となりますが、運動振戦もみられ、精神的な緊張が高まると増強しますが、アルコールや精神安定剤で少なくなり、これらの習慣性のもととなります。
 
  パーキンソン振戦
パーキンソン病(大脳基底核黒質の障害が主体で起こる病気)のときにみられるふるえです。
基本的には静止時に起こり、運動時には軽減することが多いのですが、それだけでは区別はできません。
一般的に、体は静止しているのに、手だけがふるえるのが特徴で、睡眠時には起こらず、感情の起伏で増強されます。
 
ちなみに、パーキンソン病はこのほか、うつ症状や無表情を伴ったりほか、動作が緩慢になったり、自律神経症状が現れたり、前傾姿勢になったりする症状をもたらします。
また、とことこ歩行(歩きはじめたり、急に立ち止まったりするのが困難になり、前方に突進したりする)などが現れるのも特徴です。
 
  老人性振戦
高齢者によくみられるふるえは、大脳基底核脳梗塞が原因で現れますが、随意運動により、かえってふるえが増強されるのが特徴です。
ふるえは手だけでなく、頭部や下あご、唇、舌などにもみられます。そのほかのハーキンソン症状はみられません。
 
  企図振戦(きとしんせん)
別名、小脳振戦とも呼ばれ、何かをしようとしたときにふるえが強くなります。
小脳の中ほどにある神経核の障害が原因で起こります。
以上のうち、どれも少なからず脳梗塞と関係があり、とくにパーキンソン振戦、老人性振戦、企図振戦は、隠れ脳梗塞の初期症状として現れますから、見逃さないようにすることが非常に重要です。
「自分で見つけて治す隠れ脳梗塞 より」
 
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認知症の多くは、脳血管障害の積み重ねで起こり、その原因のほとんどが脳梗塞です。
ですから、脳梗塞の前兆である隠れ脳梗塞を早期発見することで多くの認知症を防ぐことができるのです。
「隠れ脳梗塞(無症候性脳梗塞)は、早い人だと30代からあらわれ、40代を過ぎると急に増加するといわれています。
 
脳梗塞は、高血圧や糖尿病などの病気が原因となったり、生活習慣などによって血液がドロドロになって血液循環が悪くなったりして、血管が厚く狭くなり、脳の血管が徐々に詰まって進行していきます。
一般的に、脳梗塞の初期には、大きさ数ミリ程度の微小な梗塞が数個出現し、段階をへるごとにこの梗塞が脳のあちこちに見られます。
このような症状のないごく小さな梗塞が隠れ脳梗塞(無症候性脳梗塞)です。
 
脳梗塞をはじめとする脳血管障害を生活習慣病の一つととらえ、ふだんから脳の血管を健康に保つ生活を心がけ、脳梗塞を予防し、脳の健康を守ることが大切なのです。
 
ビタミンB12には、脳の血流をよくするとともに、脳神経の働きを改善あるいは促進する作用があります。
同時に、動脈硬化の原因となるホモシステイン活性酸素(ふえすぎると体に害を及ぼす非常に不安定な酸素)を除去する働きも持っています。
ビタミンB12は、大量かつ配合によって効果的に働き、そして、ビタミンB群はバランス良く摂ることで相乗効果を発揮します。
ビタミンB12は、脳からの指令を伝達する神経を、正常に働かせるために必要な栄養素です。
 
十分にあると、集中力ややる気が高まり、不足すると、神経過敏などの症状が起こりやすくなります。
また、脳や神経と関連が深く、不眠症にも効果があるといわれています。
 
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